中学1年の社会の地理分野で学習する「アフリカ州」
今回は、アフリカ州に関する以下の内容について、説明しています。
①アフリカ州の自然と地理
アフリカ州の自然について、絶対に押さえておくべきポイントが2つあります。
それは…、
①サハラ砂漠
②ナイル川
です。
サハラ砂漠は、アフリカ大陸の北部に広がる世界最大の砂漠です。
ナイル川は、アフリカ大陸の東側を流れる世界最長の川です。
アフリカではないのですが、世界最長のナイル川とセットで「世界最大の流域面積である川」としてアマゾン川を覚えておきましょう!
ちなみにアマゾン川は、南アメリカ大陸を流れています。
ここでは砂漠や河川が出てきましたが、世界1位の場所(山や湖)は高校入試の地理の問題でよく問われます。
代表的な場所の名前と位置は、しっかり覚えておきましょう。
・エベレスト山 (世界で最も高い山)
・カスピ海 (世界で最も大きい湖)
・バイカル湖 (世界で最も深い湖)
②アフリカ州の歴史と宗教
アフリカでは、古くは世界四大文明の1つとして「エジプト文明」栄えていました。
その後、16世紀以降になると、ヨーロッパの人々がアフリカの黒人を奴隷としてアメリカ大陸へ連れ去るようになりました。
さらに19世紀の終わり頃には、アフリカのほぼ全ての地域がヨーロッパ諸国(イギリスやフランスなど)の植民地にされてしまいました。
第二次世界大戦が終わった1950年代から、アフリカで独立を果たす国が次々と現れました。
1960年は独立したアフリカの国が特に多かったため、「アフリカの年」と呼ばれています。
アフリカの国々では、独立後も旧本国の言語(英語やフランス語など)を共通語として使っています。
このような言語を「公用語」といいます。
これは、同じ国内で言葉が通じないと困るためです。
また、「なぜアフリカでは国境線が直線で引かれているのか」を尋ねる記述問題がよく出題されます。
確かにアフリカ大陸の国境線には、直線で引かれている国が多く見られます。
これは、国境線が経線や緯線を利用して決められたためです。
さらに、ヨーロッパの国々が経線・緯線を利用してアフリカ大陸を分割し、植民地にしていたことがそもそもの原因です。
以上の点をふまえて模範解答を書くと、
「ヨーロッパの国々がかつて、経線・緯線を利用してアフリカ大陸を分割し、植民地にしていたから」
となります。
また、アフリカで信仰されている宗教については、
アフリカ北部ではイスラム教が中心
であることを押さえておきましょう!
具体的には、エジプト・リビア・アルジェリア・チュニジアなどです。
③アフリカ州の農業と工業
アフリカの農業について考えるうえで、絶対に押さえておかなければならないキーワードがあります。
それは、
プランテーション
です。
プランテーションとは、
植民地時代に欧米人によって開かれた大農園であり、賃金の低い現地の人や移民を使って単一の作物を大量につくり、本国へ輸出していた。
したがって、アフリカのみならずアジアや南アメリカなど、かつて欧米人に植民地にされていた地域で見られます。
アフリカでは、コートジボワールやガーナの「カカオ(チョコレートの原料)」のプランテーションが有名です。
コートジボワールとガーナについて入試で出題されることがあるので、下の地図で確認しておいて下さいね。
(※地図にコートジボワールの国名が載っていませんが、ガーナの西隣です。拡大すれば確認できます!)
つづいて、アフリカの鉱業について見ていきましょう。
アフリカ大陸は地下資源が豊富です。
その中でも特に押さえておきたいのは、
①石油
②金と白金(プラチナ)
③レアメタル
です。
順を追って説明していきますね。
まず石油ですが、
・アフリカ北部
・ナイジェリア
で多く産出されます。
ナイジェリアは、先ほど出てきたコートジボワール・ガーナと同じくギニア湾に面した国で、石油が多く産出されます。
さらにナイジェリアは、アフリカで最も人口が多いことでも有名ですので(2013年で約1億7千万人)、セットで覚えておきましょう!
リビア・アルジェリア・ナイジェリアの位置も下の地図で確認しておきましょう!
また、アルジェリアとナイジェリアは国名が似ているので、間違えないよう注意しましょう。
次に金と白金(プラチナ)ですが、これらは南アフリカ共和国で多く産出されます。
特に白金は、南アフリカ共和国が世界の生産量の大部分を占めています。
下の地図で、南アフリカ共和国の位置を確認しておきましょう!
