中学社会の歴史で学習する「江戸時代」。
江戸時代の文化として、「元禄文化」「化政文化」の2つを学習します。
今回この2つの文化について、ゴロ合わせによる覚え方を中心に、詳しく説明していきたいと思います。
◎この記事でお教えする内容は、以下の通りです。
①元禄文化を覚えよう!
ではさっそく、元禄文化について詳しく見ていきましょう!
(1)元禄文化の特徴
元禄文化とは、17世紀末から18世紀初めの頃に
『上方の町人が担い手である、華やかで活気ある文化』
のことです。
ちなみに、上方とは京都や大阪のことです。
江戸時代、天皇が住む京都を『上』としていたことから、このように呼ばれていました。
京都や大阪など上方では、都市の繁栄により町人たちが経済力をもち、新しい文化の担い手となっていきました。
(2)元禄文化における文学
元禄文化の文学分野における、代表的な人物は3人います
別名『元禄三人男』とも呼ばれる、その3人とは、
①近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)
②井原西鶴(いはらさいかく)
③松尾芭蕉(まつおばしょう)
です!
近松門左衛門は『人形浄瑠璃』の脚本を書いた人物です。
井原西鶴は、町人の生活を描いた『浮世草子(うきよぞうし)』と呼ばれる、今でいう小説を書いた人物です。
松尾芭蕉は、『俳諧(俳句)』を芸術にまで高めた人物として有名ですね。
この3人を覚えるゴロ合わせがコチラです!
『玄関に近い松』
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
玄→ 元禄文化
近→ 近松門左衛門
い→ 井原西鶴
松→ 松尾芭蕉
を表しています。
※YouTubeに「元禄文化・よく出る人物①」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
(3)元禄文化における絵画
つづいて、絵画についても見ておきましょう!
元禄文化の絵画分野における、覚えておくべき人物は2人います
その2人とはそれぞれ、
①尾形光琳(おがたこうりん)
②菱川師宣(ひしかわもろのぶ)
です!
尾形光琳は、大和絵風の華やかな『装飾画』を大成しました。
代表的な作品に『紅白梅図屏風』『燕子花図屏風』などがあります。
一方の菱川師宣は、新しい絵画様式として『浮世絵』を大成した人物です。
代表的な作品に『見返り美人』があります。
この2人と作品のジャンルを覚えるゴロ合わせがコチラです!
『げっ、大型そう…
必死に浮く!』
海で泳いでいたら大型の波がきて、おぼれないように必死で浮こうとしているところをイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
げ→ 元禄文化
大型→ 尾形光琳 そう→ 装飾画
必死→ 菱川師宣 浮く→ 浮世絵
※YouTubeに「元禄文化・よく出る人物②」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
ここまで元禄文化について解説してきました。
特に、文学の分野で活躍した『近松門左衛門』『井原西鶴』『松尾芭蕉』はよく出題されるので、しっかり覚えておきましょう!
②化政文化を覚えよう!
ここからは化政文化について、詳しく解説していきますね!
(1)化政文化の特徴
化政文化とは、19世紀初めの頃に
『江戸を中心に栄えた、町人が担い手である、落ち着いて洗練された文化』
のことです。
元禄文化の頃は上方が文化の中心でしたが、この頃には江戸に文化の中心が移っていました。
(2)化政文化における文学
化政文化の文学分野における、押さえておくべき人物は2人います
その2人とは、
①十返舎一九(じっぺんしゃいっく)
②滝沢馬琴(たきざわばきん)
です!
十返舎一九は『こっけい本』を書いた人物で、代表的な作品として『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』があります。
滝沢馬琴は、『読本(よみほん)』を書いた人物で、代表的な作品として『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』があります。
↑の代表的な作品の内容が気になる人は、解説しているページのリンクを貼っておきますのでよかったらご覧下さい。
この2人の人物名と代表作を覚えるゴロ合わせがコチラです!
『柔道の棚』
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
じ→ 十返舎一九、道→ 東海道中膝栗毛
た→ 滝沢馬琴、な→ 南総里見八犬伝
を表しています。
※YouTubeに「化政文化・よく出る人物」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
(3)化政文化における絵画
つづいて、絵画についても見ておきましょう!
