今回は、中学2年の単元である『一次関数』で学習する『変域を求める問題』についての解説記事です。
『変域を求める問題』に苦手意識を持っている中学生がけっこう多いと思いますが、ちゃんと理解できればそこまで難しい内容ではありません。
むしろ得点源にできる問題だと言えるでしょう。
この記事では↓の4つのポイントについて書かれています。
④ 変域の練習問題
この記事を最後までしっかり読んで、「変域を求める問題」についての理解を深めて、ぜひ得意分野にして下さいね!
①「変域」ってなに?
一次関数で出てくる『変域』って、そもそもなんのことだか分かりますか?
変域とは、
xとyがとることができる値の範囲のこと
です。
例えば、y=2x+1という一次関数の式があったとします。
もしxの値が1以上3以下の範囲に制限されたら、yの値はどうなるでしょう?
まず視覚的に分かりやすいグラフを↓に載せてみます。
xの範囲が1以上3以下に制限されているのに伴い、yの範囲も制限されているのが分かるでしょうか?
実線でかかれたグラフを見てもらうと、x=1のときのyの値である3から、x=3のときのyの値である7に、yの範囲が制限されていますね。
つまり、yの値も3以上7以下の範囲に制限されています。
グラフを↓のように表で表すと、xの変域とyの変域の対応関係がつかみやすいです。
変域が『xとyがとりうることができる値の範囲である』というイメージを、なんとなくつかむことができたでしょうか?
次に、変域を記号を使って表す方法について説明していきます。
↑のグラフの一次関数での、xの変域は1以上3以下、yの変域は3以上7以下でした。
これらを記号を使って表すと、次のようになります。
1 ≦ x ≦ 3
3 ≦ y ≦ 7
文字を真ん中に書いて、文字の左側にとりうる値の範囲内で最も小さい値(最小値)を、文字の右側にとりうる値の範囲内で最も大きい値(最大値)を書きます。
変域の基本を押さえたところで、次からは変域を求める問題の解き方を詳しく解説していきたいと思います。
②傾きが正の場合の変域の求め方
ここからは変域を求める問題の解き方について、解説していきます!
ここでは、傾きが正の場合の変域の求め方を見ていきましょう。
次の一次関数の式での、yの変域を求めてみましょう。
y=2x+1 (-2≦ x ≦3)
変域を求める問題は、表を使って解く方法をお勧めします。
一次関数の式とxの変域を与えられているので、まずは↓のような表をかいてみましょう。
yの値はとりあえず空白にしていますので、x=-2のときとx=3のときのyの値を求めてみましょう。
x=-2を y=2x+1に代入すると、
y=2×(-2)+1
y=-3
同様に、x=3を y=2x+1に代入すると、
y=2×3+1
y=7
それでは求めた2つのyの値を表に書き込んでみましょう。
表を見れば yの値が-3以上7以下であることが、一目で分かりますね!
よって yの変域は、
-3 ≦ y ≦ 7
となります。
以上見てきたように、一次関数の傾きの値が正(プラス)の場合、
・xの値の最小値(一番小さい値)
⇒ yの値の最小値が対応
・xの値の最大値(一番大きい値)
⇒ yの値の最大値が対応
となっているため分かりやすいのですが、次に解説していく一次関数の傾きが負(マイナス)の場合は、少し注意が必要となりますので気を付けて下さいね。
③傾きが負の場合の変域の求め方
先ほどは、傾きが正の場合の変域の求め方を説明しました。
ここでは、傾きが負の場合の変域の求め方について見ていきたいと思います。
次の一次関数の式での、yの変域を求めてみましょう。
y=-2x+3 (-1≦ x ≦2)
先ほどと同様、表を使って解いていきます。
一次関数の式とxの変域を与えられているので、↓のように表をかけますね。
先ほどと同様、yの値はとりあえず空白にしていますので、x=-1のときとx=2のときのyの値を求めてみましょう。
x=-1を y=-2x+3に代入すると、
y=-2×(-1)+3
y=5
同様に、x=2を y=-2x+3に代入すると、
y=-2×2+3
y=-1
それでは求めた2つのyの値を表に書き込んでみましょう。
この表を見て yの変域が、
5 ≦ y ≦ -1
だと思いませんでしたか?
残念ながらそれは間違いです!
変域の書き方は、
小 ≦ y ≦ 大
となるように書かないといけないので、正しくは
-1 ≦ y ≦ 5
が yの変域となります。
実は傾きが負の場合、変域を求めるときこのような間違いをしてしまう中学生が非常に多いのです。
その理由は傾きが負の場合、
・xの値の最小値
⇒ yの値の最大値が対応
・xの値の最大値
⇒ yの値の最小値が対応
という関係になっているためです。
このことを理解するために、↓に y=-2x+3のグラフを載せているので、見ていきましょう。
傾きが負の場合、右下がりのグラフになるので、xが大きく(右にいく)なるほど yは小さく(下にいく)なります。
そのため、xが一番小さい x=-1のとき yは一番大きい y=5となり、xが一番大きい x=2のとき yは一番小さいy=-1 となります。
傾きが正の場合と違い傾きが負の場合は、xの最小値とyの最大値、xの最大値とyの最小値が対応しているので注意しましょう!
※YouTubeに「一次関数の変域を求める問題」の解説動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
④変域の練習問題
それではここまで学習してきた内容がちゃんと身に付いているか、練習問題を解いて腕試ししてみましょう!
↓に2問載せているので、早速チャレンジしてみましょう!
【問】以下の問いに答えましょう。
(1) 一次関数 y=3x-4 (-1 ≦ x ≦ 3)の yの変域を求めましょう。
(2) 一次関数 y=-2x+3 (-2 ≦ x ≦ 2)の yの変域を求めましょう。
それでは練習問題の解答解説です。
(1) y=3x-4 (-1 ≦ x ≦ 3)の、x=-1と x=3のときの yの値を求めてみましょう。
x=-1を“y=3x-4“に代入すると、
y=3×(-1)-4
=-3-4
=-7
x=3を“y=3x-4“に代入すると、
y=3×3-4
=9-4
=5
xとyの関係を表で表すと↓のようになります。
yの変域は、-7 ≦ y ≦ 5【答】
(2) y=-2x+3 (-2 ≦ x ≦ 2)の、x=-2と x=2のときの yの値を求めてみましょう。
x=-2を“y=-2x+3“に代入すると、
y=-2×(-2)+3
=4+3
=7
x=2を“y=-2x+3“に代入すると、
y=-2×2+3
=-4+3
=-1
xとyの関係を表で表すと↓のようになります。
ここで、yの変域を、7 ≦ y ≦ -1としないよう気を付けて下さいね!
変域の書き方は、
小 ≦ y ≦ 大
ですので正しい答えは、-1 ≦ y ≦ 7【答】
記事のまとめ
・今回の記事のポイントをまとめると…
①一次関数の変域とは『xとyがとることができる値の範囲』のこと
②変域の書き方は、小≦ x ≦大 (小≦ y ≦大)
③変域を求めるとき、表を利用すると求めやすい
④傾きが負の場合、xの最小値とyの最大値、xの最大値とyの最小値が対応するので注意する
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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