中学社会の歴史で学習する「江戸時代」。
江戸時代、幕府が行った改革として「享保の改革」「寛政の改革」「天保の改革」の3つを学習します。
今回この3つの改革について、ゴロ合わせによる覚え方を中心に、詳しく説明していきたいと思います。
◎この記事でお教えする内容は、以下の通りです。
①江戸の三大改革の覚え方
ではさっそく、江戸の三大改革について詳しく見ていきましょう!
江戸の三大改革とは、
①1716~45年に、八代将軍 徳川吉宗によって行われた『享保の改革』
②1787~93年に、老中 松平定信によって行われた『寛政の改革』
③1841~43年に、老中 水野忠邦によって行われた『天保の改革』
の3つを指します。
この3つの改革にプラスして、覚えておく必要があるのが、
◎1767~86年に、老中 田沼意次によって行われた『田沼意次の政治』
(※ 田沼が老中に就任したのは1772年)
3つの改革と田沼の政治の内容の説明は後回しにして、ここでは江戸の三大改革を覚えるためのゴロ合わせを紹介します。
『今日はお得な
缶ビール祭り
テン上げで水飲む』
缶ビールの特売日にお店に行く途中、テンション上がり過ぎて公園で水を飲んでいる人をイメージしてもらうといいと思います。
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
・今日→ 享保の改革、(お)得→ 徳川吉宗
・缶→ 寛政の改革、祭(り)→ 松平定信
・テン→ 天保の改革、水飲(む)→ 水野忠邦
※YouTubeに「江戸の三大改革」のゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
②江戸時代に改革が行われた理由
それぞれの改革の内容を説明する前に、そもそもなぜ江戸時代に何回も改革が行われる必要があったのかについて、簡単に解説しておきますね。
まず結論を先に述べておきますね。
何回も改革が行われた理由を一言で言うと、
『幕府の財政が厳しくなったから』
です。
『財政』とは、簡単に言うと『お金の出入りのこと』です。
要するに江戸幕府は、
・支出が増えた
・収入が減った
ことにより財政が苦しくなり、改革せざるを得なくなったのです。
このことを頭に入れておくと、改革の大きな目的が
①支出を抑える
②収入を増やす
ことだということが分かり、それぞれの改革の内容も覚えやすくなります。
なぜ幕府の支出が増えて収入が減ったのか、疑問に思った人もいると思います。
詳しくは、YouTubeに投稿している『江戸の三大改革が行われた理由』という動画で解説しているので、気になる人は↓リンクからご覧下さい!
③『享保の改革』の覚え方
ここからは徳川吉宗によって行われた享保の改革の内容について、解説していきます。
この改革で実施されたことで、覚えておく必要があるのが、
① 新田開発
② 上げ米の制
③ 公事方御定書の制定
④ 目安箱の設置
の4つです。
具体的な中身について、順番に解説していきますね。
①の『新田開発』とは、新たな田畑を開発することです。
田畑が増えるとそれだけ収穫量も増えるため、年貢も増収します。
つまり幕府の収入を増やすために、新田開発を積極的にすすめたということになります。
②の『上げ米の制』とは、大名に対し1万石につき100石の米を幕府に納めさせるかわりに、参勤交代での江戸の滞在期間を1年から半年にした政策のことです。
これも①の新田開発と同様、幕府の収入を増やす目的で行われました。
③の『公事方御定書』とは、公正な裁判が行われるよう、裁判の基準を示すために制定された法律のことです。
④の『目安箱』とは、庶民の意見を聞く目的で設置された、庶民が投書するための箱のことです。
↑の4つの内容を覚えるゴロ合わせが
『今日、新品揚げるの
9時が目安』
です。
惣菜コーナーのおばちゃんが、9時を目安に新品のコロッケ揚げようとしているところをイメージして覚えて下さいね。
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
・今日→ 享保の改革
・新(品)→ 新田開発
・揚げ(る)→ 上げ米の制
・9時→ 公事方御定書
・目安→ 目安箱
※YouTubeに「享保の改革」についてのゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
④『田沼意次の政治』の覚え方
ここからは享保の改革と寛政の改革の間の期間、田沼意次によって行われた田沼意次の政治の内容について、解説していきます。
田沼意次によって実施されたことで、覚えておく必要があるのが、
① 株仲間の奨励
② 長崎貿易の拡大
③ 印旛(いんば)沼の干拓
④ 蝦夷地の調査
の4つです。
田沼の行った政策は農業を重視した他の改革と異なり、商工業を活性化することで幕府の財政を立て直そうとした点が特徴です。
具体的な中身について、順番に解説していきますね。
①の『株仲間』とは、営業権の独占などの特権が認められた、商工業の同業者組合のことです。
この株仲間を積極的に認めるかわりに営業税をとることで、税収を増やしていました。
つまり幕府の収入を増やすために、株仲間を奨励していたということになります。
②の『長崎貿易の拡大』とは、銅を金・銀の代わる輸出品としたり、海産物を詰めた俵物を輸出したりして、貿易赤字だった長崎貿易を活発化させようしたことです。
これも田沼の政治の特徴である、商工業を活性化する政策の1つです。
③の『印旛沼の干拓』は、印旛沼を干拓して農地を増やすことで、年貢の増収を図ったものです。
この政策は災害の発生により失敗してしまいましたが、これも幕府の収入を増やすために行われました。
④の『蝦夷地の調査』は、長崎貿易の輸出品である海産物(俵物)を得るために、蝦夷地(北海道)の調査を行ったことです。
↑の4つの内容を覚えるゴロ合わせが
『たぬきとインスタかぶった!?