最後にレアメタルですが、”レア”はレアカードやレアポケモンなど同じく、希少で価値が高いという意味です。
つまりレアメタルとは「希少金属」を意味します。
具体的にはコバルトなどで、携帯電話やPCなど最新の電子機器に利用されています。
先ほど出てきた南アフリカを含め、アフリカ大陸ではレアメタルが多く産出されています。
ここまでアフリカの農業や鉱業について見てきましたが、簡単にまとめると、
・プランテーションでの単一の商品作物
・石油や金などの鉱産資源
アフリカ経済の特徴は、これらの輸出に依存していることです。
このように、特定の商品作物や鉱産資源に頼った経済のことをモノカルチャー経済といいます。
特定の輸出品のみに依存した経済では、天候不順で作物が不作だったり、世界全体の景気の動向に価格が左右されたりするため、不安定になります。
対策としては、工業を発展させて価格の変動が少ない工業製品を輸出することなどが考えられます。
④これからのアフリカについて
まずは南アフリカ共和国の動向について見ていきましょう。
この国ではかつて、アパルトヘイトという人種隔離政策が行われていました。
少数の白人が、黒人など白人以外を差別するもので、具体的には職業の制限や、人種ごとに住む場所を決めるなどといったことを行っていました。
国際的な非難や国内での反対運動により撤廃され、1994年には初の黒人の大統領(ネルソン・マンデラ氏)が誕生しました。
豊富な鉱産資源を生かして工業化を進めた結果、現在はアフリカ最大の経済大国となっています。
次に、アフリカ全体で社会問題になっているスラムについて説明します。
スラムとは「大都市にある、多くの貧しい人々が密集している居住地区」のことです。
アフリカでは人口増加が著しく、仕事や住む場所を求めて多くの人々が都市に移住してきます。
しかし、その多くは低賃金の仕事に就いており、その人々が集まって住んでいる居住地区がスラムになっているのです。
アフリカ諸国は、それぞれに問題を抱えています。
それらの問題を共有して解決を目指して結成された組織をアフリカ連合(AU)といいます。
さらに、ヨーロッパ連合(EU)をモデルとして、地域統合を目指しています。
⑤ アフリカ州・練習問題
最後に、ここまで学習してきた内容の練習問題を用意しています。
↓の問題にチャレンジして、ちゃんと身についたかどうかを確認しておきましょう。
【問】( )内に適する語句を答えましょう。
・アフリカ大陸の北部にある世界最大の砂漠は( ① )砂漠である。
・アフリカ大陸の東部を流れる世界最長の川は( ② )川である。
・19世紀の終わり、アフリカのほとんどの地域がヨーロッパ諸国の( ③ )であった。
・1960年はアフリカで独立した国が多かったため、( ④ )と呼ばれている。
・アフリカ北部では( ⑤ )教が多くの人々に信仰されている。
・植民地時代、欧米人によって開かれた大農園を( ⑥ )という。
・ガーナやコートジボワールの(⑥)では、( ⑦ )の栽培がさかんである。
・アフリカで最も人口が多く、石油が多く産出される国は( ⑧ )である。
・アフリカで、金と白金(プラチナ)が多く産出される国は( ⑨ )である。
・(⑨)では、かつて( ⑩ )と呼ばれる人種隔離政策が行われていた。
・アフリカに多く見られる、単一の商品作物や鉱産資源に依存した経済を( ⑪ )という。
・アフリカ諸国が抱える様々な問題の解決を目指して結成された組織は、( ⑫ )である。
【解答】➀サハラ(砂漠)、②ナイル(川)、③植民地、④アフリカの年、⑤イスラム(教)、⑥プランテーション、⑦カカオ、⑧ナイジェリア、⑨南アフリカ共和国、⑩アパルトヘイト、⑪モノカルチャー経済、⑫アフリカ連合(AU)
記事のまとめ
以上、中1社会・地理「アフリカ州」について、詳しく説明してきました。
いかがだったでしょうか?
・今回の記事の内容をまとめると
①ヨーロッパの自然と地理
・サハラ砂漠…世界最大の砂漠
・ナイル川…世界最長の河川
②アフリカの歴史と宗教
・19世紀末にはそのほとんどがヨーロッパ諸国の植民地になる
・1950年代以降、次々に独立を果たす。
・1960年は、アフリカの年とよばれる。
・アフリカ北部ではイスラム教が信仰されている
③アフリカの農業と鉱業
・プランテーションでの単一の商品作物の栽培
→ガーナ・コートジボワールでのカカオなど
・石油…アフリカ北部・ナイジェリアで多く産出
・金・白金…南アフリカで多く産出
・アフリカの多くがモノカルチャー経済であり、経済が不安定
④これからのアフリカについて
・南アフリカ共和国ではかつてアパルトヘイトが行われていた
・アフリカの国々が問題を共有し解決を目指す目的でアフリカ連合(AU)を結成
・アフリカの都市部ではスラムが社会問題に
最後に、中学地理のおすすめの参考書・問題集を2冊紹介しておきますね。
1冊目に紹介するのは「中学地理をひとつひとつわかりやすく」です。
地理が苦手な(むしろ嫌いな)中学生におすすめの参考書兼問題集です。
1つのテーマが見開き2ページにわたり掲載されており、左半分が説明、右半分が簡単な問題という構成で、基本事項をチェックすることができるようになっています。
易しめな内容ですので、地理が苦手ではない人にとってはちょっと物足りないかもしれません。
続いて、2冊目に紹介するのは「中学地理が面白いほどわかる本」です。
先生が生徒に語りかけるという対話形式で書かれています。
生徒の質問に先生が答えていく場面が多く生徒目線で書かれているため、中学生にとって読み進めやすい参考書だと思います。
1つ1つの説明も丁寧かつわかりやすく、さらにテーマごとにまとめのページも載っているので、おすすめの1冊だと言えます。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。
コメント
めちゃくちゃわかりやすかったです!ありがとうございました
コチラこそ、コメントありがとうございます!
少しでも参考になれば幸いです(^^)
わかりやすかったです
コメントありがとうございます!
少しでも参考になれば幸いです。
ありがとうございます!BAKA⭐な僕にもわかりました!分かりやすかったです!中学1年生最後の期末テストにまだ、出てくるかわかりませんが、メモるだけメモりました!
コメントありがとうございます!
少しでも勉強の参考になれば幸いです。
期末テスト、頑張って下さいね!