今回は特に「負の数」の意味について、具体例を挙げながら詳しく見ていきたいと思います。
この記事で説明しているのは、以下の内容です。
「負の数」とは?
「負の数」とはどんな数なのか?
「中学数学 用語と公式スーパーサーポート」(岡本肇著「17出版」2006年出版)には、次のように書いてあります。
「負の数とは0より小さい数であり、符号”-”をつけて-2のように表す」
これだけだと負の数のイメージが、ちょっと分かりにくいですよね。
負の数は、どのようなときに利用されているのか?
具体例をまじえながら、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
0℃より低い温度を負の数で表す
1つ目の例として、「温度」を挙げたいと思います。
普段の生活で、「今日の最高気温は〇〇℃です。」とか、「室内温度を○○℃に保つ。」という表現を使いますよね。
このように日常生活で使う温度(℃)は、正確には「セルシウス度」と呼ばれている単位なのです。
では「セルシウス度」とは、どのような基準で決められた単位なのでしょうか?
水が氷になるときを0℃、水が沸とうして水蒸気になるときを100℃として決められた単位が、「セルシウス度」なのです。
しかしこの表し方だと、困ったことが生じます。
水が氷になる0℃よりもっと冷たくなるとき、どう表したらよいのでしょうか?
そこで登場するのが「負の数」なのです!
負の数を使えば、0℃より気温が低くなっても温度を表すことができます。
もし、0℃より1℃低いなら-1℃、0℃より5℃低いなら-5℃というように、0℃より低い温度でも表すことができるのです。
借金している状態を負の数で表す
つづいて2つ目の例として「借金」を挙げたいと思います。
例えば、お兄さんのA君と弟のB君がいたとします。
そして弟のB君は、おこづかいを使い果たしてしまい、現在持っているお金が0円だとします。
でもB君は欲しいマンガ本があって、お兄さんのA君から500円借りてから、そのマンガ本を買ったとします。
このとき、B君の持っているお金はいくらでしょうか?
もともと0円で、A君から借りた500円も使ってしまったから、0円ということになるでしょうか?
お金を持っていないから、B君の持っているお金が0円というのは、違和感がありますよね。
なぜなら、もしB君が新たにおこづかいをもらったら、そこから500円をA君に返さないといけないからです。
ですから、お金を持っていないからといって、500円の借金をしている状態を0円としてしまうのは、都合が悪いことになります。
このように、借金している状態を表す必要があるとき、借金を「負の数」を使って表すことができます。
この例だと、B君は500円借金しています。
よって、今持っているお金は0円ではなく、負の数を使って「-500円」と表さなければなりません。
「負の数」の練習問題
負の数に関する問題を何問か用意しましたので、練習しましょう!
(1) 次の数を、マイナスの符号を使って表しましょう
①、0より15小さい数
②、0より3.5小さい数
(2) 1000円の貯金を+1000円と表すとき、2000円の借金はどう表されますか
(3) ある地点から3㎞東の地点を+3㎞と表すとき、5㎞西の地点はどう表されますか
(4) [ ]内のことばを使って、次のことを表しましょう
①、4個少ない[多い]
②、10㎏軽い [重い]
ここからは、上記の問題の解答と解説になります。
(1)の➀は、0より15小さいので答えは-15。
(1)の②は、0より3.5小さいので答えは-3.5。
(2)の貯金と借金のような、たがいに反対の性質を表す量は、正の数・負の数を使って表すことができます。
貯金をプラスで表すなら、それと反対の性質をもつ借金は、マイナスで表すことができます。
よって、答えは-2000円になります。
(3)も(2)と同様に、東をプラスで表すなら西はマイナスで表すことができます。
よって、答えは-5㎞になります。
(4)の➀の「多い」と「少ない」のように、反対の意味をもつ2つのことばで表すことができる量は、負の数を使うことで片方のことばだけで表すことができます。
例えば、10個多いことは当然「10個多い」と表すことができるし、10個少ないことも「多い」を使って「-10個多い」と表すことができます。
このように負の数を使うことで、「多い」ということばだけで多い・少ないの両方を表すことができるのです。
よって、➀の答えは「-4個多い」が答えになります。
②は、「10㎏軽いこと」を「重い」ということばで表さないといけないので、負の数を使って「-10㎏重い」が答えになります。
※下のYouTubeにアップした動画でも、「負の数」について詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください!
記事のまとめ
◎最後にもう1度、記事の中でのポイントをまとめてておくと…
・負の数とは、0より小さい数であり、符号”-”をつけて表す
・0℃より低い温度は、負の数を使って表すことができる(例:-5℃)
・借金は、負の数を使って表すことができる(例:500円の借金→-500円)
・たがいに反対の性質を表す量は、正の数・負の数を使って表すことができる
・反対の意味をもつ2つのことばは、負の数を使えば片方のことばで表せる
次回は、「自然数」と「絶対値」についての記事をアップする予定です。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきます。
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