化政文化の絵画分野における、覚えておくべき人物は2人います
その2人とはそれぞれ、
①葛飾北斎(かつしかほくさい)
②安藤広重(あんどうひろしげ)
です!
葛飾北斎は、江戸時代後期の浮世絵師で、様々な場所から見える富士山を描いた『富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)』が代表作です。
安藤広重は歌川広重ともよばれており、江戸時代後期の浮世絵師で、東海道の53の宿場の風景を描いた『東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)』が代表作です。
この2人の人物名と代表作を覚えるゴロ合わせがコチラです!
『カップのアート』
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
カ→ 葛飾北斎、プ→ 富嶽三十六景
ア→ 安藤広重、ト→ 東海道五十三次
を表しています。
※YouTubeに「化政文化・よく出る人物」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
③江戸時代の学問も押さえておこう!
ここからは江戸時代に発展した学問について、解説していきたいと思います。
(1)国学のポイント
まずは『国学』について説明していきますね。
国学とは
『万葉集や源氏物語などの日本の古典を研究することで、日本古来の精神を明らかにしようとする学問』
のことです。
国学を大成した人物は、本居宣長(もとおりのりなが)です。
宣長は「古事記」を研究して、『古事記伝』という書物を著わしました。
(2)蘭学のポイント
つづいて『蘭学』について説明していきますね。
蘭学とは
『オランダ語でヨーロッパの近代的な学問や技術を学ぶ学問』
のことです。
当時の日本は、オランダと交易をしていたことで、オランダ語の書物を通してヨーロッパの文化を知ることができたのです。
蘭学者として代表的な人物は、杉田玄白(すぎたげんぱく)です。
玄白はヨーロッパの医学書を翻訳して、『解体新書』を出版しました。
さらに蘭学者ではありませんが、伊能忠敬という人物はヨーロッパの測量技術を使って、17年にわたり全国の沿岸を測量し、正確な日本地図を作成しました。
(3)寺子屋と藩校とは?
寺子屋と藩校はともに江戸時代の教育施設ですが、学んでいた生徒や学ぶ内容に大きな違いがあります。
寺子屋では、農民や町人の子どもが、「読み・書き・そろばん」といった、仕事上で必要となる実用的な知識を学んでいました。
一方、諸藩が人材を育成する目的で設立した藩校では、武士の子弟が「儒学」など政治をするうえで必要な学問を学んでいました。
④元禄文化・化政文化の違い 覚え方
では最後に、元禄文化と化政文化の違いを覚えるゴロ合わせを紹介しますね。
元禄文化は『17世紀末~18世紀初めに、上方を中心に栄えた文化』でした。
一方、化政文化は『19世紀初めに、江戸を中心に栄えた文化』でした。
これらの内容を覚えるゴロ合わせが
『ロックの神様、
稼ぎはええど!』
ロックの神様と呼ばれるアーティストが、「稼ぎ(収入)がええど(いいぞ)!」と自慢しているところをイメージして下さい。
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
ロック→ 元禄、神→ 上方
稼→ 化政、ええど→ 江戸
※YouTubeに「元禄文化と化政文化のちがい」についてのゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中2歴史で学習する「元禄文化と化政文化」について、その覚え方を詳しく紹介してきました。
最後に、中学歴史のおすすめの参考書・問題集を2冊紹介したいと思います!
1冊目に紹介するのは「中学歴史をひとつひとつわかりやすく」です。
歴史が苦手な(むしろ嫌いな)中学生におすすめの一冊です。
1つのテーマごとに見開き2ページで取り上げていて、左半分に解説のマンガ、右半分に簡単な基本問題が載っており、基本事項をチェックできるようになっています。
易しめな内容であるため、歴史が苦手ではない人にとっては少し物足りなく感じるかもしれません。
2冊目に紹介するのは「中学歴史が面白いほどわかる本」です。
先生が生徒に語りかける形式で書かれている一冊です。
生徒の質問に先生が答えていく場面も多く、中学生の目線で書かれているため、読み進めやすい参考書だといえます。
1つ1つの説明もやさしく丁寧で、テーマごとにまとめのページもあり、おすすめの1冊です。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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