今回の記事は中3数学「二次方程式」で学習する、二次方程式の計算問題について解説していきたいと思います
二次方程式の計算方法は、大きく3つに分類することができます。
二次方程式はこの3つのパターンさえ覚えてしまえば、計算問題を必ず解くことができるので、この記事を読んで計算方法をよく理解しておきましょう!
この記事では、以下の4つのポイントを解説しています。
①『因数分解』を使って解くのが基本
二次方程式の計算をするとき、基本となるのは因数分解を使って解く方法です。
まずは、因数分解を使って解けるかどうかを考えてみましょう。
(例①)
x²-7x+10=0
この二次方程式の左辺に注目してください。
どうやら因数分解できそうですよね。
では、左辺を因数分解してみましょう。
すると、
(x-2)(x-5)=0
このように因数分解できます。
左辺=右辺が成り立つときの値が、この方程式の解になります。
右辺は0なので、左辺全体が0になるようなの値を考えると、 x=2 のときと x=5 のとき、左辺は0になります(左辺のどちらかのカッコ内が0になれば、左辺全体も0になる)。
よって、この方程式の解は x=2, x=5
ここからは、因数分解を使って解くパターンの二次方程式を何問か見ていきましょう。
(例②)
x²+14x+49=0
この二次方程式の左辺を因数分解すると、
(x+7)²=0
x=-7 のとき、左辺=右辺が成り立つ。
よって、この方程式の解は x=-7
(例③)
x²-9=0
この二次方程式の左辺を因数分解すると、
(x+3)(x-3)=0
x=-3 と x=3 のとき、左辺=右辺が成り立つ。
よって、この方程式の解は x=-3, x=3
(例④)
x²-5x=0
この二次方程式の左辺を因数分解するには、共通因数のxを取り出します。
x(x-5)=0
x=0 と x=5 のとき、左辺=右辺が成り立つ。
よって、この方程式の解は x=0, x=5
YouTubeに「因数分解で解く二次方程式」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
ここまで解説したように、二次方程式の計算は基本的には因数分解を利用して解いていきます。
ただし、因数分解が利用できない二次方程式もあります。
次に因数分解が使えない場合の二次方程式の解き方について解説していきます。
②因数分解が使えないときは『解の公式』を使う
ここからは、因数分解が使えない場合の二次方程式の解き方について解説していきます。
まずは↓の例題をご覧下さい。
(例)x²-7x+2=0
見ての通り、この二次方程式は因数分解できません。
このようなときに使うのが『解の公式』です。
解の公式とは、“ax²+bx+c=0“の二次方程式の解は、
になるという公式です。
では例題の二次方程式を、解の公式を使って解いてみましょう。
x²の係数a=1、xの係数b=-7、数の項c=2 を解の公式に代入すると、
さらに解の公式を使って解く二次方程式で、答えに注意が必要なものがあります。
↓の例題をご覧下さい。
(例)2x²+5x-3=0
この二次方程式も因数分解できないので、とりあえず解の公式を使って解いてみましょう。
x²の係数a=2、xの係数b=5、数の項c=-3 を解の公式に代入すると、
ここで±の後の部分が根号の数ではなくなったので、
をさらに計算して解を求める必要があります。
よって解は、
YouTubeに「解の公式を使う二次方程式」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③苦手な人が意外と多い”x²=□”のパターン
ここまで説明して通り、因数分解を使って解くか、それが使えないときは解の公式を使って解けば二次方程式を計算することができます。
しかし、この2パターンの二次方程式以外に、
x²=□
というタイプの二次方程式があり、これを苦手にしている中学生が意外に多いです。
↓の二次方程式を例に、このタイプの二次方程式の解き方について、詳しく解説したいと思います。
(例)x²-5=0
この二次方程式は因数分解することができませんね。
ちょっと強引ですが、解の公式を使って解くことはできます。
解の公式で解く場合は、x²の係数a=1、xの項はないのでb=0、数の項c=-5 を解の公式に代入すれば一応解くことはできます。
ただ、解の公式を使うと計算まちがいをする可能性があるので、↓に示すやり方をおすすめします。
まず数の項を右辺に移項して
x²=5
xは2乗して5になる数なので、5の平方根である。よって、
x=±√5【答】
この解き方のポイントは、xの項がなくて因数分解できない二次方程式は、”x²=□“の形にしてから”x=±√□“と解を導き出せることです。
似たパターンの問題をもう1問やってみましょう。
(例)3x²-21=0
この二次方程式もxの項がなくて因数分解できないので、“x²=□“の形にもっていきましょう。
まず数の項を右辺に移項して
3x²=21
x²の係数の3で両辺を割ると
x²=7
xは2乗して7になる数なので、7の平方根である。よって、
x=±√7【答】
x²の係数で両辺を割り、”x²=□”の形にもっていくのがポイントでした。
では最後に、このパターンのもう少し複雑な形の二次方程式を解いてみましょう。
(例)2x²-7=0
まず数の項を右辺に移項して
2x²=7
x²の係数の2で両辺を割ると
xは2乗して7/2になる数なので、7/2の平方根、よって
このままだと分母が根号の数なので、分子分母それぞれに√2をかけて有理化すると、
x²の係数で両辺を割り、”x²=□”の形にしたとき、□の数が分数になるので苦手意識を持つ人もいるかもしれません。
しかし、ここで説明した流れで“x=±√□”として、さらに分母を有理化すればよいだけですので、しっかり解けるように練習しておきましょう。
YouTubeに「”x²=□”のパターンの二次方程式」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
④ 二次方程式・計算の練習問題
最後に、ここまで解き方を解説してきた二次方程式の計算問題を用意していますので、チャレンジして理解度を確認しましょう。
① x²-2x-63=0
② x²-25=0
③ 2x²+3x=0
④ x²-5x-1=0
⑤ 3x²-10=0
ここからは解答解説を行っていきます。
①は左辺が因数分解できますので、
(x-9)(x+7)=0
よって、この方程式の解は x=9, x=-7
②も左辺が因数分解できますので、
(x+5)(x-5)=0
よって、この方程式の解は x=-5, x=5
③も左辺が因数分解できますので、
x(2x+3)=0
よって、この方程式の解は
x=0
④は因数分解できないので、解の公式を使います。
x²の係数a=1、xの係数b=-5、数の項c=-1 を解の公式に代入すると、
⑤ この二次方程式はxの項がなく因数分解もできないので、”x²=□”の形にもっていきます。
まず数の項を右辺に移項して、
3x²=10
x²の係数の3で両辺を割ると、
xは2乗して10/3になる数なので10/3の平方根、よって
このままだと分母が根号の数なので、分子と分母それぞれに√3をかけて、
練習問題はすべて正解できましたか?
間違えた問題はよく復習して、しっかり解けるようになりましょう!
記事のまとめ
以上、中3数学で学習する「二次方程式の計算・3つのパターン」について詳しく説明してきましたがいかがだったでしょうか?
この記事の内容をまとめると…
① 二次方程式の計算は、まずは因数分解を使って解けるか考える
(例①)
x²-9x+14=0
(x-2)(x-7)=0
(例②)
x²+7x=0
x(x+7)=0
② 因数分解できない場合は、 “ax²+bx+c=0“の解は↓の解の公式を使って解く
③因数分解ができなくて xの項がない二次方程式は、”x²=□”の形にして解く
(例)
2x²-14=0
2x²=14
x²=7
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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