中学理科で示準化石と示相化石について学習しますが、たくさんの種類が出てくるため頭の中がごちゃごちゃになり、覚えるのが大変という中学生が多いかと思います。
そこでこの記事では、示準化石と示相化石について解説したうえで、さらにゴロ合わせによる覚え方を紹介していきます。
この記事では、できる限り分かりやすく説明して、覚えやすい暗記法を紹介していますので、ぜひ最後までご覧下さい。
この記事でお教えする内容は、以下の通りです。
① 示準化石と示相化石とは?
まずはそもそも化石とは何かについて、さらに示準化石と示相化石とはどのような化石なのかについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
(ⅰ) 化石とは?
そもそも『化石』とは何かということなのですが、
化石とは、
地層の中に残されている、過去の生物の遺がいやあし跡・ふんなどの生活の跡などが石となったもの
のことです。
このことをしっかり頭に入れておきましょう。
(ⅱ) 示準化石と示相化石のちがい
化石はさらに示準化石と示相化石に分類されます。
示準化石とは、地層が堆積した時代(地質年代)を知る手がかりになる化石のことです。
ちなみに、地質年代は化石や岩石などをもとに地層の年代を区分したものです。
また示準化石はその特徴から、広い範囲に短い期間だけ繁栄していた生物の化石である必要があります。
具体的な例を挙げると、中生代という地質年代に生息していたアンモナイトなどが代表的な示準化石です。
一方の示相化石は、地層が堆積した当時の自然環境を知る手がかりになる化石のことです。
示相化石はその特徴から、限られた環境に長期間にわたり生息していた生物の化石である必要があります。
具体的な例を挙げると、あたたかくてきれいな浅い海に生息しているサンゴなどが代表的な示相化石です。
示準化石・示相化石になる生物の条件は、記述問題でもよく出題されるのでよく理解して覚えておきましょう。
(ⅲ) 示準化石と示相化石のちがいの覚え方
示準化石は、
地層の堆積した時代を知る手がかりになる化石
示相化石は、
地層の堆積した当時の自然環境を知る手がかりになる化石
↑の示準化石と示相化石のちがいを覚えるゴロ合わせが、
『10時に完走』
です。
マラソン大会に参加した人が10時に無事完走することができ、喜んでいるところをイメージしてもらうとよいと思います。
ゴロ合わせの内訳は↓の通りです。
・10(じゅう)→ 示準(じゅん)化石 、時(じ)→ 時代
・完(かん)→ 環境 、走(そう)→ 示相(そう)化石
※YouTubeに「示準化石と示相化石のちがい」のゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
② 示準化石の種類と覚え方
ここでは、地質年代ごとの代表的な示準化石について簡単に解説したうえで、それらを覚えるゴロ合わせを紹介していきたいと思います。
(ⅰ) 地質年代とは?
まずは地質年代について、簡単に説明しておきますね。
先に書いておいた通り、地質年代とは化石や岩石などをもとに地層の年代を区分したものです。
中学理科では、古生代・中生代・新生代という3つの地質年代を学習します。
古生代は、およそ5億4100万年前から2億5200万年前までの時代です。
つづく中生代は、およそ2億5200万年前から6600万年前までの時代で、陸上では恐竜や裸子植物が繁栄していました。
最後の新生代は、およそ6600万年前から現在までの時代で、哺乳類や被子植物が繁栄しました。
(ⅱ) 各年代の代表的な化石
それでは、古生代・中生代・新生代における代表的な示準化石を、それぞれ見ていきましょう。
古生代の代表的な化石は、フズリナとサンヨウチュウです。
フズリナは、殻をもった有孔虫という種類の生物で、海に生息していました。
またサンヨウチュウは、海に生息する節足動物でした。
中生代の代表的な化石は、キョウリュウとアンモナイトです。
キョウリュウは、中生代に繁栄し絶滅したハ虫類の生物です。
またアンモナイトは、平らな巻貝のような殻をもった、頭足類(タコやイカのなかま)の生物です。
新生代の代表的な化石は、ビカリアとナウマンゾウです。
ビカリアは新生代の一時期に生息していた円錐形の巻貝で、現在では絶滅しています。
またナウマンゾウは大きな牙をもったゾウで、かつて日本列島に生息していましたが、およそ1万5千年ほど前に絶滅しました。
(ⅲ) 示準化石を覚えるゴロ合わせ
↑の(ⅱ)で説明してきた、示準化石とその地質年代を覚えるゴロ合わせを紹介します。
それがコチラです!
