中学国語『活用の種類』見分け方と覚え方を教えます!

 今回の記事は、活用』や『活用形』を理解していることを前提に書かれています。

 『活用』や『活用形』がよく分からないという人は、以前に投稿した動詞の活用形・見分け方と覚え方を教えます!をご覧になったうえで、この記事を読み進めて下さい。

・この記事の内容は、以下の通りです。

  『活用の種類』ってなに?

  ②『五段活用』ってなに?

  ③『上一段活用』ってなに?

  ④『下一段活用』ってなに?

  ⑤『カ行変格活用』ってなに?

  ⑥『サ行変格活用』ってなに?

  ⑦『活用の種類』の見分け方

  ⑧『活用の種類』の覚え方

 『活用の種類』『動詞の活用形』と並んで、学校の定期テストや入試でよく出題される分野です。この記事を読んでしっかり身に付けましょう!

➀『活用の種類』ってなに?

 動詞の種類について説明する前に、一つ覚えておいて欲しい言葉があります。

 それは活用語尾です。

 『活用語尾』とは『ある単語が活用するときの、変化する部分のことです。

 これだけでは分かりにくいと思うので、1つ例を挙げてみましょう。

 『遊ぶ』に『ない』を接続すると活用して『遊ばない』になります。

 活用することで、『遊ぶ』の『ぶ』が『ば』に変化していますよね。

 この』が『遊ぶ』の活用語尾になります。

 活用語尾について理解してもらえたところで、『活用の種類』について見ていきましょう。

 動詞には、全部で5つの活用の種類(活用のパターン)があります。

 ↓にその5つの活用の種類を挙げていきますね。

 五段活用

 ⇒ 活用語尾が「ア・イ・ウ・エ・オ」の5段の音に変化する活用

 上一段活用

 ⇒ 活用語尾に『イ』段の音が入りその『イ』段の音を中心に変化する活用

 下一段活用

 ⇒ 活用語尾に『エ』段の音が入りその『エ』段の音を中心に変化する活用

 ④カ行変格活用

 ⇒ カ行変則的に変化する特殊な活用

 ⑤サ行変格活用

 ⇒ サ行変則的に変化する特殊な活用

 いきなり活用の種類をたくさん挙げてしまったので、びっくりしたかもしれませんね。

 それぞれの活用の種類についてはこのあとに詳しく解説するので、とりあえず5つの活用の種類があるということだけ覚えておいて下さい。

楽しそうに勉強する子どもたち


②『五段活用』ってなに?

 ここからは活用の種類』について、一つ一つ詳しく解説していきたいと思います。

 まずは『五段活用』について説明していきます。

 五段活用』とは

 活用語尾が「ア・イ・ウ・エ・オ」の5段の音に変化する活用

 のことですが、これだけだとよく分からないと思います。

 そこで、五段活用の動詞である『歩く』を例に挙げて、もう少し詳しく見ていきましょう。

 『歩く』を6つの活用形に活用させてみると…、

 ・未然形:『歩かない歩こ

 ・連用形:『歩きます

 ・終止形:『歩く

 ・連体形:『歩くとき

 ・仮定形:『歩け

 ・命令形:『歩け

 『歩く』の活用語尾である『く』が、『か・き・く・け・こ』の5段の音に変化していますね。

 このように活用語尾が5段の音に変化するのが『五段活用』になります。

 他にも走る』『遊ぶ』『書く』『話す』なども五段活用の動詞ですので、6つの活用形に活用して5段の音に変化することを確かめてみましょう。

勉強している少年のイラスト


➂ 『上一段活用』ってなに?

 ここでは『上一段活用』について説明していきます。

 上一段活用』とは

 活用語尾に『イ』段の音が入り、その『イ』段の音を中心に変化する活用

 のことですが、これだけだとよく分からないですよね。

 そこで、上一段段活用の動詞である『起きる』を例に挙げて、もう少し詳しく見ていきましょう。

 『起きる』を6つの活用形に活用させてみると…、

 ・未然形:『起きない起きよう

 ・連用形:『ます

 ・終止形:『起きる

 ・連体形:『起きるとき

 ・仮定形:『起きれ

 ・命令形:『起きろ

 『起きる』の活用語尾である『きる』が、『き・き・きる・きれ・きろ』と変化しています。

 イ段の音である『き』が必ず活用語尾に入っており、さらに『き』を中心に変化していますね。

 このようにイ段の音を中心に『イ・イ・イル・イル・イレ・イロ』と変化するのが『上一段活用』になります。

 他にも生きる』『降りる』『着る』『見る』なども上一段段活用の動詞ですので、6つの活用形に活用してイ段の音を中心に『イ・イ・イル・イル・イレ・イロ』と変化することを確かめてみましょう。

一生懸命、勉強している女の子


➃『下一段活用』ってなに?

