今回の記事も前回に引き続き、中1数学「正の数・負の数」において、意味が分かりにくい用語の解説を、詳しく説明していきたいと思います。
今回は特に「自然数」の意味について、具体例を挙げながら詳しく見ていきたいと思います。
この記事でお伝えする内容は、次の通りです。
①「自然数」とは?
「自然数」とは、どのような数なのでしょう?
「中学数学 用語と公式スーパーサーポート」(岡本肇著「17出版」2006年出版)には、次のように書かれています。
「自然数とは、正の整数のこと。0は自然数ではない。」
この説明だけだと自然数のイメージがつかみにくいですよね。
そこで具体例を挙げながら、もう少し詳しく説明していきたいと思います。
②自然数は「列の順番を数えるときに使う数」
自然数の具体的なイメージをつかむため、次の内容を思い浮かべてみて下さい。
体育の時間や集会のとき、一列に並んで前から順番を数えていきます。
もし、5人の生徒が一列に並んでいた場合、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と数えていきますよね。
このときの使われている数字をよく見てみましょう。
1から始まって、すべて正(プラス)の整数を使って数えていますよね。
これは、先ほど書いた自然数の説明(「自然数は正の整数である」)と同じです。
つまり、私たちは順番を数えるとき、実は自然数を使っているのです。
自然数がどんな数か分からなくなったときは、「列の順番を数えるときに使う数」だと思ってもらうとよいでしょう。
③自然数ではない数について
ここからは、自然数と自然数でない数の見分け方について、考えていきたいと思います。
(ⅰ) 0は自然数ではない
自然数が列の順番を数えるときに使う数であることが分かれば、「0は自然数ではない」ということもすぐ分かると思います。
順番を数えるとき、先頭の人を「0」とカウントしたりしませんよね。
(ⅱ) 負の数は自然数ではない
0の場合と同様、負(マイナス)の数も自然数ではありません。
順番を数えるとき、負の数を使うことは絶対にないですからね。
(ⅲ) 小数・分数は自然数ではない
当然、小数や分数も自然数ではありません。
順番を数えるときに、小数や分数を使うこともありませんからね。
④「自然数」の練習問題
自然数に関する問題を用意しましたので、練習していきましょう!
・次の数の中で、自然数はどれでしょうか?
-5、0、3、-1.5、0.6、10、5.4
それでは、問題で与えられた数について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
-5は、負の整数なので、自然数ではありません。
0は整数ですが、正の整数ではないので自然数でありません。
3は正の整数ですので、自然数です。
-1.5は、負の数で小数なので、自然数ではありません。
0.6は、正の数ですが小数なので、自然数ではありません。
10は正の整数ですので、自然数です。
5.4は、正の数ですが小数なので、自然数ではありません。
よって、3と10が自然数になります。
自然数の条件と整数や正の数の条件がごちゃごちゃになって、間違えてしまう人が少なくありません。
ですので、下にそれぞれの条件をまとめてみました。
ぜひ、参考にして下さい。
・自然数は、正の数で整数である数
・整数は、小数や整数でない数
→よって0や負の整数(-1や-5など)も整数である。
・正の数は、0よりも大きい数
→よって正の整数はもちろん、0より大きい小数(0.5や6.4など)・分数も正の数である。
※YouTubeに「自然数」についての解説動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
◎最後にもう1度、記事の中でのポイントをまとめてておくと…
・自然数とは、正の整数のことである(※0は自然数ではない!)
・自然数のイメージは「列の順番を数えるときに使う数」でつかむ
・0、負の数、小数・分数は自然数ではない
・自然数の条件と整数や正の数の条件を、きちんと区別する
次回は、「絶対値」についての記事をアップする予定です。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきます。
何卒、よろしくお願いします。
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