中学社会の地理分野で学習する「工業地帯・地域」。
今回は、各工業地帯・地域の特徴とゴロ合わせによる覚え方を解説していきます。
①工業地帯・地域を日本地図で確認
まずは、日本の工業地帯と工業地域を地図で確認しておきましょう。
4つの工業地帯の位置は↓のようになります。
①京浜工業地帯は、主に東京・神奈川を中心とした工業地帯です。
②中京工業地帯は、主に愛知・三重・岐阜を中心とした工業地帯です。
③阪神工業地帯は、主に大阪・兵庫を中心とした工業地帯です。
④北九州工業地帯は、主に福岡を中心とした工業地帯です。
5つの工業地域の位置は↓のようになります。
⑤北陸工業地域は、主に新潟・富山・石川・福井を中心とした工業地域です。
⑥北関東工業地域は、主に茨城・栃木・群馬・埼玉を中心とした工業地域です。
⑦京葉工業地域は、主に千葉を中心とした工業地域です。
⑧東海工業地域は、主に静岡を中心とした工業地域です。
⑨瀬戸内工業地域は、主に岡山・広島・山口・香川・愛媛を中心とした工業地域です。
※YouTubeに「日本の工業地帯・地域」についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
②4つの工業地帯の特徴を解説
ここでは、京浜・中京・阪神・北九州工業地帯の特徴について、それぞれ詳しく解説していきます。
高校入試でもよく出題される内容ですので、各工業地帯の特徴をしっかり押さえておきましょう。
(ⅰ) 京浜工業地帯の特徴
京浜工業地帯は、主に東京・神奈川を中心とした工業地帯であり、東京の”京”と、神奈川の県庁所在地である横浜の”浜”がその名前の由来です。
京浜工業地帯の特徴は、機械工業の割合が工業別出荷額割合の5割近くを占めているところです。
覚えておきたい工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
① 鉄鋼業:川崎 (神奈川県)
② 造船業:横浜 (神奈川県)
③ 石油化学:川崎、横浜
(ⅱ) 中京工業地帯の特徴
中京工業地帯は、主に愛知・三重・岐阜を中心とした工業地帯であり、“中京”は名古屋が東京と京都の中間にあったことからそう呼ばれたことに由来しています。
中京工業地帯の特徴は、
・工業出荷額が第1位である
・自動車工業を含む機械工業の割合が工業別出荷額割合の7割近くを占めている
ところです。
覚えておきたい工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
① 自動車:豊田 (愛知県)
② 石油化学:四日市 (三重県)
③ 陶磁器:瀬戸 (愛知県)、多治見 (岐阜県)
(ⅲ) 阪神工業地帯の特徴
阪神工業地帯は、主に大阪・兵庫を中心とした工業地帯であり、大阪の”阪”と、兵庫の県庁所在地である神戸の”神”がその名前の由来です。
阪神工業地帯の特徴は、中小工場が多いため、機械工業の割合が少なめで金属工業の割合が多めであるところです。
覚えておきたい工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
① 鉄鋼業:堺 (大阪府)
② 石油化学:堺 (大阪府)
③ 造船業:神戸 (兵庫県)
(ⅳ) 北九州工業地帯の特徴
北九州工業地帯は、主に福岡を中心とした工業地帯であり、八幡製鉄所と筑豊炭田により発展を遂げました。
北九州工業地帯の特徴は、工業地帯・地域の中で工業出荷額が最小であるところです。
覚えておきたい工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
① 鉄鋼業:北九州 (福岡県)
② 機械工業:北九州 (福岡県)
③4つの工業地帯のゴロ合わせ
ここでは4つの工業地帯を覚えるゴロ合わせを紹介します。
そのゴロ合わせとは、
「景品発注、期待!」
です。
ゲームセンターの店員さんが、お客さんが景品を獲得するのをイメージして、わくわくしながら発注しているところをイメージして覚えてみて下さい。
それぞれ、
・景品→ 京浜工業地帯
・発(は)→ 阪神工業地帯
・注→ 中京工業地帯
・期→ 北九州工業地帯
・待→ (地)帯
を表しています。
※YouTubeに「日本の工業地帯の覚え方」のゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
④5つの工業地域の特徴を解説
ここでは、北陸・北関東・京葉・東海・瀬戸内工業地域の特徴について、それぞれ詳しく解説していきます。
