今回は、小学校の算数で学習した「速さ・割合」と「面積の公式(台形・円)」について、押さえておきたいポイントをお伝えしていきます。
この記事でお伝えするポイントは、以下の通りです。
①「速さ・道のり・時間」のポイント
「速さ・道のり・時間」の単元で、押さえておかなければならない一番重要なポイント。
それは、速さとは単位時間(1時間、1分、1秒)あたりに進む距離ということです。
このことをきちんと理解しておくと、「速さ・道のり・時間」の公式もスムーズに理解できます。
ここで、「速さは単位時間あたりに進む距離」ということにもとづいて、「速さ」を求める公式について、詳しく見ていきましょう。
速さを求める公式である「速さ=道のり÷時間」とは、進んだ道のりを、かかった時間で割ることを示しています。
例えば、3時間で15㎞進んだとします。
公式に当てはめて速さを求めると、
15(㎞)÷3(時間)=5(㎞/時)
今、求めた時速5㎞が意味するのは、「1時間あたり5㎞進む」ということを意味しているのです。
まさしく、速さが単位時間(ここでは1時間)あたりに進む距離であることが、理解できると思います。
次に、道のりを求める公式を考えてみましょう。
道のりを求める公式である「道のり=速さ×時間」とは、進んだ道のりは、単位時間あたりに進む距離(速さ)にかかった時間をかけて求めることを意味しています。
例えば、時速30㎞で4時間進んだとします。
公式に当てはめて道のりを求めると、
30(㎞/時) 4(時間)=120(㎞)
これは、「1時間に30㎞進む速さで進むと、4時間で120㎞進む」ということを意味しています。
さらに、時間を求める公式を考えてみましょう。
時間を求める公式である「時間=道のり÷速さ」とは、進んだ道のりを、単位時間あたりに進む距離(速さ)で割ると、時間が求まることを意味しています。
例えば、100㎞の道のりを時速20㎞で進んだとします。
公式に当てはめてかかった時間を求めると、
100(㎞)÷20(㎞/時)=5(時間)
これは、「1時間に20㎞進む速さで進むと、100㎞進むのに5時間かかる」ことを意味しています。
このように、「速さの公式」だけではなく、「道のり」や「時間」に関する公式も、「速さは単位時間あたりに進む距離」ということにもとづいて考えると、理解を深めることができます。
②「割合」のポイント
次に、割合について押さえておくべきポイントです。
まず「割合とは、もとにする量を”1”としたときの、比べる量の大きさである」ということを理解しておく必要があります。
具体例を挙げてもう少し詳しく説明すると、500mlに対して150mlの割合は0.3です。
つまり、もとにする量である500mlを1としたとき、比べる量である150mlの大きさは0.3であるということです。
このように「割合とは、もとにする量を1としたときの、比べる量の大きさである」という基本を、きちんと理解しておくことが大切です。
理解を深めることで、割合の公式を利用した計算をスムーズに行えるようになります。
次に、百分率や歩合で表された値を、割合にきちんとなおすことができるようになっておく必要があります。
百分率とは割合に100をかけた値で、%という単位で表されます。
百分率で表した値を割合になおしたいなら、100で割ればよい(より具体的には小数点を2ケタ左に移動させる)のです。
具体的な例を挙げると、
70%なら0.7
40%なら0.4
5%なら0.05
25%なら0.25
ということになります。
また、歩合とは割合に10をかけた値で、「割・分・厘」という単位で表されます。
(※「分」は「割」の10分の1に大きさの単位で、「厘」は「分」の10分の1に大きさの単位です。)
歩合で表した値を割合になおしたいなら、10で割ればよい(より具体的には小数点を1ケタ左に移動させる)のです。
具体的な例を挙げると、
7割なら0.7
4割なら0.4
2割5分なら0.25
5分なら0.05
ということになります。
ここまで見てきた「速さ・道のり・時間」や「割合」の単元は、しっかりマスターしておきましょう。
そうでないと、中学1年で学習する「文字の式」や「方程式」の文章題でつまづいてしまいます。
自信がない人は、必ず春休み中にきちんと復習しておきましょう。
※YouTubeに『小学算数の速さ・割合』の復習ポイントについての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③台形と円の面積の求め方
小学校では、いろいろな図形の面積の求め方を学習してきました。
その中で「台形」と「円」の面積を求める公式を忘れてしまっている人が多いように思います。
(ⅰ)台形の面積の公式の求め方
まずは、台形の面積の公式について詳しく見ていきましょう。
台形の面積の公式は、
台形の面積 = (上底+下底)×高さ÷2
でした。
どうしてこのような公式になるのか、下の図を参考にしながら一緒に考えてみましょう。
②、まず、面積を求めたい台形と同じものを、もう1つ作成します。
↓
③、次に②の台形をひっくり返します。
↓
④、2つの台形をくっつけると、1つの大きな平行四辺形ができあがります。
ここで、④でできた大きな平行四辺形の面積を求めてみましょう。
この平行四辺形の底辺は、もともとの台形の上底(上側の辺)と下底(下側の辺)をたしたものになります。
よって、平行四辺形の面積は「(上底+下底)×高さ」で表すことができます。
さらに、面積を求めたかった台形は、平行四辺形の半分の大きさです。
よって、台形を求める公式は「台形の面積 = (上底+下底)×高さ÷2」となるのです。
(ⅱ)円の面積の公式の求め方
次に、円の面積を求める公式について見ていきたいと思います。
そこで、円の面積の公式を考える前に、まず「円周」と「円周率」について説明していきます。
「円周」とはその名の通り、円の周りの長さのことです。
では、「円周率」とは何なのか?
円周率とは、円の直径を何倍したら円周の長さになるのか、その値のことなのです。
それで円周を求める公式は、「円周 = 直径×円周率」で表されるのです。
円周を求める公式を頭に入れたうえで、円の面積を求める公式について、下の図を参考に一緒に考えて行きましょう。
①、まず、円を➀のように細かく切ります。
↓
②、➀で切ったものを、②のように並べていきます。
↓
③、➀で切った大きさより、もっと細かく切り刻み、それを②のように並べると、最終的に③のような長方形になります。
このとき、③の長方形の縦の長さは円の半径になり、横の長さは円周の半分の長さになります。
③の長方形の面積と円の面積は同じなので、
円の面積 = 半径×円周の半分
さらに、「円周 = 直径×円周率」だったので、
円の面積
= 半径×円周の半分
= 半径×直径×円周率÷2
上の式において、直径と÷2の部分を先に計算すると半径になるので、
円の面積
= 半径×円周の半分
= 半径×直径×円周率÷2
= 半径×半径×円周率
になり、見慣れた円の面積の公式の形になりました。
このように、なかなか記憶に定着しない面積の公式については、ただ丸暗記するのではなく、なぜそのような公式の形になるのかをしっかりと理解しましょう。
理解することで覚えることができますし、使いこなすことができるようにもなります。
※YouTubeに『小学算数・台形と円の面積の公式』の復習ポイントについての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
【動画】中学準備・算数「台形と円の面積の求め方を覚えておこう!」
記事のまとめ
以上、「速さ・割合」と「面積の公式(台形・円)」について紹介してまいりましたが、いかがだったでしょうか?
◎最後にもう1度、記事の中でのポイントをまとめてておくと…
・速さとは、時間(1時間、1分、1秒)あたりに進む距離のこと
・割合とは、もとにする量を”1”としたときの、比べる量の大きさである
・百分率や歩合で表された値を、割合にきちんとなおすことをマスターする
・面積の公式は、なぜそのような公式の形になるのかを理解する
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。
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