中2数学「連立方程式」速さの文章題を解くコツ教えます!

 中学2年の数学で学習する「連立方程式」

 前回の記事では連立方程式・基本の文章題の解き方について解説しました。

 今回は苦手にしている中学生が非常に多い連立方程式・速さの文章題」の解き方についての解説記事です。

 この記事では↓のポイントについて解説しています。

   ①「連立方程式・速さの文章題」を表を使って解く

   ②「連立方程式・速さの文章題」の練習問題

 この記事を読んで、連立方程式・速さの文章題を解くコツを、しっかり覚えましょう!

   ※サムネイルは丑蟻さんによるイラストACからのイラスト

①「連立方程式・速さの文章題」を表を使って解く

 ↓の例題を使って、連立方程式・速さの文章題を解く手順について解説していきたいと思います。

【例題】

 A地からB地まで16㎞あります。

 A地から途中のP地まで時速5㎞、P地からB地まで時速3㎞の速さで歩いたら4時間かかりました。

 A地からP地までの距離・P地からB地までの距離を求めましょう。

 方程式の文章題を解くときに、一番はじめにすることは何か覚えていますか?

   :

 そう、求めたい値を文字で表すことです。

 この問題において、求めたい値は

  ① A地~P地までの距離

  ② P地~B地までの距離

 ですので、A~P間の距離を、P~B間の距離をと表します。

勉強している少年のイラスト

  次に、↓に用意した表を埋めていくことを通して、答えを求めていきます。

    連立方程式・速さの問題を解くために用いる表➀

 この表の空欄の中で、わかっているところは、

 合計の距離

  ⇒ 問題文より16㎞

 ② A~P間・P~B間の速さ

  ⇒ 問題文より時速5㎞時速3㎞

 ③ 合計の時間

  ⇒ 問題文より4時間

 さらに、A~P間・P~B間の距離をxyと文字で置いたので、

    連立方程式・速さの問題を解くために用いる表②

 ↑のように表の空欄を埋めることができます。

一生懸命、勉強している女の子

 それでは残った空欄の、A~P間とP~B間の時間について考えてみましょう。

 時間を求めるにはどうすればよいか覚えていますか?

   :

 そう、

 時間=距離÷速さ

 でしたね!

 よって、A~P間とP~B間の時間はそれぞれ、

  ・A~P間の時間

  x(㎞)÷5(㎞/時)=x/5(時間)

 ・P~B間の時間

  y(㎞)÷3(㎞/時)=y/3(時間)

 したがって、表は↓のように全て埋めることができます。

    連立方程式・速さの問題を解くために用いる表③

楽しそうに勉強している男の子のイラスト

 では、すべての欄をうめた表をもとに、連立方程式をつくってみましょう。

     連立方程式・速さの問題を解くために用いる表④

 ↑の表にかいてある通り、距離と時間の2つの式をつくることができます。

   ①x(㎞)+y(㎞)=16(㎞) ②x/5(時間)+y/3(時間)=4(時間)

 よって、以下のように連立方程式をつくることができます。

  x+y=16…① x/5+y/3=4…②

 今回は、加減法を使って計算していきたいと思います。

 ②の式が分数なので、両辺に分母の5と3の最小公倍数である”15”をかけます。

  3x+5y=60…②’

 ①と②’のの係数を合わせるために、①の式の両辺に”3”をかけます。

  3x+3y=48…①’

 つづいて、①’と②’をひき算します。

  3x+3y=48と3x+5y=60のひき算の筆算の結果は-2y=-12

 −2y=-12

 両辺を-2で割ると

 y=6

 y=6を➀に代入

 x+6=16

  x=16-6

  x=10

 よって答えは、

 A~P間の距離は10㎞

 ・P~B間の距離は6㎞

楽しそうに勉強している女の子のイラスト

 どうでしたか?「連立方程式・速さの文章題」を解く手順は理解できましたか?

