今回は、中1数学「正の数・負の数」においての「正負の数の減法(ひき算)」を取り上げてみたいと思います。
前回取り上げた「正負の数の加法」の次につまづいてしまう人が多いのが、この「正負の数の減法」です。
よく理解できていない人はこの記事を読んで、早めにマスターしましょう!
今回の内容は、以下の通りです。
①正負の数の減法(ひき算)は加法(たし算)になおす!
前回、正負の数の加法について、たくさんの問題演習を行いました。
それで、正負の数の加法の計算はできるようになったと思います。
今回の正負の数の減法は、加法になおして計算します。
よって、減法を加法になおす方法さえ理解できれば、前回覚えた加法の方法で減法も計算することができます。
では、どうやって減法を加法になおすのか?
その方法を、順を追って説明していきたいと思います。
②反対の性質を持つ量を正負の数で表す
減法を加法になおす方法を理解するため、最初に反対の性質を持つ量を、正負の数で表すことについて見ていきましょう。
例えば、「+10㎏軽い」を内容を変えずに「重い」という言葉を使って表す場合を考えてみましょう。
+10㎏軽い → ( )重い
「軽い」を「重い」のような反対の性質を表す言葉に変えて、内容が変わらないようにするためには、どうすればよいか?
数の符号を逆にすればよいのです!
この例だと、次のように表せばよいことになります。
+10㎏軽い → -10㎏重い
では、「+10㎏重い」を内容を変えずに「軽い」という言葉を使って表す場合、どうなるでしょうか?
+10㎏重い → ( )軽い
先ほどの例より、少し難しく感じるかもしれません。
まず、「重い」が「軽い」という反対の性質を表す言葉に変わることに注目しましょう。
反対の意味の言葉を使って、同じ内容を表現するためにはどうしたらよいか?
そう、数の符号を逆にしなければなりません。
よって、以下のように表せばよいことになります。
+10㎏重い → -10㎏軽い
それでは、理解をより深めるために、次にもう少し練習をしてみましょう
③「正負の数で量を表すこと」の練習問題
ここでは、先ほど説明した「正負の数で量を表すこと」の練習問題をやっていきたいと思います。
以下の問題にチャレンジしてみて下さい。
(1) +500円の借金(内容を変えずに「貯金」を使って表す)
(2) +500円の貯金(内容を変えずに「借金」を使って表す)
(3) -500円の貯金(内容を変えずに「借金」を使って表す)
(4) -500円の借金(内容を変えずに「貯金」を使って表す)
それでは、(1)~(4)の解説をしていきます。
(1)は内容を変えずに、「借金」を反対の意味の「貯金」に変えて表さないといけないので、数の符号を逆にします。
よって、答えは「+500円の借金 → -500円の貯金」となります。
(2)も内容を変えずに、「貯金」を反対の意味の「借金」に変えて表さないといけないので、数の符号を逆にします。
よって、答えは「+500円の貯金 → -500円の借金」となります。
(3)も内容を変えずに、「貯金」を反対の意味の「借金」に変えて表さないといけないので、数の符号を逆にします。
よって、答えは「-500円の貯金 → +500円の借金」となります。
(4)も内容を変えずに、「借金」を反対の意味の「貯金」に変えて表さないといけないので、数の符号を逆にします。
よって、答えは「-500円の借金 → +500円の貯金」となります。
④正負の数のひき算をたし算をなおしてみよう!
では、実際に正負の数のひき算をたし算になおしてみましょう。
(ⅰ)正の数をひく計算について
(+5)-(+4)をたし算になおす場合を例に、考えてみます。
(+5)-(+4)を言葉で表すと「(+5)から(+4)をひく」となります。
計算の内容を変えずに、この「ひく」という言葉を「たす」に変えるには、どうすればよいか?
それは、数の符号を逆にすればよいのです!
すると「(+5)から(+4)をひく」は、「(+5)に(-4)をたす」と表しなおすことができます。
計算式で表すと、”(+5)-(+4)”を”(+5)+(-4)”と表しなおせています。
つまり、減法(ひき算)を加法(たし算)になおすことができています。
よって正の数をひくことは、負の数をたすことと同じであることが分かります。
(ⅱ)負の数をひく計算について
次に上と同様に、(+5)-(-4)をたし算になおす場合を例に、考えてみます。
(+5)-(-4)を言葉で表すと「(+5)から(-4)をひく」となります。
計算の内容を変えずに、この「ひく」という言葉を「たす」に変えるには、数の符号を逆にすればよかったですよね。
「(+5)から(-4)をひく」は、「(+5)に(+4)をたす」と表しなおすことができます。
計算式で表すと、”(+5)-(-4)”は”(+5)+(+4)”と表しなおせています。
つまり、減法(ひき算)を加法(たし算)になおすことができています。
これより、負の数をひくことは、正の数をたすことと同じであることが分かります。
⑤「正負の数の減法(ひき算)」の練習問題
それでは最後に、さらに理解を深めるため、正負の数の減法の練習問題をやっていきたいと思います。
以下の問題にチャレンジしてみて下さい。
(1) (+10)-(+5)
(2) (+10)-(-5)
(3) (-10)-(+5)
(4) (-10)-(-5)
それでは、(1)~(4)の解説をしていきます。
(1)の(+10)-(+5)を加法になおすとどうなるでしょう。
正の数をひくことは負の数をたすことと同じなので、(+10)+(-5)になります。
よって、正解は+5。
(2)の(+10)-(-5)を加法になおすとどうなるでしょう。
負の数をひくことは正の数をたすことと同じなので、(+10)+(+5)になります。
よって、正解は+15。
(3)の(-10)-(+5)を加法になおすとどうなるでしょう。
正の数をひくことは負の数をたすことと同じなので、(-10)+(-5)になります。
よって、正解は-15。
(4)の(-10)-(-5)を加法になおすとどうなるでしょう。
負の数をひくことは正の数をたすことと同じなので、(-10)+(+5)になります。
よって、正解は-5。
※YouTubeに「正負の数の減法(ひき算)」についての詳しい解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきます。
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