今回の記事は、中学国語で学習する『重箱読みと湯桶読み』について、詳しい解説とよく出題される熟語の紹介をやっていきたいと思います。
↓の3つのポイントを詳しく説明していきます。
音読みと訓読みの違いから1つ1つ丁寧に解説していきますので、国語の知識分野が苦手な中学生でも必ず理解できる内容になっています。
ぜひ最後までご覧下さい!
➀『音読み』と『訓読み』ってなに?
『重箱読み』『湯桶読み』を説明する前に、まず『音読み』『訓読み』について理解しておきましょう。
例えば『水』という漢字は
➀ スイ (※水泳など)
② みず (※水浴びなど)
と読みますよね。
➀「スイ」と②「みず」のどちらが『音読み』で、どちらが『訓読み』か分かりますか?
よく言われる音読み・訓読みの見分け方は、
・『音読み』は音だけでは意味が分からない読み方
・『訓読み』は音だけで意味が分かる読み方
というものです。
この見分け方に従えば、➀「スイ」は音だけでは意味が分からないので『音読み』、②「みず」は音だけで意味が分かるので『訓読み』と言えますね。
ここからは、
➀ 漢字にはなぜ『音読み』と『訓読み』の2通りの読み方があるのか?
②『音読み』の音は意味が分からないのに、『訓読み』の音はなぜ意味が分かるのか?
について少し詳しく説明していきたいと思います。
(ⅰ)『音読み』とは?
まずは『音読み』から解説していきますね。
そもそもの話、漢字は日本でできた文字ではありません。
漢字は中国でつくられた文字で、それが古代の日本に伝えられました。
このように漢字は中国の文字なので、当然ですがもともとは中国語で読まれます。
そしてすごくおおざっぱに説明すると、漢字を中国語読みしたものが『音読み』だと言えます。
このように『音読み』が中国語読みということが分かると、『音読み』だと意味が分からない理由も理解できると思います。
中国語読みの音読みだと、日本人には意味が分からないということです。
(ⅱ)『訓読み』とは?
続いて『訓読み』について解説していきます。
先ほど説明した通り、漢字は中国から日本に伝わったものでした。
そして漢字が伝わる前から、日本では日本語が使われていました。
やがて伝わってきた漢字を、意味が同じ日本語で読むようになりました。
このように漢字を『意味が同じ日本語』に当てはめて読んだのが『訓読み』です。
ここまで説明を読んでもなかなかイメージしづらいと思いますので、具体例を挙げてもう少し詳しく説明してみますね。
古代の日本人が「高く盛り上がった地形」のことを『やま』と呼んでいたとします。
しばらく時が経ったのち、中国から『山』という漢字が伝わってきます。
また『山』という漢字は、中国では『サン』と読まれていました。
そして、日本に伝わってきた『山』という漢字が、日本語の『やま』と同じ意味であることが判明します。
そこで日本人は、『山』という漢字を同じ意味の日本語である『やま』と読んだり、中国の読み方である『サン』と読んだりするようになります。
お分かりだとは思いますが、『やま』が訓読みで『サン』が音読みになります。
ここまでの説明で、なぜ訓読みだと音だけで意味が分かるのかご理解いただけたと思います。
漢字を日本語で読んでいるから、訓読みの音は日本人には意味が分かるということです。
以上で『音読み』と『訓読み』の解説はおしまいです。
ここから先は『重箱読み』と『湯桶読み』の解説になりますので、引き続きご覧下さい。
②『重箱読み』と『湯桶読み』ってなに?
