今回から、中学2年の数学で学習する「式の計算」について、記事を書いていきたいと思います。
この記事では、
「単項式と多項式ってなに?」
「次数の求め方がよくわからない。」
「同類項でまとめるってどういこうこと?」
という中学生に、基本からわかりやすく丁寧に解説しています。
基本問題も載せていますので、ぜひご覧下さい。
この記事では、次の3つの内容について詳しく説明しています。
この記事を読んで、単項式と多項式、次数、同類項の基本をしっかり理解しましょう!
①「単項式」と「多項式」とは?
(1)「単項式」ってなに?
「単項式」とは次のようなものをいいます。
・5a
・xy
・2a2
これらの式の共通点が何かわかりますか?
そう、数や文字のかけ算だけで表されている式ですね!
一応、×(かける)の記号を使って表すと、
・5a = 5×a
・xy = x×y
・2a2 = 2×a×a
と表すことができますね。
このように、数や文字のかけ算だけで表される式を「単項式」といいます。
またxやa、10や-2のような、1つの数や1つの数も「単項式」ですので、合わせて覚えておいて下さいね。
(2)「多項式」ってなに?
「多項式」とは次のようなものをいいます。
・5a+2b
・xy+ab
・2a2+5
これらの式の共通点が何かわかりますか?
そう、単項式のたし算の形で表されている式ですね!
このように、単項式のたし算の形で表される式を「多項式」といいます。
また次のような式も「多項式」です。
・3a-b
・2x-3y+4z
なぜこれらの式が「多項式」になるかというと…、
・3a-b = 3a+(-b)
・2x-3y+4z
= 2x+(-3y)+4z
このように、たし算で表すことができるからです。
しっかり覚えておきましょうね!
さらに、多項式でたされている1つ1つの単項式のことを「項」といいます。
この言葉もしっかり覚えておきましょう。
(3)多項式と単項式の練習問題
次の式が単項式か多項式のどちらか、答えましょう。
① 10x
② -2
③ 6x+5
④ 2a-3b
解答・解説は以下の通りです!
①は、10x = 10×xで、かけ算のみで表される式なので「単項式」。
②は、数のみの式なので「単項式」。
③は、単項式のたし算で表される式なので「多項式」。
④は、2a-3b=2a+(-3b)で、単項式のたし算で表される式なので「多項式」。
式が単項式か多項式かを問う問題は、中2数学の定期テストで必ず出題される問題です。
理解していれば必ず正解できる問題ですので、しっかり勉強しておきましょう!
②「次数」の求め方
(1)「単項式」の次数
単項式における、かけあわされている文字の数のことを「次数」といいます。
例えば、3xyzは3×x×y×zですよね。
xとyとzの3つの文字がかけられているので、次数は3ということになります。
では、次の単項式の次数を求めてみましょう!
① 3ab
② 2a2
③ -3x
①は3×a×bと表され、aとbの2つの文字がかけあわされているので、次数は2です。
②は2×a×aと表され、aが2回かけあわされているので、次数は2です。
③は-3×xと表され、xが1回かけられているので、次数は1です。
(2)「多項式」の次数
つづいて、多項式における「次数」の求め方を見ていきましょう!
3xy+2z3という多項式を例に、多項式の次数を考えてみましょう。
3xyは文字が2つかけられているので、次数は2。
一方、2z3は文字が3つかけられているので、次数は3。
多項式では、それぞれの項の次数の中でもっとも大きい次数が多項式の次数になります。
よって3xy+2z3の次数は3ということになります。
また、次数が1の式のことを「1次式」、次数が2の式のことを「2次式」といいます。
このように、次数が〇の式のことを「〇次式」といいます。
それでは次の式が何次式か、答えましょう。
① 2ab
② xy+3z
③ a2-2b+5c3
④ 2xyz+x+3y-z+5
①は単項式で、文字が2つかけてあるので「2次式」。
②は多項式で、次数が一番大きい項はxy。
xyは文字が2つかけてあるので「2次式」。
③は多項式で、次数が一番大きい項は5c3。
5c3は文字が3つかけてあるので「3次式」。
④は多項式で、次数が一番大きい項は2xyz。
2xyzは文字が3つかけてあるので「3次式」。
単項式か多項式かを問う問題と同様、次数や何次式かを答える問題も中2数学の定期テストでよく出題されます。
これらも理解していれば必ず正解できる問題ですので、きちんと勉強しておきましょう!
※YouTubeに「次数を求める問題」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③「同類項」をまとめる計算
「同類項」とは、同じ文字どうしの項のことです。
同類項について、2a+3b+5a+bという式を例に考えてみましょう。
2aと5aが同じ文字aの項なので、同類項といえますね。
同じく、3bとbも同じ文字bの項なので、同類項といえます。
これらの同類項どうしは、次のようにまとめることができます。
・2a+5a=7a
・3b+b=4b
よって、
2a+3b+5a+b
= 7a+4b
とまとめることができます。
では次の式の同類項もまとめてみましょう。
x2+3x+1+2x2+5x-6
x2と2x2、3xと5xが同類項ですね。
また、1と-6は数どうしですので、まとめることができます。
よって同類項をまとめると、
x2+3x+1+2x2+5x-6
= 3x2+8x-5
となります。
ちなみに、x2とxは次数が異なるため、同類項ではありません。
間違えて計算しないよう、注意しましょう!
では次の式の同類項をまとめて、簡単にしましょう。
① 2a+3b-6a+5b
② -3a+5+6a-6
③ x2+3x-5x2+6x
①は、2aと-6a、3bと5bが同類項なので、まとめると、
2a+3b-6a+5b
=2a-6a+3b+5b
= -4a+8b
②は、-3aと6a、5と-6が同類項なので、まとめると、
-3a+5+6a-6
=-3a+6a+5-6
= 3a-1
③は、x2と-5x2、3xと6xが同類項なのでまとめると、
x2+3x-5x2+6x
=x2-5x2+3x+6x
= -4x2+9x
同類項をまとめる問題において、xとx2など同じ文字でも次数が異なる項は、同類項ではありません。
間違えないように、注意して問題に取り組みましょう!
※YouTubeに「同類項をまとめる問題」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
今回の記事のポイントをまとめると…
①「単項式」とは、文字や数のかけ算だけで表された式のこと
② 数や文字だけの場合も、単項式である
③「多項式」とは、単項式のたし算で表された式のこと
④ 単項式において、かけられた文字の数を「次数」という
⑤ 多項式の次数は、式の中でもっとも次数の大きい単項式の次数である
⑥ 次数が〇の式を、〇次式という
⑦ 「同類項」とは、同じ文字どうしの項のこと
⑧ xとx2のように、同じ文字でも次数が異なれば同類項ではない
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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