 ここでは『下一段活用』について説明していきます。

 下一段活用』とは

 活用語尾に『エ』段の音が入り、その『』段の音を中心に変化する活用

 のことですが、これだけだとよく分からないと思います。

 そこで、下一段段活用の動詞である『食べる』を例に挙げて、もう少し詳しく見ていきましょう。

 『食べる』を6つの活用形に活用させてみると…、

 ・未然形:『食べない食べよう

 ・連用形:『食べます

 ・終止形:『食べ

 ・連体形:『食べとき

 ・仮定形:『食べ

 ・命令形:『食べ

 『食べる』の活用語尾である『べる』が、『べ・べ・べる・べれ・べろ』と変化しています。

 エ段の音である『べ』が必ず活用語尾に入っており、さらに『べ』を中心に変化していますね。

 このようにエ段の音を中心に『エ・エ・エル・エル・エレ・エロ』と変化するのが『下一段活用』になります。

 他にも答える』『受ける』『得る』『出る』なども下一段段活用の動詞ですので、6つの活用形に活用してエ段の音を中心に『エ・エ・エル・エル・エレ・エロ』と変化することを確かめてみましょう。

手を挙げて答えようとしている勉強する子どもたち


⑤『カ行変格活用』ってなに?

 ここでは『カ行変格活用』について説明していきます。

 カ行変格活用』とは

 カ行で変則的に変化する特殊な活用

 のことです。

 ↑の説明だけ見ると難しそうに感じるかもしれませんが、カ行変格活用の動詞は『来る』の1つしかありません。

 この『来る』を6つの活用形に活用させてみましょう。

 ・未然形:『来(こ)ない来(こ)よう

 ・連用形:『来(き)ます

 ・終止形:『来(く)

 ・連体形:『来(く)とき

 ・仮定形:『来(く)

 ・命令形:『来(こ)い

 ↑のようにカ行で『こ・き・くる・くる・くれ・こい』と変則的に変化するのが『カ行変格活用』になります。


⑥『サ行変格活用』ってなに?

 それでは最後に『サ行変格活用』について説明していきます。

 サ行変格活用』とは

 サ行で変則的に変化する特殊な活用

 のことです。

 カ行変格活用の動詞が『来る』の一語のみだったように、サ行変格活用の動詞も『する』と『○○する』のみになります。

 『○○する』は『勉強する』『運転する』『料理するなどのように、『する』を付け加えた動詞のことです。

 よって基本的には『する』がサ行変格活用の動詞だと思ってもらってよいです。

 この『する』を6つの活用形に活用させてみましょう。

 ・未然形:『ないよう

 ・連用形:『ます

 ・終止形:『

 ・連体形:『とき

 ・仮定形:『

 ・命令形:『しろ』『せよ

 ↑のようにサ行で『し・し・する・する・すれ・しろ,せよ』と変則的に変化するのが『サ行変格活用』になります。

 以上で、5つの活用の種類の説明は終わりです。

 この次は『活用の種類の見分け方』『活用の種類の覚え方』について、解説していきますね。

楽しそうに勉強する子どもたち


⑦『活用の種類』の見分け方

 ここからは、5つの活用の種類の見分け方について解説していきますね。

 まず、来る』はカ行変格活用でした。

 それと、する』と『○○する』はサ行変格活用でしたね。

 それでは、カ行変格活用とサ行変格活用を除いた、五段活用・上一段活用・下一段活用の見分け方をお教えします。

 それは、

 動詞の後に『ない』を接続する

 という方法です。

 動詞に『ない』を接続したとき、

 ①『ない』の直前が『ア段』の音⇒ 五段活用

 ②『ない』の直前が『イ段』の音⇒ 上一段段活用

 ③『ない』の直前が『エ段』の音⇒ 下一段段活用

 ↑のように、3つの活用の種類を見分けることができます。

 それではいくつかの動詞に『ない』を接続して、活用の種類を見分けることができることを確かめてみましょう。

 五段活用の動詞『書く』に『ない』を接続すると『書かない』となり、『ない』の直前がア段の音である『か』になってますね。

 上一段活用の動詞『降りる』に『ない』を接続すると『降りない』となり、『ない』の直前がイ段の音である『り』になってますね。

 下一段活用の動詞『受ける』に『ない』を接続すると『受けない』となり、『ない』の直前がエ段の音である『け』になってますね。

 それでは、活用の種類を見分けることができるかどうか、↓の練習問題で確認してみましょう!

