いきなりですが、1つ質問したいと思います。
女性から足を踏まれる場合、
①女性がスニーカーを履いている
②女性がハイヒールを履いている
①と②のどちらの方がより痛いでしょう?
:
当然ですが、②のハイヒールの方が痛いですよね。
では、なぜ②のハイヒールの方が痛いのか説明できますか?
じつは、中1理科で学習する「圧力」が大きいからなのです。
今回はこの「圧力の計算のやり方」について、詳しく解説していきます。
圧力の計算を苦手としている中学生は多いので、この記事を読んでよく理解しましょう!
この記事でお教えする内容は、以下の通りです。
この記事は、たけのこ塾が中学生に向けて、TwitterやInstagramに投稿した内容をもとに作成しています。
ぜひ、あなたの勉強にご活用下さい。
①力の単位を表す単位N(ニュートン)
圧力について説明する前に、ここでは「力」について詳しく解説していきたいと思います。
まず「力の3つのはたらき」
次に「いろいろな力の種類」
最後に「力の大きさを表す単位」
について、順番に説明していきます。
(ⅰ)力の3つのはたらき
「力」は、直接目に見ることができませんよね
では、どうしたら「力」を把握することができるのでしょうか
:
じつは↓の3つの場合、力がはたらいているということができます。
①物体の形を変える
②物体を持ち上げる・支える
③物体の動きを変える
①の例としては、ねんどで形をつくったり、壊したりするとき力がはたらいていると言えます。
②の例としては、重量挙げの選手がバーベルを持ち上げているときなど、力がはたらいていると言えます。
③の例としては、野球でピッチャーが投げたボールを、バッターが打ち返したときなど、力がはたらいていると言えます。
(ⅱ)いろいろな力の種類
「力」にはいろいろな種類があります。
↓にいくつか挙げておきますね。
①磁石の力(磁力)
磁石は同じ極どうしでは反発して、違う極どうしでは引き合います。
このような力のことを「磁石の力(磁力)」といいます。
②摩擦力
自転車のブレーキをかけると、進みが遅くなりやがて止まります。
これは、ゴムが車輪とふれあうと、車輪が動きを妨げられる力を受けるためです。
このように、ふれ合っている物体の間には、物体の動きを妨げようとする力がはたらき、これを「摩擦力」といいます。
③電気の力
下じきを頭の上でこすり、髪の毛を下じきに引き付けて遊んだことはありませんか?
このように、異なる物体をこすると電気が生じ、たまった電気が引き合ったり、反発したりすることがあります。
このような力のことを「電気の力」といいます。
④重力
手に持っている物体を離すと、その物体は地面に落ちていきますよね。
これは、地球上にある物体には、地球の中心に引っ張られる力がはたらいているためです。
この力のことを「重力」といいます。
(ⅲ)力の大きさを表す単位
ばねに力を加えると、ばねがのびます。
ばねに加える力を大きくすると、ばねののびもより長くなります。
このようにして、ばねがのびる長さにより、目に見えない力の大きさを測ることができます。
この力の大きさの単位は、N(ニュートン)で表します。
1Nの力の大きさは、約100gの物体にはたらく重力と同じ大きさになります。
※サムネイルはステファニーさんによるイラストACからのイラスト
力の大きさを求める練習問題を解いてみましょう!
【例】2㎏の物体にはたらく重力の大きさは何Nですか?
↓
100gを1Nとすると、2㎏は2000g。
2000(g)÷100(g)=20(N)
よって、20N。
ここまで解説してきた「力のはたらき」と「いろいろな力」についての問題を↓に載せているので、ぜひチャレンジしてみて下さい!
【問】↓の( )に入る適当な語句を答えましょう。
(1) 力は直接見ることができないが、( ① )、( ② )、( ③ )の3つの場合、力がはたらいていることがわかる。
(2) ばねのような変形したものが元に戻ろうとして生じる力を、( ④ )という。
(3) ふれあっている物体の間で、物体の動きを妨げるようにはたらく力を( ⑤ )という。
(4) 地球がその中心に向かって物体を引く力を、( ⑥ )という。
解答は↓のとおりです。
【解答】
(1) ① 物体の形を変える、② 物体を持ち上げる(支える)、③ 物体の動きを変える
(2) ④ 弾性力
(3) ⑤ 摩擦力
(4) ⑥ 重力
どうでしたか?すべて正解することができましたか?
もし間違ったがあったら、よく復習しておきましょう!
②「圧力」ってなに?
