今回は、中学3年の数学で学習する「因数分解の応用問題」について、詳しく解説したいと思います。
「因数分解の基本」については、過去にアップした「因数分解・必ず解ける5つのポイント」で詳しく解説していますので、ぜひそちらをご覧下さい。
この記事では、以下の3つの内容について説明しています。
この記事を読んで、因数分解の応用問題をしっかり解けるようになりましょう!
①共通因数をとり出しカッコ内を因数分解
まず、次の例題をご覧下さい。
【例題】
2x²+20x+42
「x²の係数」を見ると”2″になっているので、このままだと因数分解の公式が使えないですよね。
そこで「xの項の係数」と「数の項」を見ると、両方とも”20″と”42″で2の倍数です。
つまり、すべての項に2の倍数があります。
したがって、次のように”2″を共通因数として取り出すことができます。
2x²+20x+42
= 2(x²+10x+21)
さらにカッコ内の”x²+10x+21“に注目すると、この部分は、
x²+(□+△)x+□△
= (x+□)(x+△)
の公式で因数分解できますよね。
たして10になる数とかけて21になる数の組合せは、7と3なので、
2(x²+10x+21)
= 2(x+7)(x+3)
これが答えになります。
◎この問題は
①共通因数をとり出す
②さらにカッコ内を因数分解する
という2段階で解くパターンの問題です。
共通因数をとり出しても安心せず、カッコ内の因数分解も忘れないように注意しましょうね!
※YouTubeに「共通因数をとり出しカッコ内を因数分解する」問題の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
②文字に置き換える因数分解
つづいて、次のパターンの因数分解について考えてみましょう。
【例題1】
(x+y)²+11(x+y)+30
この問題を解くポイントは、(x+y)を1つのかたまりとして見ることです。
具体的には、(x+y)を1つの文字に置き換えます。
x+y=Aとおくと、
(x+y)²+11(x+y)+30
= A²+11A+30
この式は(A+□)(A+△)の形に因数分解できます。
たして”11″、かけて”30″になる数の組合せは、“6”と”5″なので、
A²+11A+30
= (A+6)(A+5)
ここでAをx+yに戻すと、
(A+6)(A+5)
= (x+y+6)(x+y+5)
これがこの問題の答えになります。
置き換えた文字は、元に戻さなければなりません。
忘れないように気を付けましょう!
別パターンの、文字に置き換える因数分解の問題を見てみましょう。
【例題2】
a(x+y)+5b(x+y)
この問題も、(x+y)を1つの文字に置き換えてみましょう。
x+y=Aとおくと、
a(x+y)+5b(x+y)
= aA+5bA
それぞれの項に”A”があるので、“A”を共通因数として取り出すと、
aA+5bA
= A(a+5b)
ここでAをx+yに戻すと、
A(a+5b)
= (x+y)(a+5b)
これが答えになります。
例題1は、文字に置き換えた後、公式を使って因数分解するパターンでした。
一方の例題2は、文字に置き換えた後、置き換えた文字を共通因数として取り出すパターンでした。
それぞれのパターンについてしっかり覚えて、使いこなせるようになっておきましょう!
※YouTubeに「文字に置き換える因数分解」の問題の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③因数分解の応用・練習問題
では、ここまで解説してきた因数分解の練習問題です。
しっかり理解できているか、よく確認して下さい。
【練習問題】
(1) 3x²-6x-72
(2) 5x²-5
(3) (x+2y)²+3(x+2y)-18
(4) 2a(x-3)-b(x-3)
それでは、練習問題の解答解説です。
【解答解説】
(1) すべての項に3の倍数があるので、3を共通因数として取り出せます。
3x²-6x-72
= 3(x²-2x-24)
さらにカッコ内も(x+□)(x+△)の形に因数分解できます。
たして−2、かけて−24になる数の組合せは、-6と+4なので、
3(x²-2x-24)
= 3(x-6)(x+4)【答】
(2) 各項に5がかけられているので、5を共通因数として取り出せます。
5x²-5
= 5(x²-1)
カッコ内の−1を−1²と見なすと、
□²−△²
=(□+△)(□−△)
の公式を使って因数分解できます。
5(x²-1)
= 5(x+1)(x-1)【答】
(3) x+2y=Aとおくと、
(x+2y)²+3(x+2y)-18
= A²+3A-18
この式は、(A+□)(A−△)の形に因数分解できます。
たして3、かけて−18になる数の組合せは、6と-3なので、
A²+3A-18
= (A+6)(A-3)
ここでAをx+2yに戻すと、
(A+6)(A-3)
= (x+2y+6)(x+2y-3)【答】
(4) x−3=Aとおくと、
2a(x-3)-b(x-3)
= 2aA-bA
この式において共通因数である”A”をとり出すと、
2aA-bA
= A(2a-b)
ここでAをx-3に戻すと、
A(2a-b)
= (x-3)(2a-b)【答】
記事のまとめ
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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