 大まかな流れとしては、

  ① 求めたい値を文字で表す

  ② 距離・速さ・時間の表をつくり、わかるところから埋めていく

  ③ 距離・速さ・時間のいずれかで、等しい関係が成り立っている

  ④ 表から等しい関係を2つ探し出し連立方程式をつくる

  ⑤ つくった連立方程式を解き、答えを求める

※YouTubeに「連立方程式・速さの文章題」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!

【動画】中2数学「連立方程式の利用・速さ」


②「連立方程式・速さの文章題」の練習問題

 ここでは、先ほど解説した「連立方程式・速さの文章題」を解く手順を使って、練習問題を解いていきたいと思います。

 ↓の問題を一緒に解いていきましょう!

【問題】

 A地からB地まで14㎞あります。

 A地から途中のP地まで時速2㎞、P地からB地まで時速6㎞の速さで歩いたら3時間かかりました。

 A地からP地まで行くのにかかった時間・P地からB地まで行くのにかかった時間を求めましょう。

歩いているカップルのイラスト

 まずはじめに、問題文で尋ねられている値である

 ・A~P間の時間

 ・P~B間の時間

 をそれぞれ時間時間とおきます。

 つづいて、距離・速さ・時間の表をつくってみましょう。

   連立方程式・速さの問題を解くために用いる表➀

 この表の空欄の中で、わかっているところは、

 合計の距離

  ⇒ 問題文より14㎞

 ② A~P間・P~B間の速さ

  ⇒ 問題文より時速2㎞時速6㎞

 ③ 合計の時間

  ⇒ 問題文より3時間

 さらに、A~P間・P~B間の時間をx時間y時間と文字で置いたので、

    連立方程式・速さの問題を解くために用いる表⑤

 ↑のように表の空欄を埋めることができます。

 それでは残っている空欄、A~P間とP~B間の距離について考えましょう。

 距離を求める計算のやり方を覚えていますか?

   :

 そう、

  距離=速さ×時間

 でした!

 よって、A~P間とP~B間の距離はそれぞれ、

  ・A~P間の距離

  2(㎞/時)×(時間)=2(㎞)

  ・P~B間の距離

  6(㎞/時)×(時間)=6(㎞)

 したがって、表は↓のように全て埋めることができますね。

    連立方程式・速さの問題を解くために用いる表⑥

歩きすぎてつかれながらも汗だくで歩いているカップルのイラスト

 では、すべての欄をうめた表をもとに、連立方程式をつくってみましょう。

    連立方程式・速さの問題を解くために用いる表⑦

 ↑の表にかいてある通り、距離と時間の2つの式をつくることができます。

  ① 2x(㎞)+6y(㎞)=14(㎞)

  ② x(時間)+y(時間)=3(時間)

 ここから、以下のように連立方程式をつくることができますね。

 2x+6y=14…①

 x+y=3…②

手を挙げて答えようとしている勉強する子どもたち

 あとは、加減法を使って↑の連立方程式を解いてきます!

 xの係数を合わせるために②を2倍すると、

  ・2x+2y=6…②’

 次に①と②’をひき算します。

   2x+6y=14と2x+2y=6のひき算の筆算の結果は4y=8

 4y=8

 両辺を4で割ると、

  y=2

 y=2を②に代入

 x+2=3

    x=3-2

    x=1

  よって答えは、

  A~P間の時間は1時間

  ・P~B間の時間は2時間


記事のまとめ

 以上、中2数学で学習する「連立方程式・速さの文章題」の解き方について、詳しく説明してきました。
 いかがだったでしょうか?
 

 今回の記事のポイントをまとめると…

 連立方程式・速さの文章題を解く手順

 ➀ 求めたい値を文字(xとy)で表す

         ↓

 ② 距離・速さ・時間の表を作成して、空欄を埋めていく

         ↓

 ➂ 距離・速さ・時間の表の中で、等しい関係を2つ見つける

         ↓

 ④ ③の等しい関係をもとに、連立方程式をつくる

         ↓

 ⑤ ④の連立方程式を解いて、答えを求める

 今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。

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