「圧力」とは
一定の面積あたりに垂直にはたらく力
のことです。
つまり、
圧力= 力の大きさ ÷ 力を受ける面積
ということになります。
↑だけではイメージがわかないと思うので、この記事の冒頭で書いた
「スニーカーとハイヒールで足を踏まれた例」
をもとに、もう少し詳しく説明したいと思います。
ある人が他の人の足を踏んだとき、スニーカーで踏んでも、ハイヒールで踏んでも、かかる力の大きさは変わりません。
この場合にかかる力とは、ある人にはたらく重力です。
もしこの人の体重が50㎏の場合、50㎏=50000gなので、かかる重力の大きさは、
50000(g)÷100(g)=500(N)
となり、スニーカーでもハイヒールでもかかる力は500Nで同じです。
同じ力がかかっているはずなのに、ハイヒールで踏まれた方が痛いのは、スニーカーよりハイヒールのほうが力がかかっている面積が小さいからです。
「圧力=力÷面積」なので、同じ力の場合、面積が小さい方が圧力が大きくなってしまいます。
※サムネイルはFineGraphicsさんによる写真ACからの写真
他にも、圧力がはたらいている例を挙げてみましょう。
両手で鉛筆を押し合っているところをイメージして下さい。
右手がとがっている方、左手がとがってない方を押し合っているとします。
どちらの手が痛いでしょうか?
:
当然ですが、とがっている方を押している右手ですよね。
この場合も、かかっている力は同じなのですが、とがっている方が面積が小さいため、大きな圧力がかかっている右手の方が痛くなります。
③「圧力」をどうやって求めるの?
では、圧力を求めるにはどうしたらよいか、具体的に説明していきましょう!
「圧力」は、
圧力= 力の大きさ ÷ 力を受ける面積
を計算して求めることができます。
計算するときの注意点としては、
①単位は㎩(パスカル)
(※もしくはN/㎡)
②力と面積の単位について
・力の単位はN(ニュートン)
・面積の単位は㎡
となります。
では、圧力の計算問題を練習してみましょう。
まずは簡単な問題です。
【問1】5㎡の面に100Nの力がはたらいているとき、この面にはたらく圧力は?
:
圧力(㎩)=力(N)÷面積(㎡)
ですので、
100(N)÷5(㎡)=20(㎩)
よって、答えは20㎩です。
次は、難しめの問題にチャレンジしてみましょう!
力と面積の単位に注意して下さいね。
【問2】9㎏の物体を300㎠の面を下にして水平な床に置いたとき、床が物体から受ける圧力は?
:
まず力の単位をなおしてみましょう。
9㎏の物体にはたらく重力を求めると、1N=約100gなので、
9㎏=9000(g)
9000(g)÷100(g)=90(N)
つづいて面積の単位について考えてみましょう。
1㎡は何㎠になるか、わかりますか?
100㎠と思った人、残念ながら間違いです!
少し詳しく説明してきますね。
1㎡=1m×1m
ですよね。
また、
1m=100㎝
です。
よって、
1㎡=1m×1m
=100㎝×100㎝
=10000㎠
つまり
1㎡=10000㎠
ということになります。
↑より、面積の単位を㎠から㎡になおしたいなら、
10000で割る
とよいことになります。
問題の300㎠を㎡になおしたいなら、↓のように分数の形にして分母に10000を付けてあげると後々計算が楽になります!
圧力=力÷面積ですので、
↑の式を計算すると、圧力を求めることができます。
計算の流れを見たらわかると思いますが、面積を㎠から㎡になおすとき、分数の形にして分母に10000をつけると、楽に計算することができます。
ぜひ、この方法を使って計算してみて下さいね!
圧力の計算問題は、学校の定期テストだけではなく、高校入試にもよく出題されます。
苦手な人はよく復習し、しっかり理解しておきましょう!
④圧力を求める計算の練習問題
それでは最後に、↓の練習問題を解いていきましょう!
【練習問題】
8㎏の物体を160㎠の面を下にして水平な床に置いたとき、床が物体から受ける圧力は?
:
まず、1N=約100gとして力の単位をNになおします。
8㎏=8000g
8000(g)÷100(g)=80(N)
つづいて面積の単位を㎠を㎡になおします。
圧力=力÷面積ですので、↓のように計算していきます!
※YouTubeに「圧力を求める計算問題」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中1理科で学習する「圧力を求める計算問題」について、説明してまいりました。
① 力の大きさを表す単位・N(ニュートン)
(ⅰ) 力のはたらき
・物体の形を変える
・物体を持ち上げる・支える
・物体の動きを変える
(ⅱ) いろいろな力
・磁力(磁石の力)
・摩擦力
・電気の力
・重力
(ⅲ )力の大きさを表す単位
・約100gの物体にはたらく重力の大きさ→1N(ニュートン)
②「圧力」ってなに?
・圧力とは「一定の面積あたりに垂直にはたらく力」
・圧力=力の大きさ÷力を受ける面積
③「圧力」をどうやって求めるの?
・力の単位をN(ニュートン)になおす
・面積の単位を㎠を㎡になおす
→ 具体的には分数の形にして分母を10000にする
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。