今回の記事は中3数学「平方根」で学習する、根号の数のたし算のやり方について解説していきたいと思います
根号の数のかけ算とたし算のやり方を、混同してしまう中学生が多いので、この記事を読んで根号のかけ算とたし算の違いをよく理解しておきましょう!
この記事では、以下の4つのポイントを解説しています。
この記事を読んで、根号の数のたし算のやり方をしっかり理解しましょう!
①根号の数のたし算は、文字式のたし算と同じ?
↓の例題を使って、根号の数のたし算のやり方について詳しく説明していきたいと思います。
(例)
3√3+5+2√3+4
根号の数のたし算は、根号内が同じものどうしのみ計算することができます。
例題の場合ですと、3√3と2√3が根号内が同じ”3″ですよね。
この場合、根号の数の部分は↓のように計算することができます。
3√3+2√3=5√3
この計算を見て「似たような計算をしたことがあるなぁ」と思った人。
たいへん鋭いです!!
実は根号のたし算は、文字式のたし算とよく似ているのです。
例えば、↓のような文字式のたし算を計算すると…
3a+2a=5a
のように、文字aの前の数(係数という)をたし算して、答えを出しました。
さらに文字式のたし算では、文字の項と数の項は計算できませんでしたよね。
(例)
3a+5+2a+4
=3a+2a+5+4
=5a+9【答】
これと同じように、根号の数のたし算でも、根号の数とそうではない数を計算することはできないので注意しましょう。
以上のことをふまえて、先ほどの例題を計算すると↓のようになります。
3√3+5+2√3+4
=3√3+2√3+5+4
=5√3+9【答】
つづいて、↓の根号のたし算を計算してみましょう!
(例)√3+2√3
√3の前に数がないので、どう計算していいか悩みますよね。
そこでこの計算も、文字式のたし算を使って考えてみましょう。
(例)a+2a
この場合、aの前に係数”1″があると考えましたよね。
よって、
a+2a=3a【答】
となります。
これと同様に、先ほどの根号のたし算も√3の前に”1″があると考えて、
√3+2√3=3√3
のように計算します。
今度は、↓の根号の数のたし算を計算してみましょう!
(例)
2√5+√2+3√2+4√5
√5の項と√2の項があるので、ちょっと困りますよね。
そこでこの計算も、文字式のたし算を使って考えてみましょう。
(例)2a+b+3b+4a
この場合、aの項とbの項は別々にたし算して、計算しましたよね。
よって、
2a+b+3b+4a
=2a+4a+b+3b
=6a+4b【答】
これと同様に、先ほどの根号のたし算も、根号の中の数が異なるものは別々にたし算します。
2√5+√2+3√2+4√5
=2√5+4√5+√2+3√2
=6√5+4√2【答】
以上が根号のたし算のやり方の基本です。
根号のかけ算は、根号の中の数が異なっても、↓のように根号の中でかけ算することができました。
しかし、根号のたし算の場合、根号の中の数が異なるものは計算できないので注意しましょう!
(例)√5+√7
※↑はこれ以上、計算できない!
②根号の中を簡単にして、たし算する問題
ここからは、工夫して計算する根号のたし算について説明していきたいと思います。
まずは↓の例題をご覧下さい。
(例)
√20+3√5
一見すると、√20と√5は根号の中の数が異なるので、計算できなさそうです。
しかし、√20は↓のように根号の中身を簡単にできましたよね。
よって、以下のように計算することができます。
√20+3√5
=2√5+3√5
=5√5【答】
このように、一見するとたし算できないように思われても、根号の中を簡単にするとたし算できる場合もありますので、気を付けて取り組みましょう!
YouTubeに「根号の数のたし算」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③有理化して、たし算する問題
次も、工夫して計算する根号のたし算の問題です。
今度は、有理化して根号のたし算をしていく問題の解き方について、解説していきたいと思います。
↓の例題をご覧下さい。
この問題は、このままではたし算できません。
ここで、↓のように分母の根号を有理化してみましょう。
すると、先ほどの例題を次のように計算していくことができます。
以上の通り、一見するとたし算できないように思われても、分母の根号を有理化するとたし算できる場合もありますので、気を付けて取り組みましょう!
YouTubeに「分母の有理化」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
④ 根号のたし算は、なぜ根号内でたし算できないのか?
最後に、根号のたし算が根号内でたし算できない理由について、説明していきたいと思います。
根号のかけ算は、↓のように根号内でかけ算することができましたよね。
YouTubeに「根号のかけ算が根号内でかけ算できる理由」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
しかし、根号のたし算は根号内でたし算することができません!
このことが成り立たない理由について、
↑の式が成立しないことを確認することで、明らかにしてみたいと思います。
では、具体的な確認のやり方について、詳しく見ていきましょう。
□と△という数があるとします。
□も△も正の数で□²=△²ならば、□=△が成り立ちます。
ここでは、↑の式の左辺の2乗と右辺の2乗が等しくないことを示すことで、式が成り立たないことを確認していきたいと思います。
まず、左辺を2乗してみましょう。
次に、右辺を2乗してみましょう。
(√□)²=□ということを利用して、計算をしていきます。
以上のように、
(左辺)²=12+2√35
(右辺)²=12
ということになり、
が成り立たないことを確認することができました。
以上のことより、根号のたし算では根号内ではたし算できないことが分かりました。
YouTubeに「根号のたし算が根号内でたし算できない理由」の解き方についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中3数学で学習する「根号の数のたし算」について詳しく説明してきましたがいかがだったでしょうか?
この記事の内容をまとめると…
① 根号の数のたし算のやり方は文字式のたし算のやり方と同じ
(ⅰ) 2√3+3+4√3+1
=2√3+4√3+3+1
=6√3+4
(ⅱ) √5+2√5
=3√5
(ⅲ) 5√3+√2+2√3+3√2
=5√3+2√3+√2++3√2
=7√3+4√2
② 工夫してから根号のたし算を行うパターンの問題
(ⅰ) 根号の中を簡単にしてから、根号のたし算を行う
(ⅱ) 分母の根号を有理化してから、根号のたし算を行う
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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