今回は、中1数学「正の数・負の数」で、一番つまづいてしまう人が多い「正負の数の加法(たし算)」を取り上げます。
正負の数のたし算は、数学を学習していくうえで最も基本となる計算です。
苦手な人はこの記事を読んで、早めに克服しておきましょう!
今回の内容は、以下の通りです。
①「プラス」と「マイナス」のおはじき
小学1年生の頃、たし算を勉強し始めたときのことを思い出してみて下さい。
算数セットのおはじきを使い、具体的に数を操作することを通して、たし算という計算方法のイメージつかみましたよね。
同じように、正負の数のたし算もおはじきを使って、計算のやり方を考えてみましょう!
ただし、小学1年生のときに使ったおはじきと異なる点が1つあります。
それは、プラスのおはじきとマイナスのおはじきという、2種類のおはじきを使って計算する点です。
それでは次に、2つのおはじきを使って、具体的にどのように計算していくのかを見ていきたいと思います。
②同じ符号どうしの数のたし算
まずは、同じ符号どうしの数(プラスの数どうし・マイナスの数どうし)のたし算について、考えてみましょう。
(+3)+(+4)というプラスの数どうしのたし算を、おはじきで考えてみたらどうなるでしょうか?
とりあえず下の図をご覧下さい。
真ん中に+の符号が書いてあるマルが、プラスのおはじきです。
図から、プラスのおはじき3個とプラスのおはじき4個を合わせると、プラスのおはじきが7個になることが分かります。
よって、(+3)+(+4)の答えは+7になります。
プラスの数どうしのたし算は、小学生のたし算と同じなので分かりやすいと思います。
それでは次に、(-3)+(-4)というマイナスの数どうしのたし算を、おはじきで考えていきましょう。
先ほどと同じように下に図を用意しましたので、まずそちらをご覧ください。
真ん中に-の符号が書いてあるマルが、マイナスのおはじきです。
図から、マイナスのおはじき3個とマイナスのおはじき4個を合わせると、マイナスのおはじきが7個になることが分かります。
よって、(-3)+(-4)の答えは-7になります。
マイナスのおはじきを使うことによって、マイナスの数どうしのたし算も、具体的に目で見てイメージをつかむことができます。
③同じ符号どうしの数のたし算の練習問題
それでは、同じ符号どうしのたし算の練習問題にチャレンジしてみましょう!
(1) (+2)+(+3)
(2) (-3)+(-1)
(1)の問題から解説をしていきますので、まず下の図をご覧ください。
図から、プラスのおはじき2個とプラスのおはじき3個を合わせると、プラスのおはじきが5個になることが分かります。
よって、(+2)+(+3)の答えは+5になります。
つぎに(2)を解説しますので、下の図をご覧ください。
図から、マイナスのおはじき3個とマイナスのおはじき1個を合わせると、マイナスのおはじきが4個になることが分かります。
よって、(-3)+(-1)の答えは-4になります。
同じ符号どうしの数のたし算は、ある程度イメージしてもらえるようになったと思います。
それでは次に、異なる符号どうしの数のたし算について考えてみたいと思います。
④異なる符号どうしの数のたし算
ここからは、異なる符号どうしの数のたし算に取り組んでいきます。
まず例題として、(+4)+(-3)という計算について、プラスとマイナスのおはじきを使って考えてみましょう。
とりあえず、下の図をご覧ください。
先ほどまでとは違い、答えの部分にプラスのおはじきとマイナスのおはじきの両方があります。
答えの部分のプラスのおはじきとマイナスのおはじきを、どのように数えたらよいのでしょうか?
ここからは、とても大切なポイントなので、しっかり理解して下さい!
プラスのおはじき1個とマイナスのおはじき1個が、両方存在するとき、どうなるのか?
じつは、それぞれのおはじきは互いに打ち消しあって、消えてなくなってしまいます。
そのことを表したのが、下の図になります。
この図から、プラスのおはじき4個とマイナスのおはじき3個を合わせるとどうなるか、わかると思います。
プラスのおはじき3個とマイナスのおはじき3個が打ち消しあって無くなり、プラスのおはじきが1個だけ残っていますよね。
よって、(+4)+(-3)の答えは+1になります。
符号の異なる正負の数のたし算は、プラスとマイナスのおはじきは同じ数だけ打ち消しあって無くなり、残ったおはじきが答えになります。
⑤異なる符号どうしの数のたし算の練習問題
それでは、異なる符号どうしのたし算の練習問題にチャレンジしてみましょう!