4つの工業地帯と同様に、こちらも高校入試でもよく出題される内容ですので、各工業地域の特徴をしっかり押さえておきましょう。
(ⅴ) 北陸工業地域の特徴
北陸工業地域は、主に新潟・富山・石川・福井を中心とした工業地域です。
北陸工業地域の特徴は、
・繊維工業の占める割合が高い
・伝統工業がさかん
というところです。
代表的な伝統工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
・ 燕 (新潟県):洋食器
・ 鯖江 (福井県):眼鏡フレーム
(ⅵ) 北関東工業地域の特徴
北関東工業地域は、主に茨城・栃木・群馬・埼玉を中心とした工業地域です。
北関東工業地域の特徴は、内陸のため原料の輸入は不向きであることから、自動車・電気機器など組み立て工業がさかんである点が挙げられます。
そのため、機械工業の工業別出荷額割合が40~50%と高めであるという特徴があります。
(ⅶ) 京葉工業地域の特徴
京葉工業地域は、主に千葉を中心とした工業地域であり、東京の”京”と、千葉の”葉”がその名前の由来です。
京葉工業地域の特徴は、
・化学工業の割合が高い
・さらに機械工業の割合が最も小さく、化学工業の割合が最も大きい
ところです。
覚えておきたい工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
① 鉄鋼業:千葉 ・君津 (ともに千葉県)
② 石油化学:市原 (千葉県)
(ⅷ) 東海工業地域の特徴
東海工業地域は、主に静岡を中心とした工業地域です。
東海工業地域の特徴は、機械工業の割合が工業別出荷額割合の5割近くを占めているところです。
覚えておきたい工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
① 浜松(静岡県)で、楽器(ピアノ)とオートバイの生産がさかん
② 製紙・パルプ工業:富士 (静岡県)
(ⅸ) 瀬戸内工業地域の特徴
瀬戸内工業地域は、主に岡山・広島・山口・香川・愛媛を中心とした工業地域です。
瀬戸内工業地域の特徴は、機械工業の割合がやや小さく、化学工業の割合が大きいところです。
覚えておきたい工業とその工業がさかんな都市を↓に挙げておきます。
① 石油化学・鉄鋼業:倉敷 (岡山県)
② 自動車:広島 (広島県)
③ 今治(愛媛県)のタオル
⑤5つの工業地域のゴロ合わせ
ここでは5つの工業地域を覚えるゴロ合わせを紹介します。
そのゴロ合わせとは、
「一気にフォークで、ようかん通せ!」
です。
フォークを片手にようかんを一気に刺そうとしているところをイメージして覚えてみて下さい。
それぞれ、
・一気→ (地)域
・フォーク→ 北陸工業地域
・よう→ 京葉工業地域
・かん→ 北関東工業地域
・通(とお)→ 東海工業地域
・せ→ 瀬戸内工業地域
を表しています。
※YouTubeに「日本の工業地域の覚え方」のゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中学地理「日本の工業地帯・地域」について、詳しく説明してきました。
いかがだったでしょうか?
今回の記事の内容をまとめると
①4つの工業地帯の特徴
・京浜工業地帯:東京・神奈川を中心としており、機械工業の割合が高め(5割前後)
・中京工業地帯:工業出荷額が第1位で、機械工業の割合が6~7割占める
・阪神工業地帯:大阪・兵庫を中心。機械工業の割合少なめで金属工業の割合多め
・北九州工業地帯:八幡製鉄所と筑豊炭田により発展。工業出荷額が最小
②4つの工業地帯のゴロ合わせ
『景品発注、期待!』
・景品→ 京浜工業地帯
・発(は)→ 阪神工業地帯
・注→ 中京工業地帯
・期→ 北九州工業地帯
・待→ (地)帯
③5つの工業地域の特徴
・北陸工業地域:繊維工業の占める割合が高く、伝統工業がさかん
・北関東工業地域:組み立て工業がさかんで、機械工業の割合が5割前後と高い
・京葉工業地域:機械工業の割合が最も小さく、化学工業の割合が最も大きい
・東海工業地域:静岡を中心としており、機械工業の割合が高め(5割前後)
・瀬戸内工業地域:機械工業の割合がやや小さく、化学工業の割合が大きい
④5つの工業地域のゴロ合わせ
『一気にフォークで、ようかん通せ!』
・一気→ (地)域
・フォーク→ 北陸工業地域
・よう→ 京葉工業地域
・かん→ 北関東工業地域
・通(とお)→ 東海工業地域
・せ→ 瀬戸内工業地域
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。