今回は、中学2年の単元である「一次関数」で学習する「変化の割合」について、記事を書いていきたいと思います。
中学1年で学習した「比例・反比例」を忘れたという中学生は、学習の前にコチラで復習しておいてください!→「中1比例・反比例の記事一覧」
今回の記事では、
「変化の割合ってなに?」
「変化の割合の求め方がよくわからない」
「yの増加量を求める問題がよくわからない」
という中学生に、基本的な例題をもとにわかりやすく丁寧に解説しています。
この記事では、「変化の割合」について、以下の5つのポイントを詳しく説明しています。
この記事を読んで、「変化の割合」について、しっかり理解しましょう!
①「変化の割合」ってなに?
そもそも「変化の割合」って、何かわかりますか?
一言で言うと…、
「変化の割合」とは、xが1増えるときのyの増える量(増加量)
のことです。
これだけでは、何のことかよくわからないですよね…(^^;
ですので、次の「変化の割合」の求め方の解説を通して、より具体的に説明します。
今はとりあえず「変化の割合」とは「xが1増えるときのyの増える量(増加量)」ということだけ頭に入れておいてください。
②「変化の割合」の求め方
それでは「変化の割合」の求め方について見ていきましょう。
一次関数 y=2x+1で、xの値が2から5に増えたときの「変化の割合」を求めてみたいと思います。
x=2のとき、y=5
x=5のとき、y=11
ですので、下の表のようになります。
このとき表にかき込んである通り、xの値は2から5に増えるので、「xの増加量」は+3になります。
一方、yの値は5から11に増えるので、「yの増加量」は+6になります。
ここでもう一度「変化の割合」は何だったか思い出すと…、
「変化の割合」とは、xが1増えるときのyの増える量(増加量)
でしたよね。
この問題では、xが+3増えて、yが+6増えています。
では、xが1増えたらyはどれだけ増えるでしょうか?
yの増加量である+6を、xの増加量+3で割れば求めることができますよね。
ということは…、
:
そう!! xが1増えたらyは2増えますよね。
よって一次関数 y=2x+1で、xの値が2から5に増えたときの変化の割合は”2″ということになります。
上で求めたように、「変化の割合」は
で求めることができます。
xが1増えたときのyの増加量が「変化の割合」なので、「yの増加量」を「xの増加量」で割ると「変化の割合」を求めることができます。
求める式を丸暗記するのではなく、理屈もしっかり覚えておきましょうね!
では変化の割合を求める練習をしておきましょう。
一次関数 y=3x+5で、xの値が1から4まで変わるときの変化の割合を求めましょう。
x=1のとき、y=8
x=4のとき、y=17
ですので、下の表のようになります。
表に書いてある通り、xの増加量は+3でyの増加量は+9ですので、
9÷3=3
よって変化の割合は”3″ということになります。
③「一次関数」と「変化の割合」の関係
ここからは、「一次関数」と「変化の割合」の関係について詳しく説明していきたいと思います。
②「『変化の割合』の求め方」にて、2つの一次関数について「変化の割合」を求めましたね。
もう一度思い出してほしいのですが、
一次関数 y=2x+1で、xの値が2から5まで変わるときの「変化の割合」は”2″でした。
また一次関数 y=3x+5で、xの値が1から4まで変わるときの「変化の割合」は”3″でした。
ここから何か気付くことはありませんか?
:
そう、一次関数 y=ax+bの”a“の値と、「変化の割合」の値が同じになっていますよね!
・一次関数において「変化の割合」は、
①「変化の割合」は一定である。
②「変化の割合」は、 y=ax+bの”a“に等しくなる。
という2つのことが言えるのです。
なぜ以上2つのことが言えるのかを、簡単に説明したいと思います。
まず一次関数 y=4x+3について、下の表をご覧下さい。
ご覧の通り、xが1増えるごとに、yはy=ax+bの“a“の値である”4″ずつ増えています。
つまり一次関数y=ax+bでは、「xが1増えるとyの値は”a“ずつ増える」ということです。
ですので一次関数における変化の割合は一定であり、一次関数における変化の割合は”a“と等しくなります。
④「yの増加量」の求め方
ここでは「yの増加量」を求める問題について、説明していきたいと思います。
次のような問題を考えてみましょう!
「一次関数 y=3x-2で、xの増加量が5のとき、yの増加量を求めましょう。」
上の表のように、xが+5増えるとき、yはいくつ増えるか求める問題です。
ここで、y=3x-2であることから、変化の割合が”3″であることがわかりますよね。
変化の割合が”3″ということは、「xが”1″増えると、yが”3″増える」ということです。
つまり「xが”1″増えると、yが”3″増える」とき、「xが”5″増えたら、yはどれだけ増えるか」を求める問題なのです。
上の図も参考にして欲しいのですが、「yの増加量」を求めたいのなら、+3を5倍すればいいですよね。
よって、yの増加量は”15″になります。
この問題において、「yの増加量」は「変化の割合」である”3″に「xの増加量」である”5″をかけることで求めることができました。
つまり「yの増加量」は、
で求めることができます。
yの増加量を求めるこの式も、ただ丸暗記するのではなく、理屈をしっかり覚えておきましょう。
⑤「変化の割合」練習問題
では最後に、この記事で学習したことを次の問題で練習してみましょう。
<練習問題>
・一次関数 y=5x+2について、次の問題に答えましょう。
➀、xが2から6に変化したときの、変化の割合を求めましょう。
②、xの増加量が”7″のときの、yの増加量を求めましょう。
➀の解答・解説
一次関数において変化の割合はy=ax+bの”a“なので、答えは”5″になります。
ですが、ここではあえてxが2から6に変化するときの、xとyの増加量を求めてから、変化の割合を求めてみましょう。
x=2のとき、y=12
x=6のとき、y=32
よって、下の表のとおりになります。
xが2から6に変化するとき、xの増加量は+4。
一方、yが12から32に変化するとき、yの増加量は+20。
変化の割合は、「yの増加量」を「xの増加量」で割れば求めることができたので、
20÷4=5
よって、xが2から6に変化するときの変化の割合は”5″。
②の解答・解説
一次関数 y=5x+2なので、変化の割合は常に”5″になります。
つまり、xの増加量が”1″のとき、yの増加量は”5″ということです。
では、xの増加量が”7″のとき、yの増加量はどれだけでしょうか?
「xが”1″増えると、yが”5″増える」とき、「xが”7″増えたら、yはどれだけ増えるか」を求める問題と考えると、
上の図の通り、変化の割合でもある”+5″に7をかけると「yの増加量」を求めることができます。
よって、
5×7=35
なので、xの増加量が”7″のとき、yの増加量は”35″となります。
※YouTubeに「変化の割合を求める」問題についての解説動画を投稿していますので、ぜひ↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
・今回の記事のポイントをまとめると…
①「変化の割合」とは、xが”1″増えるときの「yの増加量」のこと
②「変化の割合」は「yの増加量」を「xの増加量」で割ると求めることができる
③一次関数 y=ax+bでは、変化の割合は一定である。
④一次関数 y=ax+bでは、変化の割合は”a“と等しくなる。
⑤「yの増加量」は、[変化の割合]×[xの増加量]で求めることができる
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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