中1理科で学習する「水溶液」、その中でも水溶液の質量パーセント濃度を求める問題が、苦手な中学生も多いと思います。
そこで今回は水溶液の濃度を求める問題の解き方について、解説していきます。
◎この記事でお教えする内容は、以下の通りです。
この記事は、たけのこ塾が中学生に向けて、TwitterやInstagramに投稿した内容をもとに作成しています。
ぜひ、あなたの勉強にご活用下さい。
①「質量パーセント濃度」ってどうやって求めるの?
質量パーセント濃度を解説する前に、溶質・溶媒・溶液についてもう一度おさらいしておきましょう。
「溶質」は、水などに溶けている物質のことでした。
食塩水なら、食塩が溶質です。
「溶媒」は、溶質を溶かしている液体のことでした。
食塩水なら、水が溶媒です。
「溶液」は、「溶質」が「溶媒」に溶けた液体のことでした。
食塩水なら、食塩水が溶液です。
ちなみに、溶媒が水である溶液が『水溶液』ですね。
ですから、食塩水も当然ながら水溶液です。
水溶液の濃度を求めるには、溶質・溶媒・溶液についての正しい理解が不可欠です。
自信がない人は、ここでしっかり覚えてから続きを読み進めてくださいね。
それでは「質量パーセント濃度」の求め方について、解説していきますね。
質量パーセント濃度を一言で説明すると…、
「水溶液中の溶質の質量の割合を百分率で表したもの」
です。
式で表すと以下のようになります。
これだけでは何のことだかよく分からないと思うので、食塩水を例にもう少し詳しく説明しますね。
ここに、90gの水に10gの食塩を溶かしてできた100gの食塩水があるとします。
この食塩水の濃度を求めたいなら、先ほどの濃度を求める式の…、
・溶質の質量に食塩の10g
・水溶液の質量に食塩水の100g
を当てはめて計算してみましょう!
分数の10/100に100がかけられているので、100で約分すると、
よって、この食塩水の濃度は10%ということがわかりました。
質量パーセント濃度を求める方法は、わかりましたか?
次は水溶液の濃度を求める計算問題に取り組んでいきますので、自信がない人はもう一度見直しておきましょう。
②水溶液の濃度を求める問題の解き方
ではさっそく、問題に取り組んでいきましょう!
[問] 160gの水に、40gの砂糖を溶かした砂糖水の濃度を求めましょう。
水溶液の濃度を求めるには、溶質の質量と水溶液の質量が分かっている必要がありましたね。
この問題では、溶質の質量は砂糖40g。
そして水溶液の質量は、水と砂糖の質量をたせば求めることができるので、
160(g)+40(g)=200(g)
よって、水溶液の質量は200g。
溶質40gと水溶液200gの値を、質量パーセント濃度を求める式に当てはめると、
あとは、計算を以下のように進めていくと…、
計算の結果、この砂糖水の濃度は20%ということがわかりました。
質量パーセント濃度を求める式に水溶液の質量を当てはめるとき、間違えて溶媒(水)の質量を使ってしまう人がいますので、注意して下さいね!
最後に「溶質の質量」を求める問題をやっておきましょう。
まず、次の問題を読んでみて下さい。
[問] 8%の食塩水300gにふくまれている食塩の質量を求めましょう。
食塩水300gのうちの8%が食塩ということなので、300gの8%が何gになるのかを計算しなければなりません。
食塩水の質量に割合をかければよいのですが、1つ注意が必要です。
濃度は、割合を100倍した百分率(%)で表されているので、割合を求めるには濃度を100で割る必要があるのです。
この問題では濃度が8%なので、割合は8を100で割った0.08になります。
割合さえ求まれば、水溶液の質量に割合をかければよいので、
300(g)×0.08=24(g)
よって、溶けている食塩の質量は24gになります。
※YouTubeに『水溶液の濃度』についての解説動画を投稿していますので、ぜひ↓のリンクからご覧下さい!
③水溶液の濃度・練習問題
ここまで説明してきた中1理科「質量パーセント濃度」の練習問題を↓に載せていますので、チャレンジしてみましょう!
【問】以下の水溶液の質量パーセント濃度を求めましょう。
(1) 20gの食塩が解けている100gの食塩水
(2) 水90gに砂糖10gを溶かした砂糖水
(3) 水45gに食塩5gを溶かした食塩水
解答・解説は、↓の通りです。
(1) 溶質の食塩が20g、溶液の食塩水が100gなので、
となり、答えは20%になります。
(2) 溶質の砂糖が10g、溶液の砂糖水は砂糖10gと水90gを足し合わせた100g。
よって、
となり、答えは10%になります。
(3) 溶質の食塩が5g、溶液の食塩水は食塩5gと水45gを足し合わせた50g。
よって、
となり、答えは10%になります。
すべて正解することができましたか?
できなかった問題は解答を見て、よく理解しておいて下さいね!
記事のまとめ
以上、中1理科で学習する「質量パーセント濃度」について、説明してまいりました。
①質量パーセント濃度とは
→ 水溶液中の溶質の質量の割合を百分率で表したもの
※水溶液の質量を、溶媒(水)の質量と間違えて計算しないよう注意する!
②溶質の質量を求める計算
→ 水溶液の質量×割合
※濃度は百分率(%)で表されているので、100で割って割合になおすこと!
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。