前回の記事「中1理科・状態変化と質量・体積の関係を理解しよう!」につづき、今回も「状態変化」をとり上げていきます。
今回は中1理科で学習する「状態変化と温度」と「蒸留」について、詳しく解説していきたいと思います。
お教えする内容は、以下の通りです。
この記事は、たけのこ塾が中学生に向けて、TwitterやInstagramに投稿した内容をもとに作成しています。
ぜひ、あなたの勉強にご活用下さい。
①「状態変化」と温度の関係
ここでは、状態変化と温度の関係について、詳しく説明していきます。
・説明する内容は、以下の3つです。
(1)「沸騰(ふっとう)」について
(2)「融点(ゆうてん)」と「沸点(ふってん)」について
(3)「純粋な物質」と「混合物」について
それぞれ大切な内容ですので、しっかり理解しましょう!
(1)「沸騰」について
鍋に水を入れて加熱すると、やがて水の内側からブクブクと泡がわいてきますよね。
これは、水が気体である水蒸気に変わっている状態なのです。
つまり、あの泡は水蒸気なのです!
このように、液体が内部からも気体に変わっていくことを「沸騰」といいます。
また、「沸騰」と似た現象に「蒸発」があります。
蒸発と沸騰の違いは何かわかりますか?
沸騰は、先ほど述べたように「液体が内部から気体に変わっていくこと」です。
一方、蒸発は、水たまりの水が晴れた日に自然となくなるように、「液体の表面で液体が気体に変わっていくこと」をいいます。
(2)「融点」と「沸点」について
氷は何度以上になったら水になるか知っていますよね?
そう、0℃です。
このように固体が液体に変化するときの温度を「融点(ゆうてん)」といいます。
では、水が沸騰して水蒸気になっていくのは?
そう、100℃ですよね。
このように液体が気体に変化するときの温度を「沸点(ふってん)」といいます。
つまり、水の融点は0℃で水の沸点は100℃であるということです。
次に下の図をご覧下さい。
氷を加熱するとしばらくは温度が上昇します。
しかし融点である0℃になると、加熱し続けても0℃のまま一定です。
これは、固体である氷が液体である水に変わるために、熱を使っているからです。
ですから、氷がすべて水に変化してしまえば、温度は再び上昇し始めます。
同じように、水も加熱するとしばらくは温度が上昇します。
しかし沸点である100℃になると、加熱し続けても100℃のまま一定です。
これは、液体である水が気体である水蒸気に変わるために、熱を使っているからです。
ですから、水がすべて水蒸気に変化してしまえば、温度は再び上昇し始めます。
(3)「純粋な物質」と「混合物」について
「純粋な物質」とは水やエタノール、酸素のように他の物質と混ざっていない物質のことです。
純粋な物質は、融点・沸点が決まった値になります。
(例)
・水(融点0℃、沸点100℃)
・エタノール(融点 約-114℃、沸点 約78℃)
ですから、純粋な物質であれば、融点・沸点をもとに物質を見分けることができます。
一方、「混合物」とは、2種類以上の物質が混ざりできているものです。
どんなものが混合物か、イメージできますか?
例として、食塩水(水と食塩)や空気(窒素と酸素と二酸化炭素など)を挙げることができます。
さらに、混合物は純粋な物質と異なり、融点や沸点が決まった値を示しません。
よって、状態変化している間も温度は変化します。
ここまで説明してきた中1理科「状態変化と温度」の問題を↓に載せていますので、よかったらぜひチャレンジしてみて下さい!
【問題】( )に入る適当な語句を答えましょう。
(1) 温度に関係なく、液体の表面で液体が気体に状態変化することを( ① )という。
(2) 液体の表面だけでなく、内部からも液体が気体に状態変化することを( ② )といい、このときの温度を( ③ )という。
(3) 固体がとけて液体になるときの温度を( ④ )という。
(4) 水や二酸化炭素など1種類の物質からできているものを( ⑤ )という。
(5) 空気や食塩水などいろいろな物質が混ざっているものを( ⑥ )という。
解答は↓の通りです。
【解答】①蒸発、②沸騰、③沸点、④融点、⑤純粋な物質、⑥混合物
すべて正解することができましたか?
できなかった問題は解答を見て、よく理解しておいて下さいね!
中学理科のテストにおいて、「融点」と「沸点」、「純粋な物質」と「混合物」はよく出題されるところです。
しっかり覚えておきましょう!
②「蒸留」とは何?
「蒸留」とは、液体を加熱し沸騰させて気体にし、その気体を冷却して再び液体にして集める方法です。
そして蒸留を利用すると、液体の混合物を分けてとり出すことができます。
なぜ、とり分けることができるのか?
それは、それぞれの沸点が異なるためです。
では水とエタノールの混合物を例に、蒸留したらどうなるか考えてみましょう。
ちなみに水の沸点は100℃、エタノールの沸点は78℃です。
下の図ように、水とエタノールの混合物を加熱してみます。
この図において、左の試験管で加熱された水とエタノールの混合物は、気体となり出てきます。
そして、水に冷やされている右の試験管で冷却されて、液体に戻ります。
エタノールの沸点は78℃で水の沸点100℃より低いため、はじめに出てくる気体の中にはエタノールが多くふくまれています。
このようにそれぞれの沸点の違いにより、水とエタノールを分けることができるのです。
ちなみに、図の中に「沸とう石」が左の試験管の中に入っています。
なぜ「沸とう石」を入れるのか?
それは…、
「急な沸とう(突沸)を防ぐため」
です。
中学理科のテストではよく問われるところですので、しっかり覚えておきましょう!
※NHKのEテレのホームページに「蒸留で液体の混合物を分けてとり出す方法」についての解説動画が載っていたので、↓にリンクを貼っておきます。
ここまで説明してきた中1理科「蒸留」の問題を↓に載せていますので、チャレンジしてみましょう!
【問題】( )に入る適当な語句を答えましょう。
(1) 液体を加熱して沸騰させ、出てくる蒸気(気体)を冷やすことで、再び液体をとり出す方法を( ① )という。
(2) (①)の方法は、それぞれの液体の( ② )のちがいを利用することで、液体の混合物を分けてとり出すことができる。
(3) 水とエタノールの混合物を(①)の方法で分けると、沸点の低い( ③ )がはじめに気体となり出てくる。
解答は↓の通りです。
【解答】①蒸留、②沸点、③エタノール
すべて正解することができましたか?
できなかった問題は解答を見て、よく理解しておいて下さいね!
記事のまとめ
以上、中1理科で学習する「状態変化と温度、蒸留」について、説明してまいりました。
①液体が内部からも気体に変わっていくことを「沸騰」という
②固体が液体に変化するときの温度を「融点」という
③液体が気体に変化するときの温度を「沸点」という
④「純粋な物質」とは他の物質と混ざっていない物質のこと
⑤「混合物」とは、2種類以上の物質が混ざりできているもの
⑥「蒸留」を利用し、液体の混合物を分けてとり出すことができる
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。