眺めはええぞ!』
です。
インスタに投稿した風景がたぬきとかぶってしまったけど、風景の眺めはいいぞと思っているところをイメージして覚えて下さいね。
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
・たぬ(き)→ 田沼意次の政治
・イン(スタ)→ 印旛沼の干拓
・かぶ(った)→ 株仲間の奨励
・眺(め)→ 長崎貿易の拡大
・ええぞ→ 蝦夷地の調査
※YouTubeに「田沼意次の政治」についてのゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
⑤『寛政の改革』の覚え方
ここからは松平定信によって行われた寛政の改革の内容について、解説していきます。
この改革で実施されたことで、覚えておく必要があるのが、
① 囲(かこ)い米の制
② 昌平坂学問所にて朱子学以外の学問禁止
③ 旧里帰農(きゅうりきのう)令
④ 棄捐(きえん)令
の4つです。
具体的な中身について、順番に解説していきますね。
①の『囲い米の制』とは、ききんに備えて倉に米を蓄えさせたことをいいます。
②について、幕府の学問所である『昌平坂学問所』では、朱子学以外の学問を教えることが禁止されていました。
このことを『寛政異学の禁』ともいいます。
③の『旧里帰農令』とは、江戸に出てきていた農民を、出身地の農村に帰す政策のことです。
農民を農村に帰すことで農作物の生産量を増やし、年貢の増収を図ろうとしました。
つまり幕府の収入を増やすために、農民を農村に帰していたということになります。
④の『棄捐令』とは、幕府直属の武士である旗本・御家人の借金を帳消しを命じたものです。
↑の4つの内容を覚えるゴロ合わせが
『完全に囲まれた囚人、
急に消える!』
です。
脱走した囚人が警備員に囲まれたが、ヘリが下したロープにつまかり、まるで消えたように逃げたところをイメージして覚えて下さいね。
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
・完全→ 寛政の改革
・囲(まれ)→ 囲い米の制
・囚人→ 朱子学以外の学問禁止
・急→ 旧里帰農令
・消え(る)→ 棄捐令
※YouTubeに「寛政の改革」についてのゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
⑥『天保の改革』の覚え方
ここからは水野忠邦によって行われた天保の改革の内容について、解説していきます。
この改革で実施されたことで、覚えておく必要があるのが、
① 株仲間の解散
② 人返しの令(法)
③ 上知(じょうち・あげち)令
④ 倹約令
の4つです。
具体的な中身について、順番に解説していきますね。
①の『株仲間の解散』とは、物価を下げるため、営業権を独占していた株仲間の解散を命じたことです。
物価が下がると幕府の支出を減らすことができるため、株仲間の解散を命じたということもできるでしょう。
②『人返しの令』は、寛政の改革の『旧里帰農令』と同じく、江戸に出稼ぎに来ていた農民を、農村に帰るよう命じたものです。
農村の生産力を上げることで、年貢を増やし、幕府の収入を増やそうとしました。
③の『上知令』とは、江戸・大阪周辺にある大名や旗本の所領を、幕府の直轄地にするよう命じたものです。
豊かな土地を幕領とすることで、幕府の収入を増やそうとしました。
しかし大名や旗本の強い反対にあい、結局取り消されてしまいました。
④の『倹約令』とは、人々に派手な服装やぜいたくな食事などの禁止を命じたものです。
これは、幕府の支出を減らす目的もあったといえるでしょう。
しかし、厳しい倹約令は庶民から反感を買ってしまいました。
↑の4つの内容を覚えるゴロ合わせが
『テンポがカーブを
ヒットする条件』
です。
野球中継で、打者がカーブをヒットするには、テンポが合わせることが条件だと解説されているところをイメージして覚えて下さいね。
ゴロ合わせの内訳はそれぞれ、
・テンポ→ 天保の改革
・カーブ→ 株仲間の解散
・ヒット→ 人返しの令
・条→ 上知令
・件→ 倹約令
※YouTubeに「天保の改革」についてのゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
⑦江戸の三大改革・練習問題
最後にこの記事の内容を理解できたかどうか、↓の問題で確認しましょう。
【問】以下のA~Dで行われたものを、ア~の中から選びましょう。
A 享保の改革
B 田沼意次の政治
C 寛政の改革
D 天保の改革
<選択肢>
ア 水野忠邦が行った、イ 公事方御定書を制定、ウ 松平定信が行った、エ 株仲間を奨励、オ 囲い米の制を行う、カ 上米の制を行う、キ 長崎貿易を拡大する、ケ 株仲間の解散を命じる
【解答】A(イ、カ)、B(エ、キ)、C(ウ、オ)、D(ア、ケ)
記事のまとめ
以上、中2歴史で学習する「江戸の三大改革」について、その覚え方を詳しく紹介してきました。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
ご意見・ご感想、質問などございましたら、下のコメント欄にてお願いします!
コメント
覚え方の言葉が長すぎて逆に覚えれません
長いゴロ合わせを覚えるぐらいなら普通に覚えたほうがいいような気がします(*´ω`*)
コメントありがとうございます。
ゴロ合わせを作った本人が言うのもなんですが、普通に覚えられるならその方がいいと思います。
ただ覚えるのが苦手な人にはゴロ合わせが役立つこともあるので、その点をご理解いただけるとありがたいです。
分かりやすいです
コメントありがとうございます。
少しでも勉強の参考になれば幸いです。
説明もとても分かりやすいし、イラストもあるのでイメージしやすく覚えやすいです!普通の語呂合わせだとなかなか覚えない、暗記が超苦手な子供もこれなら覚えられました。助かりました。ありがとうございます!!
コチラこそコメントありがとうございます!
少しでもお子様の勉強の参考になれば幸いです。