今回は中1理科で学習する「水溶液」について、詳しく解説していきたいと思います。
水溶液の質量パーセント濃度を求める問題が、苦手な中学生も多いと思います。
この記事を読んでしっかり理解して下さいね!
・この記事でお教えする内容は、以下の通りです。
この記事は、たけのこ塾が中学生に向けて、TwitterやInstagramに投稿した内容をもとに作成しています。
ぜひ、あなたの勉強にご活用下さい。
①「水溶液」溶質・溶媒・溶液について
ここでは、溶質・溶媒・溶液について、詳しく説明していきます。
まず「溶質」とは、水などに溶けている物質のことです。
例えば、食塩水の溶質は…、
そう、食塩ですね!
同様に、砂糖水の溶質は…、
もちろん砂糖ですよね
次に「溶媒」とは、溶質を溶かしている液体のことです。
食塩水や砂糖水の溶媒といえば…、
もちろん、「水」ですよね!
最後に「溶液」とは、「溶質」が「溶媒」に溶けた液体のことです。
食塩水を例にすると、
「溶質」が食塩
「溶媒」が水
「溶液」が食塩水
となります。
また、「溶媒」が水の「溶液」のことを、とくに「水溶液」といいます。
何度も例に出した、食塩水や砂糖水は溶媒が水の溶液ですので、水溶液になります。
さらに溶質が溶媒に溶けること(例えば食塩が水に溶けるなど)を、「溶解」といいますので、合わせて覚えておきましょうね。
ここまで説明してきた「水溶液」(溶質・溶媒・溶液)の問題を、下の画像に載せていますので、ぜひチャレンジしてみて下さい!
解答は以下の通りです。
すべて正解することができましたか?
できなかった問題は解答を見て、よく理解しておいて下さいね!
「溶質」と「溶媒」の違いがよくわかっていない中学生が少なくありません。
食塩水の場合、溶けている物質である食塩が「溶質」、溶かしている液体である水が「溶媒」です。
しっかり覚えておきましょうね!
②「溶解度」と「再結晶」
ここからは、「溶解度」と「再結晶」について、詳しく説明していきます。
(ⅰ)「溶解度」について
「溶解度」とは、100gの水に溶ける物質の最大の量のことです。
◎「溶解度」は…、
①、溶けている溶質の種類で決まる
②、温度によって変化する
という特徴があります。
ミョウバンと塩化ナトリウム(食塩)の温度と溶解度の関係を表したグラフが、下にあるのでご覧下さい。
図を見れば分かると思いますが、ミョウバンは温度が高くなるほど溶解度が大きくなっています。
コーヒーに砂糖を溶かすとき、冷めているコーヒーより熱い方がよく溶けますよね。
このように、温度が高いほど溶解度(溶質が溶ける最大の量)は高くなることが多いです。
一方、塩化ナトリウム(食塩)は、温度が変化しても溶解度はあまり変化しません。
以上の内容は、次に説明する「再結晶」を理解するために必要な知識ですので、しっかり覚えておいて下さいね。
ちなみに、上のような溶解度と温度の関係を表したグラフを「溶解度曲線」といいますので、合わせて覚えておきましょう!
(ⅱ)「再結晶」について
まず、「結晶」ついて説明します。
「結晶」とは、純粋な物質で規則正しい形をした固体のことです。
結晶は、物質ごとに固有の形をしています。
次に「再結晶」について説明したいと思います。
「再結晶」とは、一度溶かした物質を結晶として取り出すことです。
◎再結晶の方法は、以下の2つがあります。
➀、水溶液を冷やす方法
②、水溶液の水分を蒸発させる方法
まず、①「水溶液を冷やす方法」について説明したいと思います。
下にあるミョウバンの「溶解度曲線」をご覧下さい。
まず60℃の水に、溶かすことができる最大量のミョウバンを溶かします。
ちなみに、このように物質が最大限にとけている溶液を「飽和水溶液」といいます。
次に、このミョウバンの飽和水溶液を20℃まで冷やします。
すると、溶けることができなくなったミョウバンが結晶となり出てきます。
以上のように、温度が高くなるほど溶解度が大きくなる物質は、水溶液を冷やすことで結晶をとり出すことができます。
つづいて、②「水溶液の水分を蒸発させる方法」について説明したいと思います。
下にある塩化ナトリウムの「溶解度曲線」をご覧下さい。
塩化ナトリウムの溶解度は、温度が変化してもあまり変化しませんでしたよね。
では、塩化ナトリウムの結晶をとり出すにはどうすればいいのでしょう?
そこで、「水溶液の水分を蒸発させる方法」を使います!
塩化ナトリウムの水溶液を蒸発させると、水が減ります。
水が減ると、溶けきれなくなった塩化ナトリウムが結晶として出てきます。
このように、溶解度が温度によって変化しない塩化ナトリウムの場合は、「水溶液の水分を蒸発させる方法」で再結晶します。
ここまで説明してきた中1理科「再結晶」の問題を下の画像に載せています。
チャレンジしてみましょう!
解答は、以下の通りです。
すべて正解することができましたか?
できなかった問題は解答を見て、よく理解しておいて下さいね!
記事のまとめ
以上、中1理科で学習する「水溶液、結晶」について、説明してまいりました。
①溶質・溶媒・溶液について
・溶質…水に溶けている物質
・溶媒…溶質を溶かしている液体
・溶液…溶質と溶媒を合わせた液体
※ちなみに溶媒が水の溶液を「水溶液」という
②溶解度…水100gに溶ける物質の最大の量
③飽和水溶液…物質が最大限に溶けている水溶液
④結晶…純粋な物質で規則正しい形をした固体
⑤再結晶…水に溶かした物質を再び結晶として取り出すこと
(ⅰ)水溶液を冷やす方法
(ⅱ)水溶液の水分を蒸発させる方法(塩化ナトリウム)
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。
コメント
ミョウバンの溶解度の定義はどうなってますか?
ふつうは、固体の水に対する溶解度は結晶水を含まない値で示されています。
ところが、ミョウバンが水溶液の冷却による再結晶で析出するときには、溶媒の水を巻き込んで固まってくる、つまり、溶媒の水まで減ってしまいます。だから、析出する結晶の量は、②の(ii)のところに書かれているような、単純な引き算では求まりません。
コメントありがとうございます。私の不勉強のため、正確ではない内容を掲載してしまったようで大変申し訳ありませんでした。
ご指摘を受けて中学理科の教科書などで調べたところ、溶解度曲線の縦軸は「溶解度」ではなく「100gの水に溶ける質量」という表現になっていました。
ご指摘の箇所ですが、「溶解度」ではなく「100gの水に溶ける質量」という表現なら問題ないでしょうか?
たいへんお恥ずかしいのですか、投稿者様のように理科に関する深い知識がないため、教えていただけるとありがたいです。