中1数学「比例・反比例」関数と比例・反比例ってなに?

 今回から、中学1年の数学で学習する「比例・反比例」について、記事を書いていきたいと思います。

 この記事では、

「関数、比例、反比例ってなに?」

「この単元、全然わかんない」

 という中学生に、基本からわかりやすく丁寧に解説しています。

 最後に基本問題にもチャレンジしますので、ぜひご覧下さい。

 この記事では、次の4つの内容について詳しく説明しています。

 ①関数ってなに?

 ②比例ってなに?

 ③反比例ってなに?

 ④比例の式・反比例の式 基本問題に挑戦!

 この記事を読んで、関数・比例・反比例の基本をしっかり理解しましょう!

①「関数」ってなに?

 「関数」って名前からして難しそうですよね。

 一応、「関数」の意味を載せておくと…、

「ともなって変わる2つの値があり、一方の値が決まると、それに対応するもう一方の値が1つに決まるもの」

 なのだそうです。

 これだけだと正直、全然イメージがわかないですよね。

 ですから、もう少しわかりやすい例えを使って説明したいと思います。

具体例① ジュースの自動販売機

 まず、ジュースの自動販売機を思い浮かべてみて下さい。

自動販売機のイラスト

 ボタンがいくつか付いていて、欲しいジュースのボタンを押すと取り出し口から欲しいジュースが出てきますよね。

 例えば、

コーラのボタン → コーラ

・リンゴジュースのボタン → リンゴジュース

・お茶のボタン → お茶

 このように自動販売機では、ボタンの値(コーラやお茶など)が決まると、取り出し口から出てくるジュースの値(コーラやお茶など)が1つに決まります

 コーラのボタンを押してお茶が出てきたり、リンゴジュースのボタンを押して、コーラが出てきたりはしませんよね。

 「関数」とは…、

「ともなって変わる2つの値があり、一方の値が決まると、それに対応するもう一方の値が1つに決まるもの」

 でしたよね。

 ですから、押すボタンの値が決まると、出てくるジュースの値が1つに決まる」自動販売機の仕組みは、関数であるということができます。

具体例② 英単語の翻訳機

 まず、下の画像をご覧下さい。

日本語のカードを入れたら英単語のカードが出てくる翻訳機のイラスト

 画像に描かれている箱は、「犬」と書かれたカードを入れると「dog」というカードが出てきます。

 同じように、「本」と書かれたカードを入れると「book」というカードが出てきます。

犬のカード → dogのカード

・本のカード → bookのカード

 このようにこの翻訳機は、日本語のカードの値(犬や本)が決まると、出てくる英単語のカードの値(dogやbook)が1つに決まります。

 「猫」というカードを入れて「water」というカードが出てきたり、「水」というカードを入れて「cat」というカードが出てきたりすることはありません。

 しつこいようですが「関数」とは、

「ともなって変わる2つの値があり、一方の値が決まると、それに対応するもう一方の値が1つに決まるもの」

 でしたよね。

 ですから、入れるカードの値が決まると、出てくる英単語のカードの値が1つに決まる」図の翻訳機の仕組みは、関数であるということができます。

楽しそうに勉強する子どもたち

 「関数」とはどんなものなのか、少しイメージがつかめたと思います。

 これから先は、「関数」である「比例」や「反比例」について、詳しく説明していますので、ぜひ読み進めて下さい。

※下のYouTubeにアップした動画で、「関数とはなにか」について詳しく説明しておりますので、ぜひご覧下さい!


②「比例」ってなに?

 「関数」である「比例」について説明する前に、次のようなxyの関係について考えてみたいと思います。
比例の関係を説明するための長方形のイラスト

 上の図のように、x㎝、横6㎝で面積がy㎠の長方形があるとします。

 この縦の長さx面積yの値がそれぞれどのように変化するのか、下の表にまとめてみました。

    比例関係を説明するためのxとyの値が載っている表

 表を見て、何か気付くことはありませんか?

