中学1年の社会の地理分野で学習する「アジア州」
今回は、アジア州に関する以下の内容について、説明しています。
①アジア州全体のまとめ
まず、アジア州の特色と宗教、アジアNIES・ASEANについて、大まかに押さえておきましょう。
(ⅰ) アジア州の特色
アジア州の気候の特色で、特に重要なのは次の2つです。
①アジア州の東部では、季節風(モンスーン)の影響で四季がはっきりしている。
②インドシナ半島やインド半島では、雨が多い「雨季」と雨が少ない「乾季」がはっきりしている。
また、アジアの人口は世界の全人口の約6割を占めています。
最新データ(2016年)では、中国が世界第1位で13.8億人、インドが第2位で12.9億人となっています。
そのため、アジアには人口密度が高い地域が多くなっています。
(ⅱ) アジア州の宗教
アジアでは、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教などが信仰されています。
↓で、それぞれの宗教を信仰している人が多い国・地域を挙げています。
①仏教
・東アジア(中国、朝鮮半島、日本など)
・東南アジア(タイ、ミャンマー、カンボジアなど)
・スリランカなど
➁イスラム教
・西アジア
・中央アジア
・東南アジア(インドネシア、マレーシアなど)
➂ヒンドゥー教:インド
④キリスト教:フィリピン
特に、インドネシアはイスラム教、インドはヒンドゥー教、フィリピンはキリスト教を、それぞれ信仰する人が多い国であることをしっかり押さえておきましょう!
(ⅲ)『 アジアNIES』と『ASEAN』
さらに、アジアの中で工業化をすすめた、韓国・台湾・香港・シンガポールのことを「アジアNIES」といいます。
NIESとは日本語で「新興工業経済地域」と表現されます。
Newly(新しく)
Industrializing(工業化)
Economies(経済)
の文字をとってNIESと略されてます。
「アジアNIESの4つの国・地域を忘れてしまう!!」
そんな地理が苦手な中学生のために、アジアNIESを覚える語呂合わせを作成しました。
「新刊の本、見たい」
・“新(シン)”はシンガポール
・”刊(カン)”は韓国
・”本(ホン)”は香港(ホンコン)
・”たい”は台湾(タイワン)
好きなマンガ本の新刊を、早く買って読みたい少年をイメージして覚えて下さいね。
※YouTubeに「アジアNIES」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
東南アジアの国々が加盟している「東南アジア諸国連合(ASEAN)」も、よく問われる語句ですのでしっかり覚えておきましょう。
Association of (~の連合)
South-East Asian (東南アジア)
Nations (国々)
の文字をとって、ASEANと略されています。
ASEANは東南アジアにおける政治や経済、安全保障などに関する協力組織であり、インドネシアの首都ジャカルタに本部があります。
また、2023年5月現在のASEANの加盟国は、
ブルネイ ・カンボジア ・フィリピン ・シンガポール ・インドネシア ・マレーシア ・ミャンマー ・タイ ・ラオス ・ベトナム
の10カ国になります。
↑で挙げたASEANの加盟国を覚えるゴロ合わせを紹介しておきますね。
「部下不信、今見たらべ~」
部下の方を見たら舌を出してべ~とされた上司が、不信感で頭がいっぱいになっているところをイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・部(ぶ)→ ブルネイ
・下(か)→ カンボジア
・不(ふ)→ フィリピン
・信(しん)→ シンガポール
・い→ インドネシア
・ま→ マレーシア
・見(み)→ ミャンマー
・た→ タイ
・ら→ ラオス
・べ~→ ベトナム
※YouTubeに「ASEANの加盟国」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
②中国・インドのまとめ
中国(とインド)について、覚えておかなければならないことがいくつかあります。
ほとんど中国の内容になりますが、重要なポイントをまとめてみました。
(ⅰ)『 一人っ子政策』と『経済特区』
中国では、かつて人口増加を抑えるため「一人っ子政策」という政策を行っていました。
この「一人っ子政策」により、中国では人口増加率が低下しています。
また、社会主義国である中国では、沿岸部に外国企業を受け入れる地域が設けられており、その地域を「経済特区」といいます。
経済特区を設けて経済の改革を進めたことで、中国は著しい経済成長を遂げました。
その結果、中国で作られた工業製品が世界中で使用されるようになり、中国は『世界の工場』と呼ばれるようになりました。
その一方、経済が発展している沿岸部と内陸部の間で経済格差が大きくなっているという問題が生じています。
中国の「経済特区」と「一人っ子政策」は超重要語句です!!
中学生の地理のテストによく出題されますので、しっかり覚えておきましょう!
