中学1年の社会の地理分野で学習する「5つの気候帯」。
さらにその5つの気候帯は、細かい気候区分に分類されます。
今回は、5つの気候帯と各気候区分に関する以下の内容について、説明しています。
①5つの気候帯の覚え方
まず、5つの気候帯の種類について大まかに押さえておきましょう。
「熱帯」は、1年を通して気温が高く雨が多い気候帯で、赤道を中心に広がっています。
「乾燥帯」は、1年を通して降水量が少ないため、森林がほとんど育たない気候帯です。
「温帯」は、四季の変化がある気候帯で、季節風や偏西風の影響を受けます。
「冷帯」は、夏が短く冬の寒さが長く厳しい気候帯で、タイガとよばれる針葉樹林が広がっています。
「寒帯」は、1年を通して気温が非常に低い気候帯で、南極や北極周辺に広がっています。
↑に挙げた5つの気候帯がどのように分布しているか、簡単に説明しますね。
まず、赤道直下には熱帯が広がっています。
そして、低緯度地域(緯度が低い地域)から、高緯度地域(緯度が高い地域)に向けて、順に、
『熱帯⇒ 乾燥帯⇒ 温帯⇒ 冷帯(南半球にはない)⇒ 寒帯』
と分布しています。
「5つの気候帯をすべて覚えるなんて、できない!!」
そんな地理が苦手な中学生のために、5つの気候帯を覚える語呂合わせを作成しました。
「おねえのカレー缶」
“お”は温帯、”ね”は熱帯、”カ”は寒帯、”レー”は冷帯、”缶”は乾燥帯を、それぞれ意味しています。
おねえ系の芸能人が、カレー缶を持っているところをイメージして覚えて下さいね。
※YouTubeに「5つの気候帯の覚えるゴロ合わせ」についての動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
②各気候区分をゴロ合わせで覚えよう!
ここまで5つの気候帯について見てきましたが、それぞれの気候帯は↓のように、さらに細かい気候区分に分類できます。
(1) 熱帯⇒ 熱帯雨林・サバナ気候
(2) 乾燥帯⇒ 砂漠気候・ステップ気候
(3) 温帯⇒ 地中海性気候・西岸海洋性気候・温暖湿潤気候
(4) 寒帯⇒ 氷雪気候・ツンドラ気候
ここからは、↑に挙げた気候帯と気候区分の組合せを覚えるゴロ合わせを、紹介していきたいと思います。
(1)熱帯と熱帯雨林・サバナ気候の覚え方
まずは熱帯の特徴で覚えておかなければならないことを、↓にまとめてみました!
「熱帯雨林」とは、雨が多く1年を通して気温が高いため、熱帯で見られるうっそうとした森林のことです。
「さんごしょう」とは、気温が高い地域の海で見られる、岩しょうのことです。
さんごしょうは、観光資源にもなっています。
「マングローブ」とは、気温が高い地域の、河口の海岸で見られる広葉樹のことです。
つづいて、熱帯雨林気候とサバナ気候の特徴について、↓にポイントをまとめてみました。
・熱帯雨林気候…年間を通して高温で、雨が非常に多い。
・サバナ気候…年間を通して高温で、雨季と乾季がある。
熱帯と熱帯雨林・サバナ気候を覚えるゴロ合わせが、
『ネタさ、バナナ売り』
です!
お笑い芸人がネタで、バナナ売りの芸をやっているところをイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳は、
・ネタ→ 熱帯
・さ、バナナ→ サバナ気候
・売り→ 熱帯雨林気候
(2)乾燥帯と砂漠・ステップ気候の覚え方
まずは乾燥帯の特徴で覚えておかなければならないことを、↓にまとめてみました!
「サハラ砂漠」とは、乾燥帯のアフリカ北部に広がる、世界最大の砂漠です。
「サヘル」とは、サハラ砂漠の南に広がる、わずかに木や草の生えた地域のことです。
ちなみに、サヘルとは「サハラのふち」という意味です。
「焼畑農業」とは、サヘル地域に住む人々が行っている農業で、木や草原を焼き払ってできた灰を肥料にします。
土地の栄養分がなくなってしまうと、別の場所へ移動します。
「遊牧」とは、草や水を求めて、家畜とともに一定の地域を移動する牧畜のことです。
砂漠が広がる乾燥地域では、羊やヤギ、ラクダなどを家畜としています。
「オアシス」とは、砂漠の中で地下水がわき出る場所です。
オアシスでは、砂漠の中でも樹木が育ちます。
「砂漠化」とは、人口増加による耕作や放牧のため、草も育たない土地になることです。
焼畑農業や遊牧などの農業について、中学生の地理のテストによく出題されます。
しっかり覚えておきましょう!
つづいて、砂漠気候とステップ気候の特徴について、↓にポイントをまとめてみました。
・砂漠気候…年間を通して乾燥している。
・ステップ気候…年間を通して乾燥しており、砂漠気候に比べると少し雨が降る。
乾燥帯と砂漠・ステップ気候を覚えるゴロ合わせが、
『完走、砂漠をステップで』
です!