 xの値が”1→2″、”1→3″へと、2倍・3倍するとき、それに対応するyの値の変化に注目しましょう。

 xが2倍・3倍…すると、それに対応するyの値も2倍・3倍…となっているのに気付いたと思います。

    比例関係を説明するためのxとyの値が載っている表②

 このように、xが2倍・3倍…すると、それに対応するyの値も2倍・3倍…となるとき、yはxに「比例」しているといいます。

一生懸命、勉強している男の子

 では次に、yxの式で表すとどうなるか見ていきましょう。

 「縦の長さ(x㎝)×横の長さ(6㎝)=長方形の面積(y㎠)」でしたよね。

 よって、

  y = 6x

 と表すことができます。

 このように、yがxに比例するとき、

 y = ax

 と表すことができ、この式を「比例の式」といいます。

 そして、xyのようにいろいろな値をとる文字を「変数」といいます。

 さらに、比例の式の文字aを「比例定数」といいます。

 ちなみに定数」とは、常に決まった変わらない値のことです。

一生懸命、勉強している女の子

 「変数」と「定数」という新しい語句が次々に出てきたので、混乱している中学生もいると思います。

 そこで変数と定数の違いを、具体的な「比例の式」を例に、簡単に説明したいと思います。

 (例)  y = 3x

 この比例の式において、xyはいろいろな値をとりますよね。

 もし、x=1ならy=3x=5ならy=15ですよね。

 このxyのように、いろいろな値をとる文字を「変数といいます。

 一方、この比例の式において、比例定数」は常に3で変化しません

 このように比例の式”y=ax”のaは、常に一定の値をとります

 例えば、y=5xなら比例定数aは常に5、y=10xなら比例定数aは常に10ですよね。

 以上見てきたように、常に決まった変わらない値を「定数といい、比例の式の定数をとくに比例定数といいます。

 比例の式だけでなく、語句の意味もしっかり覚えておきましょう!

 ここでは「比例」について、さらに「変数」「比例定数」について学習しました。

 まだ理解が十分ではないようでしたら、もう1度読み直しましょう。

 しっかり理解をしたうえで、次の「反比例ってなに?」へ進んで下さい。

※下のYouTubeにアップした動画で、「比例とはなにか」「変数と比例定数」について詳しく説明しておりますので、ぜひご覧下さい!


③「反比例」ってなに?

 「関数」である「反比例」について説明する前に、次のようなxyの関係について考えてみたいと思います。

反比例の関係を説明するための長方形のイラスト

 上の図のように、x㎝、横y㎝で面積が60㎠の長方形があるとします。

 この縦の長さx横の長さyの値がそれぞれどのように変化するのか、下の表にまとめてみました。

     反比例の関係を説明するためのxとyの値をまとめた表

 表を見て、何か気付きませんか?

 xの値が”1→2”、”1→3”へと、2倍・3倍するとき、それに対応するyの値の変化に注目しましょう。

 xが2倍・3倍…すると、それに対応するyの値が1/2倍・1/3倍…となっているのに気付かれたでしょうか。

     反比例の関係を説明するためのxとyの値をまとめた表②

 このように、xが2倍・3倍…すると、それに対応するyの値が1/2倍・1/3倍…となるとき、yはxに「反比例」しているといいます。

楽しそうに勉強している男の子のイラスト

 では次に、yxの式で表すとどうなるか見ていきましょう。

 「縦の長さ(x㎝)×横の長さ(y㎝)=長方形の面積(60㎠)」でしたよね。

 つまり、横の長さ(y㎝)は、長方形の面積(60㎠)を縦の長さ(x㎝)で割ると求めることができます。

 よって、

 y=60/x

 と表すことができます。

 このように、yがxに反比例するとき、

 y=a/x

 と表すことができ、この式を「反比例の式」といいます。

 また、反比例の式のaを「比例定数」といいます。

頑張って楽しそうに勉強している女の子

 ちなみに反比例の式の比例定数aは、1組のxyをかけ合わせれば求めることができます。

 例えば先ほどの反比例の式だと、x=1のときy=60で、かけ合わせると60になります。

 同じように、x=2のときy=30でかけ合わせると60、x=3のときy=20でかけ合わせるとやっぱり60になります。

 なぜ1組のxyの値をかけ合わせると、反比例の式の比例定数が求まるのかについては、下の説明をご覧下さい。

 y=a/x 両辺にxをかけると y×x=a/x×x xy=a a=xy

 このように反比例の式からも、比例定数axyをかけ合わせた値であることを確かめることができました。

 これは、反比例の式の場合のみに成り立つものなので、比例の式では使わないように注意しましょう!

楽しそうに勉強して手を挙げている男の子と女の子

 ここでは「反比例」について学習しました。

 まだ理解が十分ではないようでしたら、もう1度読み直しましょう。

 そしてしっかり理解をしたうえで、次の「比例の式・反比例の式 基本問題に挑戦!」へ進んで下さい。

※下のYouTubeにアップした動画で、「反比例とはなにか」について詳しく説明しておりますので、ぜひご覧下さい!