『古風なリナさん
日中、京都案内
深夜便、ナウ』
バスガイドをしている古風な女性のリナさんが、昼間に京都の観光案内をして、深夜にバスで移動しているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は↓の通りです。
・古→ 古生代 、リナ→ フズリナ、さん→ サンヨウチュウ
・(日)中→ 中生代 、京→ キョウリュウ、案内→ アンモナイト
・深(シン)→ 新生代 、便→ ビカリア、ナウ→ ナウマンゾウ
※YouTubeに「示準化石とその地質年代」のゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③ 示相化石の種類と覚え方
ここからは、覚えておきたい代表的な示相化石を3つ解説して、それらの化石を覚えるゴロ合わせを紹介していきます。
1つめの示相化石はサンゴです。
サンゴの化石が見つかった地層は、堆積した当時の環境が「暖かくて浅い海」であったことが分かります。
2つめの示相化石はシジミです。
シジミの化石が見つかった地層は、堆積した当時の環境が「湖や河口などの淡水」であったことが分かります。
3つめの示相化石はブナの葉です。
ブナの葉の化石が見つかった地層は、堆積した当時の環境が「温帯でやや寒冷な陸地」であったことが分かります。
ここまで説明してきた、示相化石とその当時の環境を覚えるゴロ合わせを紹介します。
それがコチラです!
『産後、あたし朝産みました』
『指示で水に囲ったブリ』
朝に出産した女性のところに、指示された人がお祝いとして水に入れたブリを持ってきているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は↓の通りです。
・産後→ サンゴ 、あた→ 暖かい、朝→ 浅い、産み→ 海
・指示→ シジミ 、水→ 湖、囲った→ 河口
・ブ→ ブナ 、リ→ 陸地
※YouTubeに「示相化石と当時の環境」のゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
④『示準化石・示相化石』練習問題
最後に、ここまで学習してきた内容の練習問題を用意しています。
↓の問題にチャレンジして、ちゃんと身についたかどうかを確認しておきましょう。
【問】( )内に適する語句を答えましょう。
(1) 示準化石として適当なのは、( ① )範囲に( ② )期間だけ繁栄していた生物の化石である。
(2) 示相化石として適当なのは、( ③ )環境に( ④ )期間にわたり生息していた生物の化石である
(3) フズリナやサンヨウチュウは、( ⑤ )代の代表的な示準化石である。
(4) キョウリュウやアンモナイトは、( ⑥ )代の代表的な示準化石である。
(5) ビカリアやナウマンゾウは、( ⑦ )代の代表的な示準化石である。
(6) ( ⑧ )は、当時の環境が暖かくて浅い海であったことが分かる示相化石である。
(7) ( ⑨ )は、当時の環境が湖や河口などの淡水であったことが分かる示相化石である。
(8) ( ⑩ )は当時の環境が温帯でやや寒冷な陸地であったことが分かる示相化石である。
【解答】(1) ①広い、②短い、(2) ③限られた、④長(or長い)、(3) ⑤古生(代)、(4) ⑥中生(代)、(5) ⑦新生(代)、(6) ⑧サンゴ、(7) ⑨シジミ、(8) ⑩ブナの葉
練習問題はすべて正解できましたか?
間違えた問題はよく復習して、しっかり覚えておきましょう!
記事のまとめ
以上、中1理科で学習する「示準化石と示相化石」について、説明してきました。
① 示準化石と示相化石とは?
② 示準化石の種類と覚え方
③示相化石の種類と覚え方
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。