今回の記事では、中学国語で学習する『熟語の構成』について、二字熟語の5つのパターン、さらに三字熟語と四字熟語も詳しく解説していきたいと思います。
この記事の内容は、以下の通りです。
③ 主語と述語の関係
⑥ 三字熟語のまとめ
⑦ 四字熟語のまとめ
『熟語の構成』は高校入試や模試でよく出題される分野ですので、この記事を読んでしっかり身に付けましょう!
➀ 似た意味の漢字の組合せ
最初に解説するのは「似た意味の漢字の組合せ」の二字熟語です。
「似た意味の漢字の組合せ」とは、「温暖」や「利益」のような、似た意味の漢字が組み合わさってできた熟語です。
他にもいくつか例を挙げてみますと、
・ 寒冷
・ 道路
・ 存在
・ 豊富
・ 身体
・ 拡大
・ 縮小
・ 思考
などがあります。
ここで紹介した熟語は、いずれも代表的な「似た意味の漢字の組合せ」の二字熟語ですので、しっかり覚えておきましょう!
② 対になる意味の漢字の組合せ
次に解説するのは「対になる意味の漢字の組合せ」の二字熟語です。
「対になる意味の漢字の組合せ」とは、「大小」や「寒暖」のような、対になる意味の漢字が組み合わさってできた熟語です。
他にもいくつか例を挙げてみますと、
・ 父母
・ 上下
・ 左右
・ 強弱
・ 進退
・ 明暗
・ 利害
・ 遠近
などがあります。
ここで紹介した熟語を見て分かる通り、「対になる意味の漢字の組合せ」の二字熟語はたいへん見分けやすいので、よく押さえておきましょう!
➂ 主語と述語の関係
「主語と述語の関係」の二字熟語を解説する前に、その前提知識となる主語と述語について簡単に説明しておきます。
文の中で「は・が・も」などがついている部分が主語、その主語について「~だ」「~する」という部分が述語になります。
例えば「彼は走る」という文の場合、「彼は」が主語で「走る」が述語になります。
以上の説明をふまえた上で「主語と述語の関係」の二字熟語を見ていきましょう。
「地震」という熟語は「地が震える」という意味で、上の「地」が主語で下の「震」が述語の関係になっています。
同様に「日没」という熟語は「日が没する」という意味で、上の「日」が主語で下の「没」が述語の関係になっています。
他にもいくつか例を挙げてみますと、
・人造 (人が造る)
・国営 (国が営む)
・日照 (日が照る)
・頭痛 (頭が痛む)
・雷鳴 (雷が鳴る)
・公立 (公が立てる)
などがあります。
ここで紹介した熟語は、いずれも代表的な「主語と述語の関係」の二字熟語ですので、しっかり覚えておきましょう!
➃ 上の漢字が下の漢字を修飾
「上の漢字が下の漢字を修飾」している二字熟語を解説する前に、その前提知識となる修飾とは何かについて簡単に説明しておきます。
修飾とはある語句が別の語句を詳しく説明することです。
例えば「これはおもしろい本だ」という文において、「おもしろい」は「本」がどのような本であるかを詳しく説明しています。
つまり「おもしろい」が「本」を修飾しているわけです。
以上の説明をふまえた上で「上の漢字が下の漢字を修飾」している二字熟語を見ていきましょう。
「美人」という熟語は「美しい人」という意味で、上の「美」が下の「人」を修飾しています。
同様に「青空」という熟語は「青い空」という意味で、上の「青」が下の「空」を修飾しています。
他にもいくつか例を挙げてみますと、
・深海 (深い海)
・学者 (学ぶ者)
・親友 (親しい友)
・外国 (外の国)
・偉人 (偉い人)
・難問 (難しい問)
・大河 (大きな河)
などがあります。
ここで紹介した熟語は、いずれも代表的な「上の漢字が下の漢字を修飾」している二字熟語ですので、しっかり覚えておきましょう!
⑤ 上が動詞・下が目的語の関係
「上が動詞・下が目的語の関係」の二字熟語を解説する前に、その前提知識となる動詞と目的語について簡単に説明しておきます。
動詞とは「歩く」「話す」のような動作や存在を表し、ウ段の音で終わる言葉です。
また目的語とは「絵を見る」の「絵」や「文字を書く」の「文字」のように、動詞の目的となる(「~を」や「~に」の部分)語句のことです。
以上の説明をふまえた上で「上が動詞・下が目的語の関係」の二字熟語を見ていきましょう。
「読書」という熟語は「書を読む」という意味で、上の「読」が動詞で下の「書」が目的語の関係になっています。
同様に「投球」という熟語は「球を投げる」という意味で、上の「投」が動詞で下の「球」が目的語の関係になっています。
他にもいくつか例を挙げてみますと、
・洗顔 (顔を洗う)
・握手 (手を握る)
・作文 (文を作る)
・負傷 (傷を負う)
・登山 (山に登る)
・着席 (席に着く)
・乗車 (車に乗る)
などがあります。
ここで紹介した熟語は、いずれも代表的な「上が動詞・下が目的語の関係」の二字熟語ですので、しっかり覚えておきましょう!
YouTubeに『二字熟語の構成』についての詳しい解説動画を投稿していますので、↓のリンクからぜひご覧下さい!