(ⅱ) 中国・インドの人口
中国の人口は、約9割の漢族(漢民族)と、50以上の少数民族から構成されています。
また、中国は人口が多いため、世界各地に移住した人も多く、移住先の国籍をとった中国系の人々が世界中で活躍しています。
そのような中国系の人々を「華人(かじん)」といいます。
中国系やインド系の人々も多く働いている、アメリカのコンピューター関連企業が集まった場所を「シリコンバレー」といいます。
中国とインドは人口が世界第1・2位の国です。
ちなみに人口が多い国、第3位は『アメリカ合衆国』、第4位は『インドネシア』、第5位は『パキスタン』になります。
人口が多い国トップ5のゴロ合わせもつくっていますので、ついでに紹介しておきます。
「注意!雨でイネがパキッ」
強い雨が降っているので、田んぼの稲が折れないように注意している農家の人をイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・注→ 中国
・意→ インド
・雨→ アメリカ
・イネ→ インドネシア
・パキ→ パキスタン
※YouTubeに「人口が多い国・トップ5」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
(ⅲ) 中国の農業
さらに、中国の農業について簡単に説明しておきますね。
中国の北部は、冷涼で乾燥している気候のため畑作が中心です。
栽培されている作物として、小麦・大豆・トウモロコシなどあります。
中国の南部は、温暖で降水量がある気候のため稲作が中心です。
栽培されている作物として、米・茶などがあります。
以上の中国の農業を覚えるゴロ合わせがコチラです!
「来た、混む東大
皆、こっち」
です。
ちなみにゴロの中で表している内容は次の通りとなります。
・来た→北、混む→小麦、東→トウモロコシ、大→大豆
・皆→南、こ→米、ち→茶
※YouTubeに「中国の農業」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
③東南アジア・西アジアのまとめ
東南アジア・西アジアでも、覚えておかなければならないことがいくつかあります。
(ⅰ) 東南アジアのポイント
東南アジアは、気温が高く雨が多い気候です。
その気候を利用して、年に2回米をつくる「二期作」が行われています。
また、東南アジアはかつてヨーロッパの国々の植民地でした。
植民地時代には、その地域に合った作物が大農園でつくられていました。
その大農園のことを「プランテーション」といいます。
この「プランテーション」は、中学生の地理のテストによく出題されるので、しっかり覚えておきましょう。
東南アジアの都市では、農村からの人の流入と高い出生率のため、人口が著しく増加しています。
そのため、都市の整備が追いついていないのが現状です。
さらに、東南アジアの都市部では貧しい人々が暮らす、生活環境がよくない住宅地が多くあります。
それを「スラム」といいます。
(ⅱ) 西アジアのポイント
西アジアには、石油の産出量が多い国がたくさんあります。
石油が多く産出される国のことを、「産油国」といいます。
西アジアの産油国などが加盟している組織を「石油輸出国機構(OPEC)」といいます。
OPEC(オペック)は、
Organization of (~の機構)
the Petroleum (石油)
Exporting (輸出する)
Countries (国々)
の文字を略したものです。
④『アジア州』練習問題
最後にここまで解説した内容がきちんと身に付いたかどうか、↓の練習問題で確認してみましょう!
【問】下の問題文の( )に入る適当な語句を答えましょう。
・アジア州の東部で気候に大きな影響を与える、夏と冬で風向が逆になる風を( ① )という。
・東南アジアや南アジアの気候には、雨が多い( ② )と雨が少ない( ③ )がある。
・最も人口が多い国は( ④ )で、2番目に多い国は( ⑤ )である。
・インドで多くの人が信仰しているのは( ⑥ )である。
・西アジアや中央アジアで多くの人が信仰しているのは( ⑦ )である。
・工業化が進んだ、韓国・台湾・香港・シンガポールを( ⑧ )という。
・東南アジアの国々のほとんどが加盟している東南アジア諸国連合の略称は( ⑨ )である。
・かつて中国では、人口を抑制するために( ⑩ )と呼ばれる政策が行われていた。
・中国に設けられた、沿岸部の外国企業を受け入れる地域を( ⑪ )という。
・中国の農業について、北部では小麦や大豆など( ⑫ )作が中心であり、南部では(
⑬ )作が中心である。
・東南アジアに見られる、天然ゴムなど輸出用の作物を栽培している大規模農園を( ⑭ )という。
・西アジアなど多くの産油国が加盟している石油輸出国機構の略称は( ⑮ )である。
【解答】①季節風、②雨季、③乾季、④中国、⑤インド、⑥ヒンドゥー教、⑦イスラム教、⑧アジアNIES、⑨ASEAN、⑩一人っ子政策、⑪経済特区、⑫畑、⑬稲、⑭プランテーション、⑮OPEC
※YouTubeに「アジア州・よく出る問題」の解説動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中1社会・地理「アジア州」について、詳しく説明してきました。
最後に、中学地理のおすすめの参考書・問題集を紹介しておきますね。
1冊目に紹介するの「中学地理をひとつひとつわかりやすく」です。
地理が苦手な(嫌いな)中学生におすすめの一冊です。
見開き2ページで1つのテーマを取り扱かっており、左半分に説明、右半分に簡単な問題が載っていて、基本事項が身に付いたかどうかの確認ができます。
レベル的に易しめな内容なので、地理が苦手ではない人には少し物足りないかも…。
2冊目に紹介するのは「中学地理が面白いほどわかる本」です。
先生が生徒に語りかける形式で書かれており、生徒の質問に先生が答える箇所も多く、読みやすい工夫がなされている参考書です。
説明も大変わかりやすく、テーマごとにまとめのページも載っていて、おすすめできる一冊です。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。