砂漠の中をステップで進み続けて、完走して喜んでいるところをイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳は、
・完走→ 乾燥帯
・砂漠→ 砂漠気候
・ステップ→ ステップ気候
(3)温帯と3つの気候区分の覚え方
まずは温帯の3つの気候区分について、覚えておかなければならないことを↓にまとめてみました!
①温帯(温暖)湿潤気候
季節風の影響が大きく、四季の変化が大きい気候です。
日本をふくむ東アジアやアメリカ東部などに広く見られます。
②地中海性気候
夏は暑くて乾燥し、冬は温暖で降水量がやや多い気候です。
地中海周辺に広く見られます。
③西岸海洋性気候
高緯度にもかかわらず、年間を通して比較的温暖な気候です。
西ヨーロッパで広く見られます。
温帯の中で、「地中海性気候」は「夏に乾燥し、冬に雨が降る」という特徴は、中学生の地理のテストでよく出題されます。
温帯と砂温帯(温暖)湿潤・地中海性・西岸海洋性気候を覚えるゴロ合わせが、
『温泉で執事(しつじ)が静養中』
です!
年を取ったおじいさんの執事(しつじ)が、温泉のある宿で静養しているところをイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳は、
・温→ 温帯
・執事→ 温帯(温暖)湿潤気候
・静養→ 西岸海洋性気候
・中→ 地中海性気候
(4)寒帯とツンドラ・氷雪気候の覚え方
まずは寒帯と冷帯の特徴で覚えておかなければならないことを、↓にまとめてみました!
「イヌイット」とは、寒帯である北極海に面したカナダ北部に暮らしており、あざらしを獲って生活している人々です。
「タイガ」とは、ロシアやカナダなど冷帯の地域に広がる、夏に樹木が育ってできた針葉樹林のことです。
ちなみに針葉樹林とは、マツやスギのように葉が針のように細長い樹木のことです。
「永久凍土」とは、タイガの下にある、1年中凍ったままの土のことです。
近年、温暖化により夏にとけ出して、建物がゆがむなどの問題が生じています。
寒帯・冷帯の特徴の中で、「タイガ」は中学生の地理のテストによく出題されます。
しっかり覚えておきましょう!
寒帯とツンドラ・氷雪気候を覚えるゴロ合わせが、
『寒い、ツンデレ雪女』
です!
ツンデレの雪女がやって来たせいで、すごく寒くなって困っているところをイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳は、
・寒い→ 寒帯
・ツンデレ→ ツンドラ気候
・雪(女)→ 氷雪気候
※YouTubeに「世界の気候区分を覚えるゴロ合わせ」についての動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
③各気候の雨温図を見分けるポイント
最後に各気候区分の雨温図を見分けるポイントについて、解説しておきたいと思います。
雨温図はテストにもよく出題されますし、苦手な中学生も多いので、しっかり理解しておきましょう。
各気候区分について、↓にまとめたポイントを使い雨温図を見分けられるようになりましょう。
<熱帯>
①熱帯雨林気候
〇 一年を通して高温で、かつ降水量も多い。
②サバナ気候
〇 一年を通して高温で、雨が多い雨季と、雨がほとんど降らない乾季がある
<乾燥帯>
③砂漠気候
〇 一年を通して乾燥しており、降水量が非常に少ない
④ステップ気候
〇 一年を通して乾燥しているが、砂漠気候に比べると少しだけ雨が降る
<温帯>
⑤温帯(温暖)湿潤気候
(夏) 降水量が多くて高温である
(冬) 降水量が少なく乾燥して低温である
⑥地中海性気候
(夏) 降水量が少なく乾燥し高温である
(冬) 温暖で夏に比べると降水量が多い
⑦西岸海洋性気候
〇 一年を通して平均的に雨が降る
〇 夏は涼しくて、冬は比較的温かい(年間通して気温差が小さい)
⑧冷帯
〇 一年を通しての気温差が大きく、冬に平均気温が氷点下になる
<寒帯>
⑨ツンドラ気候
〇 一年のうちの多くの月(夏以外)で気温が氷点下となる。
⑩氷雪気候
〇 一年を通して気温が氷点下のため、植物は育たない。
※YouTubeに「世界の気候区分と雨温図」についての動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中1社会・地理「5つの気候帯」について、詳しく説明してきました。
最後に、中学地理のおすすめの参考書・問題集を2冊紹介したいと思います!
1冊目は「中学地理をひとつひとつわかりやすく」です。
地理が苦手な(というより嫌いな)中学生におすすめです。
1つのテーマを見開き2ページで取り上げており、左半分に説明、右半分に簡単な問題が載っていて、基本事項が身に付いたか確認することできます。
易しめな内容になっているため、地理が苦手ではない人には少し物足りないかもしれません。
2冊目に紹介するのは「中学地理が面白いほどわかる本」です。
先生が生徒に語りかける形式で書かれています。
生徒の質問に先生が答えていく場面も多く、中学生にとって読み進めやすい参考書だといえるでしょう。
1つ1つの説明も丁寧かつわかりやすく、テーマごとにまとめのページもあり、おすすめの1冊です。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。
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