今回は、中3数学の「平方根」で学習する「根号(√)のかけ算」のやり方について、記事を書いていきたいと思います。
この記事は、
「そもそも平方根とか根号ってなに?」
「根号のかけ算のやり方がわからない…」
という中学生に、基本からわかりやすく丁寧に解説しています。
基本問題も載せていますので、ぜひご覧下さい。
この記事では、次の4つの内容について詳しく説明しています。
① 平方根ってなに?
この記事を読んで、根号のかけ算のやり方をしっかり理解しましょう!
①平方根ってなに?
まずはじめに、そもそも「平方根とは何か」ということを説明していきますね。
一言で説明すると…、
「2乗してある数aになる数のことをaの平方根」
といいます。
これだけでは、何のことだから全然イメージできませんよね…。
そこで具体例として、25の平方根について考えてみましょう。
「25の平方根」とは2乗して25になる数です。
ということは…、
そう、“5”ですよね!
あともう1つ、2乗したら25になる数があるのですが、思いつきますか?
:
そう、“-5”ですね。
-5も2乗したら25になりますよね。
(-5)²
=(-5)×(-5)
=25
よって、25の平方根は+5と-5になります。
+5と-5の2つをあわせて、±5(プラスマイナス5)と表すことができます。
②ルート(根号)を使って平方根を表す
では次に、平方根がすぐに求められない数について考えてみましょう。
さっそくですが、7の平方根を考えてみましょう。
2乗して7になる数って、わかりますか?
整数ではないので、思いつかないですよね…。
このようなときに使うのが、”√”です。
“√”は”ルート(根号)”といいます。
7の平方根は、このルート(根号)を使って、
と表すことができます。
さらに-(マイナス)のときも7の平方根なので、答えは、
になりますね。
このように、平方根がすぐに求められない数aの平方根は、
と表すことができます。
では練習に、10の平方根を√(根号)を使って表してみましょう。
答えは…
ですよね。
ここからは、記事の最初に考えてみた“25”の平方根を√(根号)で表してみましょう。
25の平方根を√(根号)を使って表すと、
また、25の平方根は“±5”でしたよね。
ということは…、
と言えます。
もう少し詳しく書けば、
ということになります。
これを一般化すると、
ということになります。
√(根号)の数を整数になおす練習をしてみましょう。
次のような√(根号)の数を整数になおすと…、
となります。
√(根号)の数は、はじめのうちは違和感があるかもしれません。
しかし、慣れると普通になってくるので、慣れるまでくり返し練習しましょうね!
③ルート(根号)のかけ算のやり方
ここからは、ルートのかけ算のやり方について説明していきたいと思います。
順を追って丁寧に解説していますので、1つ1つしっかり理解していって下さい!
(ⅰ)√(根号)のかけ算の基本
ルートどうしのかけ算は、次のようにルートの中で計算します。
では上のやり方を使って、実際に次の計算問題を解いてみましょう。
(1) √5 × √7
(2) √3 × √10
・答えは以下の通りです。
(1) √5 × √7
(2) √3 × √10
(ⅱ)√(根号)の中を簡単にする方法
続いて、√(根号)の中を簡単にする方法を説明したいと思います。
√50について、√(根号)の中を簡単にしたいと思います。
”50=25×2″なので、
50=5²×2
ですよね。
よって、
ここで、√5²=5なので、
つまり、
√50=5√2
となります。
このように”□×√△”は、×の記号を省略して□√△と表します。
以上の内容を、文字aとbを使って一般化すると、
となります。
・では、次の根号の中を簡単にしてみましょう。
(1) √12
(2) √45
答えは以下の通りです。
(1) √12=√2²×3
=√2²×√3
=2×√3
=2√3
(2) √45=√3²×5
=√3²×√5
=3×√5
=3√5
ちなみに計算したルートの中は、できるだけ簡単にして答えないといけないので、注意しましょうね!