(1) (+2)+(-4)
(2) (-1)+(+3)
(3) (+3)+(-3)
(1)の問題から解説をしていきますので、まず下の図をご覧ください。
この図から、プラスのおはじき2個とマイナスのおはじき4個を合わせると、どうなるかわかります。
プラスのおはじき2個とマイナスのおはじき2個が打ち消しあって無くなり、マイナスのおはじきが2個残っていますよね。
よって、(+2)+(-4)の答えは-2になります。
次に(2)の問題を解説をしますので、下の図をご覧ください。
この図から、マイナスのおはじき1個とプラスのおはじき3個を合わせると、どうなるかわかります。
マイナスのおはじき1個とプラスのおはじき3個が打ち消しあって無くなり、プラスのおはじきが2個残っていますよね。
よって、(-1)+(+3)の答えは+2になります。
最後に(3)の問題を解説をしますので、下の図をご覧ください。
この図から、プラスのおはじき3個とマイナスのおはじき3個を合わせると、どうなるかがわかりますよね。
プラスのおはじき3個とマイナスのおはじき3個が打ち消しあって無くなり、おはじきが全て無くなってしまいました。
では、答えは何になるか分かりますか?
何もないということは…
そう、答えは0になります!
よって、(+3)+(-3)の答えは0になります。
⑥正負の数の加法(たし算)のまとめ
それでは、ここままでの内容を振り返り、正負の数の加法(たし算)についてのまとめをやっていきましょう。
(ⅰ)同符号どうしのたし算
(+4)+(+3)や(-3)+(-2)のような、同符号どうしの数のたし算では、同じ種類どうしのおはじきの合計が答えになりました。
よって、同符号どうしのたし算においては、
①それぞれの数の符号がそのまま答えの符号になる
②おはじきの合計の数が答えの数字になる
このことを理解しておけば、プラスとマイナスのおはじきを使わなくても、同符号どうしの数のたし算ができます。
(+4)+(+3)という計算を例にして、考えてみましょう。
まず、プラスの数どうしのたし算なので、答えの符号はプラスだとわかります。
答えの数字は4と3をたせばよいので、7だとわかります。
よって、答えは+7だと求めることができますね。
次に、(-3)+(-2)という計算を例に考えてみましょう。
マイナスの数どうしのたし算なので、答えの符号はマイナスだとわかります。
答えの数字は3と2をたせばよいので、5だとわかります。
よって、答えは-5と求めることができます。
(ⅱ)異符号どうしのたし算
次に、(-4)+(+3)や(+3)+(-2)のような、異符号どうしの数のたし算はどうやって求めるのか思い出してみましょう。
異なる種類のおはじきがそれぞれ同じ数だけ打ち消しあい、残ったおはじきの種類と数が答えを表していましたよね。
よって、異符号どうしのたし算においては、
①おはじきの数が多い方の符号が、答えの符号になる
②おはじきの数が多い方から少ない方を引いた数が、答えの数字になる
このことを理解しておけば、異符号どうしの数のたし算も、プラスとマイナスのおはじきを使わなくても計算できます。
まず、(-4)+(+3)という計算を例にして、考えてみましょう。
マイナスのおはじきの方が多いので、答えの符号はマイナスということがわかります。
マイナスのおはじきの数である4から、プラスのおはじきの数である3をひいた、1が答えの数字になります。
よって、答えは-1と求めることができます。
同様に、(+3)+(-2)という計算を例に考えてみましょう。
プラスのおはじきの方が多いので、答えの符号はプラスということがわかります。
プラスのおはじきの数である3から、マイナスのおはじきの数である2をひいた、1が答えの数字になります。
よって、答えは+1と求めることができました。
※YouTubeに「正負の数の加法(たし算)」についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
次回は、「正負の数のひき算(減法)」についての記事をアップする予定です。
これからも、中学生のみなさんのお役に立つことができる記事をアップしていきますよう努力して参ります。
何卒よろしくお願いします。
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