『重箱読み』と『湯桶読み』は、ともに熟語の読み方の種類であり、そもそも熟語には4通りの読み方があります。
基本となる熟語の読み方は
①音読み+音読み
②訓読み+訓読み
の2つです。
①の『音+音』の例を挙げると、
・読書 (ドクショ)
・晴天 (セイテン)
・森林 (シンリン)
などがあります。
一方、②の『訓+訓』の例を挙げると、
・青空 (あおぞら)
・手紙 (てがみ)
・長袖 (ながそで)
などがあります。
そして熟語の音の組合せが、『音読み+訓読み』であるものが『重箱読み』で、『訓読み+音読み』であるものが『湯桶読み』になります。
ここまで説明した熟語の4通りの読み方を↓にまとめると、
①音読み+音読み
②訓読み+訓読み
③音読み+訓読み ⇒『重箱読み』
④訓読み+音読み ⇒『湯桶読み』
ということになります。
ここからは、『重箱読み』と『湯桶読み』の熟語にはどのようなものがあるかについて、詳しく説明していきますね。
(ⅰ)『重箱読み』の熟語
『重箱読み』は『音読み+訓読み』の熟語の読み方でしたね。
『重(ジュウ)』が『音読み』、『箱(ばこ)』が『訓読み』なので、『音+訓』を『重箱読み』と言います。
重箱読みの熟語をいくつか挙げると…、
・仕事:シ(音)+ごと(訓)
・粗品:ソ(音)+しな(訓)
・職場:ショク(音)+ば(訓)
・雑木:ゾウ(音)+き(訓)
などがあります。
(ⅱ)『湯桶読み』の熟語
『湯桶読み』は『訓読み+音読み』の熟語の読み方でしたね。
『湯(ゆ)』が『訓読み』、『桶(トウ)』が『音読み』なので、『訓+音』を『湯桶読み』と言います。
湯桶読みの熟語をいくつか挙げると…、
・梅酒:うめ(訓)+シュ(音)
・親分:おや(訓)+ブン(音)
・雨具:あま(訓)+グ(音)
・消印:けし(訓)+イン(音)
などがあります。
※YouTubeに「重箱読みと湯桶読み」の解説動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
➂ よく出題される『重箱読み』と『湯桶読み』の熟語
ここからは、定期テストなどによく出題される『重箱読み』『湯桶読み』の熟語を紹介していきますね。
それぞれ10個ほど紹介しますので、しっかり覚えましょう!
(ⅰ)よく出題される『重箱読み』の熟語
まずは、よく出題される『重箱読み』の熟語を↓に挙げていきますね。
① 味方:ミ(音)+かた(訓)
② 毎朝:マイ(音)+あさ(訓)
③ 番組:バン(音)+ぐみ(訓)
④ 残高:ザン(音)+だか(訓)
⑤ 額縁:ガク(音)+ぶち(訓)
⑥~⑧は『音読み』の部分に注意が必要な重箱読みの熟語です
⑥ 台所:ダイ(音)+どころ(訓)
※台「ダイ」は音読みなので注意!
⑦ 客間:キャク(音)+ま(訓)
※客「キャク」は音読みなので注意!
⑧ 本箱:ホン(音)+ばこ(訓)
※本「ホン」は音読みなので注意!
※『本棚(ホンだな)』も「重箱読み」です
⑨⑩は『訓読み』の部分に注意が必要な重箱読みの熟語です
⑨ 役場:ヤク(音)+ば(訓)
※場「ば」は訓読みなので注意!
※『職場(ショクば)』も「重箱読み」です
⑩ 楽屋:ガク(音)+や(訓)
※屋「や」は訓読みなので注意!
※『本屋(ホンや)』も「重箱読み」です
(ⅱ)よく出題される『湯桶読み』の熟語
続いて、よく出題される『湯桶読み』の熟語を↓に挙げていきますね。
① 合図:あい(訓)+ズ(音)
② 雨具:あま(訓)+グ(音)
③ 荷物:に(訓)+モツ(音)
④~⑧は『音読み』の部分に注意が必要な重箱読みの熟語です
④ 手本:て(訓)+ホン(音)
※本「ホン」は音読みなので注意!
⑤ 高台:たか(訓)+ダイ(音)
※台「ダイ」は音読みなので注意!
⑥ 豚肉:ぶた(訓)+ニク(音)
※肉「ニク」は音読みなので注意!
⑦ 敷金:しき(訓)+キン(音)
※金「キン」は音読みなので注意!
⑧ 白菊:しら(訓)+ギク(音)
※菊「キク」は音読みなので注意!
⑨⑩は『訓読み』の部分に注意が必要な重箱読みの熟語です
⑨ 夕刊:ゆう(訓)+カン(音)
※夕「ゆう」は訓読みなので注意!
⑩ 相性:あい(訓)+ショウ(音)
※相「あい」は訓読みなので注意!
※YouTubeに「よく出る!重箱読みと湯桶読み」の解説動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上『重箱読みと湯桶読み』の解説と覚え方を詳しく見てきましたが、いかがだったでしょうか?
記事のポイントを↓にまとめたので、ぜひご覧下さい。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。
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