(ⅲ)素因数分解を使ってルートの中を簡単にする
今度は、素因数分解を使ってルートの中を簡単にする方法について、説明したいと思います。
√180を例にルートの中を簡単にしてみますね。
ちなみに「素因数分解」とは、すべて素数のかけ算にすることです。
「素数」とは、2、3、5、7、11のような、1とその数自身以外では割れない数のことです。
それでは、√(根号)の中の180を素因数分解してみましょう。
素因数分解は下の図のように、小さい素数で順番に割っていき、割られる数が素数になるまでわり算を続けます。
すると180は、
180=2²×3²×5
になりますね。
よって、√180のルートの中を簡単にしていくと、
√180=√2²×3²×5
=√2²×√3²×√5
=2×3×√5
=6×√5
=6√5
となりますね。
このように、素因数分解を使うと機械的に√(根号)の中を簡単にできます。
ぜひ活用してみて下さい!
↓に根号の中を簡単にする問題が載った画像がありますので、ぜひチャレンジしてみて下さい!
解答は↓にあります。
どうでしたか?すべて正解することができましたか?
間違えた問題は、しっかり復習しておきましょう!
(ⅳ)ルート内を簡単にして計算するルートのかけ算
ここでは、少し工夫が必要な√(根号)のかけ算について説明していきますね。
次のような√(根号)のかけ算について、考えてみましょう。
√8×√63
√(根号)の8と63をかけて√504として、√(根号)の504を簡単にしていってもいいのですが、ちょっと面倒ですよね…。
そこでもう一度式を見てみると、かけ算している√8と√63はともに√(根号)内を簡単にできますよね。
√8=√2²×2
=√2²×√2
=2×√2
=2√2
√63=√3²×7
=√3²×√7
=3×√7
=3√7
さきほどの√(根号)のかけ算について、√8と√63を簡単にしてから計算してみましょう。
√8×√63
=2√2×3√7
√(根号)の外に出た2と3をかけて6。
√(根号)の中の√2と√7をかけて√14。
よって、
√8×√63
=2√2×3√7
=6√14
このように、かけ算するそれぞれの数が√(根号)の中を簡単にできるときは、√の中を簡単にしてからかけ算すると、楽に計算できます!
では、一問だけ類似の問題にチャレンジしてみましょう。
(問) √12×√50
答えは以下の通りになります。
√12=√2²×3
=√2²×√3
=2×√3
=2√3
√50=√5²×2
=√5²×√2
=5×√2
=5√2
よって、
√12×√50=2√3×5√2
=2×5×√3×√2
=10√6
④ ルート(根号)のかけ算が成り立つ理由
では最後に、√(根号)のかけ算が成り立つ理由について説明しようと思います。
「√(根号)のかけ算のやり方さえわかればいい」という中学生は、無理に理解しなくても大丈夫ですので、興味がある方は読み進めて下さい。
それでは、√(根号)のかけ算が成り立つ理由について、次のかけ算を用いて解説したいと思います。
√5×√7=√35
まず左辺” √5×√7”を2乗すると、
(√5×√7)²
=(√5×√7)×(√5×√7)
=√5×√7×√5×√7
=√5×√5×√7×√7
=5×7
=35
左辺を2乗すると、35になることがわかりました。
一方、右辺の√35も2乗すると、35になります。
正の数どうしでは、2乗して等しいものはもとの数も等しいです。
(例)
□、△ともに正の数とします。
□²=△²
であるとき、
□=△
であるといえます。
よって、左辺” √5×√7”と右辺の√35は等しいと言えます。
つまり、√(根号)のかけ算は、√内でかけ算することが正しい計算方法であることが確認できたことになります。
記事のまとめ
以上、中3数学で学習する「√(根号)のかけ算」について詳しく説明してきました。 いかがだったでしょうか?
・この記事の内容をまとめると…
「平方根」について、2乗してある数aになる数がaの平方根でした。
また7や10のように平方根を簡単に表せないものについては、√(根号)を使って表しました。
さらに√(根号)のかけ算について、以下のように計算しました。
√(根号)の中を簡単にする方法について、以下のように計算しました。
「素因数分解」を使うと、機械的に√(根号)の中を簡単にすることも解説しましたね。
次のような√(根号)のかけ算は、まずかけられているそれぞれの√の中を簡単にしてから計算しました。
√8×√63
=2√2×3√7
=6√14
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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