今回は中3数学「平方根」で学習する、有理化のやり方についての解説記事になります。
「有理化」が苦手な中学生もいると思いますが、やり方を理解して練習すれば、必ずできるようになりますので、一緒に頑張りましょう!
この記事では、以下の内容について解説しています。
この記事を読んで、有理化のやり方をしっかり理解しましょう!
①根号の数のわり算のやり方
「有理化」のやり方について解説していく前に、まずは基本となる「根号の数のわり算」のやり方をきちんと身に付けましょう!
以前の記事で「根号の数のかけ算のやり方」について解説しました。
では「根号の数のわり算」はどのように計算するのか、下の例を使って説明していきますね!
(例) √10÷√2
根号のわり算は、以下のように計算することができます。
これを利用して、上の例題を解くと…、
と計算することができます。
もう1問、練習してみましょう!
【問】√21÷√3
答えは↓の通りです。
◎根号のわり算の計算が成り立つ理由
ここで、根号の数のわり算が成り立つ理由について、簡単に説明しておきますね。
↓の式が本当に成り立つのか、左辺と右辺を2乗して確かめてみましょう。
(※左辺はイコールの左側、右辺はイコールの右側のこと!)
まず、左辺を2乗すると…、
ここで、(√□)²=□なので、
よって、左辺の2乗は5であることがわかりました。
一方、右辺を2乗すると、先ほどと同様(√□)²=□なので、
よって、右辺の2乗も5であることがわかりました。
これで、左辺の2乗と右辺の2乗が等しいことがわかりました。
□²=△²で□と△がともに正の数であるなら、□=△なので、
↑が成り立つといえますね!
これで根号のわり算が成り立つことが理解できたと思います。
②「有理化」のやり方を理解しよう!
それではいよいよ「有理化」のやり方について、詳しく見ていきましょう!
「有理化とは何か」を一言でいうと、
分母の根号がない形にする
ことです。
そのために、分子と分母に同じ数をかけます。
↓の数を例に、有理化のやり方を具体的に説明していきますね。
分母に根号の数がある場合、分子と分母に同じ数をかけて、分母に根号を含まない形にすることを有理化といいます。
上の場合だと、分母も分子も√3の数をかけて有理化します。
分子も分母も同じ数(↑の場合は√3/√3)は、結局“1”ですよね。
1をかけても数の大きさは変わらないので、大きさはそのままで分母に根号を含まない形にすることができます。
イメージとしては、分数を通分するとき、分子と分母に同じ数をかけることに似ているといえるでしょう。
もう1問、有理化を練習してみましょう。
【問】
この数を有理化するには、分子と分母に√5をかけるとよいので、
③なぜ「有理化」するの?
ここまで有理化のやり方について説明してきましたが、なぜ「分母に根号を含む数」を有理化する必要があるのか疑問に感じた人も多いでしょう。
そこで、ここでは分母を有理化する理由について簡単に解説してみます。
「有理化する前の数」と「有理化した後の数」を比べて、有理化の必要性について考えていきたいと思います。
①有理化する前
②有理化した後
①の有理化する前の数について、平方根の値を用いて計算してみましょう。
√3の値は1.7320508…なので、
2÷1.7320508…
となり、わる数の方に1.7320508…がくるので、計算がたいへんになります。
同様に②の有理化した後の数を、平方根の値を用いて計算してみます。
√3の値は1.7320508…なので、
(2×1.7320508…)÷3
となり、わる数の方に整数の3がくるので、先ほどの①より計算がやりやすくなります。
分母を有理化してもしなくても、数の大きさ自体は同じなのですが、実務で根号の数を扱う場合は、有理化した方が計算がスムーズにできるというメリットがあります。
以上が、分母の有理化が必要な理由になります。
④ 「有理化」の練習問題
それでは、有理化の練習問題をやっていきましょう!
全部で4問あるので、すべて正解できるようがんばって下さいね。
【解答・解説】
①は分子・分母に√3をかけて有理化します。
分子の6と分母の3は約分できますので、忘れないよう注意して下さいね。
②は分子・分母に√2をかけて有理化します。
分母が3√2ですが、有理化するために分子と分母にかけるのは√2でよいので、3√2をかけないように注意しましょう。
もし3√2をかけても計算しても同じ結果にはなりますが、計算がたいへんになり計算ミスをおこしやすくなるので気を付けましょう。
③は分子・分母に√7をかけて有理化します。
この問題も(2)と同様に分母が3√7ですが、有理化するために分子と分母にかけるのは√7でよいので、3√7をかけないように注意しましょう。
さらに分子の14と分母にできる7が約分できるので、忘れないように注意しましょう!
④は有理化する前に、先に根号内における分子の2と分母の10を約分します。
つづいて、分子と分母に√5をかけて有理化します。
もし先に根号内を約分せずに計算しても(分子と分母に√10をかけても)同じ結果にはなりますが、計算が複雑になり計算ミスをおこしやすくなります。
ですから根号内で約分できる場合は、有理化する前に約分するよう心がけましょう。
YouTubeに「分母の有理化の問題」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
さらにYouTubeに「有理化を使う計算問題」の解き方についての解説動画も投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中3数学で学習する「有理化のやり方」について詳しく説明してきました。 いかがだったでしょうか?
この記事の内容をまとめると…
①根号の数のわり算のやり方は↓の通り
②有理化とは「分子と分母に同じ数をかけ分母に根号を含まない形にすること」
③なぜ有理化する必要があるのか?
⇒ 有理化すると整数が割る数になるため、実務において計算がスムーズになるため
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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