【問】以下の動詞の活用の種類を答えましょう。

 (1) 運転する

 (2) 見る

 (3) 走る

 (4) 出る

 (5) 来る

 (1)は「○○する」なので、『サ行変格活用』です。

 (2)は「ない」を付け加えると『見(み)ない』となり、「ない」の直前が「イ段の音(み)」なので、『上一段活用』です。

 (3)は「ない」を付け加えると『走らない』となり、「ない」の直前が「ア段の音(ら)」なので、『五段活用』です。

 (4)は「ない」を付け加えると『出(で)ない』となり、「ない」の直前が「エ段の音(で)」なので、『下一段活用』です。

 (5)は「来る」なので、『カ行変格活用』です。

 練習問題はすべて正解することができましたか?

 間違えたところは、しっかり復習しておきましょう!

手を挙げて答えようとしている勉強する子どもたち


⑧『活用の種類』の覚え方

 それでは最後に、五段活用・上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用

5つの活用の種類を覚えるゴロ合わせを紹介します。

 それは、

 『Go!上下に変な坂

 です!

 気合を入れて、上がったり下がったりをくり返す坂を突破しようとしているところをイメージしてもらうとよいでしょう。

 ゴロ合わせの内訳は↓の通りです。

 ・Go→ 五段活用

 ・上→ 上一段活用

 ・下→ 下一段活用

 ・変な→ 変格活用

 ・さ→ サ行

 ・か→ カ行

坂道を走っているランナーのイラスト

※YouTubeに「活用の種類の覚え方と見分け方」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!

【動画】中学国語ゴロ合わせ「活用の種類・覚え方と見分けるポイント」


記事のまとめ

 以上『活用の種類』の解説と見分け方・覚え方を詳しく見てきましたが、いかがだったでしょうか?

 記事のポイントを↓にまとめたので、ぜひご覧下さい。

 ①『活用の種類』とは
 ⇒ 動詞には全部で『五段活用』『上一段活用』『下一段活用』『カ行変格活用』『サ行変格活用』の5つの活用の種類がある。
 
『五段活用』とは
 ⇒ 活用語尾が「ア・イ・ウ・エ・オ」の5段の音に変化する活用
 ⇒ 五段活用の動詞は『歩く』『走る』『遊ぶ』『書く』『話す』など
 
『上一段活用』とは

 ⇒ 活用語尾に「イ」段の音が入り、その「イ」段の音を中心に変化する活用
  イ段の音を中心に『イ・イ・イル・イル・イレ・イロ』と変化する
 ⇒ 上一段活用の動詞は『起きる』『生きる』『降りる』『着る』『見る』など
 
『下一段活用』とは

 ⇒ 活用語尾に「エ」段の音が入り、その「」段の音を中心に変化する活用
  エ段の音を中心に『エ・エ・エル・エル・エレ・エロ』と変化する
 ⇒ 下一段活用の動詞は『食べる』『答える』『受ける』『得る』『出る』など
 
『カ行変格活用』とは

 ⇒ カ行で変則的に変化する特殊な活用
  カ行で『こ・き・くる・くる・くれ・こい』と変則的に変化する
 ⇒ カ行変格活用の動詞は『来る』のみ
 
『サ行変格活用』とは

 ⇒ サ行で変則的に変化する特殊な活用
  サ行で『し・し・する・する・すれ・しろ,せよ』と変則的に変化する
 ⇒ サ行変格活用の動詞は『する』『○○する』のみ
 
『活用の種類』の見分け方
 ⇒ 『来る』はカ行変格活用、『する』『○○する』はサ行変格活用
 ⇒ ↑以外の動詞は『ない』を付け加えて『ない』の直前の語で判断する 
 ⇒ ↑の方法で『ない』の直前が『ア段の音』なら五段活用、『イ段の音』なら上一段活用、『エ段の音』なら下一段活用
 
『活用の種類』の覚え方
 ・五段・上一段・下一段・カ行変格・サ行変格活用を覚えるゴロ合わせ
 ⇒『Go! 上下に変な坂
 

 今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。

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