⑥ 三字熟語のまとめ
ここまでは、二字熟語の構成について解説してきましたが、ここからは三字以上の熟語の構成について解説していきたいと思います。
ここでは、三字の熟語の構成について説明していきます。
(ⅰ) 上の一字が下の二字熟語を修飾
「大自然」や「初対面」はそれぞれ、「大+自然」「初+対面」というように、上の一字が下の二字熟語を修飾しています。
このような構成の三字熟語をいくつか挙げてみますと、
・公文書 (公+文書)
・新校舎 (新+校舎)
・都知事 (都+知事)
などがあります。
(ⅱ) 上の二字熟語が下の一字を修飾
「専門家」や「生物学」はそれぞれ、「専門+家」「生物+学」というように、上の二字熟語が下の一字を修飾しています。
このような構成の三字熟語をいくつか挙げてみますと、
・美術室 (美術+室)
・領収書 (領収+書)
・日用品 (日用+品)
などがあります。
(ⅲ) 二字熟語に接頭語・接尾語がつく
接頭語とは単語の頭に付く語で、否定の意味になる「不・無・非・未」や「御」などがあります。
一方の接尾語は単語の下に付く語で、「化・的・然・性」など上の語句に意味を添えるはたらきをします。
接頭語がついた三字熟語には↓のようなものがあります。
・不安定 (不+安定)
・無意味 (無+意味)
・非常識 (非+常識)
・未完成 (未+完成)
・御入用 (御+入用)
などがあります。
接尾語がついた三字熟語には↓のようなものがあります。
・細分化 (細分+化)
・国際的 (国際+的)
・可能性 (可能+性)
などがあります。
(ⅳ) 三つの漢字が対等に並んでいる
「衣食住」は「衣+食+住」であり、漢字が一字ずつ対等に並んでいる三字熟語です。
このような構成の三字熟語をいくつか挙げてみますと、
・松竹梅 (松+竹+梅)
・上中下 (上+中+下)
・市町村 (市+町+村)
などがあります。
⑦ 四字熟語のまとめ
三字の熟語の構成に続きまして、ここからは四字熟語の構成について説明していきます。
(ⅰ) 意味が似ている二字熟語の組合せ
「公明正大」や「自由自在」はそれぞれ、「公明=正大」「自由=自在」のように、意味が似ている二字熟語が重なってできている四字熟語しています。
このような構成の四字熟語をいくつか挙げてみますと、
・悪戦苦闘 (悪戦=苦闘)
・日進月歩 (日進=月歩)
などがあります。
(ⅱ) 反対の意味の二字熟語の組合せ
「質疑応答」や「一喜一憂」はそれぞれ、「質疑⇔応答」「一喜⇔一憂」のように、反対の意味の二字熟語が重なってできている四字熟語しています。
このような構成の四字熟語をいくつか挙げてみますと、
・大同小異 (大同⇔小異)
・竜頭蛇尾 (竜頭⇔蛇尾)
などがあります。
(ⅲ) 上の熟語が下の熟語にかかる
「終始一貫」や「油断大敵」はそれぞれ、「終始⇒一貫」「油断⇒大敵」のように、上の熟語が下の熟語にかかってできている四字熟語しています。
このような構成の四字熟語をいくつか挙げてみますと、
・永久不変 (永久⇒不変)
・用意周到 (用意⇒周到)
などがあります。
(ⅳ) 四つの漢字が対等に並んでいる
「春夏秋冬」は「春+夏+秋+冬」であり、漢字が一字ずつ対等に並んでいる四字熟語しています。
このような構成の四字熟語をいくつか挙げてみますと、
・東西南北 (東+西+南+北)
・前後左右 (前+後+左+右)
・起承転結 (起+承+転+結)
などがあります。
⑧『熟語の構成』の練習問題
↓に練習問題を載せていますので、チャレンジしてこの記事で学習した内容が身についたかどうか確認してみましょう!
【問】次の熟語と構成が同じものをア~エから選びましょう。
(1) 雷鳴
ア 学者、イ 豊富、ウ 利害、エ 地震
(2) 登山
ア 道路、イ 乗車、ウ 利害、エ 地震
解答は↓の通りです。
【解答】
(1)『雷鳴』は「雷が鳴る」なので「上が主語・下が述語の関係」
ア『学者』は「学ぶ者」なので「上の漢字が下の漢字を修飾する」
イ『豊富』は「似た意味の漢字の組合せ」
ウ『利害』は「対になる意味の漢字の組合せ」
エ『地震』は「地が震える」なので「上が主語・下が述語の関係」
よって正解は、エ 地震
(2)『登山』は「山に登る」なので「上が動詞・下が目的語の関係」
ア『道路』は「似た意味の漢字の組合せ」
イ『乗車』は「車に乗る」なので「上が動詞・下が目的語の関係」
ウ『外国』は「外の国」なので「上の漢字が下の漢字を修飾する」
エ『日没』は「日が没する」なので「上が主語・下が述語の関係」
よって正解は、イ 乗車
いかがだったでしょうか?すべて正解できたでしょうか?
もし間違えた問題がありましたら、しっかり復習しておきましょう。
記事のまとめ
以上『熟語の構成』について詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
記事のポイントを↓にまとめたので、ぜひご覧下さい。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。
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