今回の記事は、中学国語の国文法で学習する『品詞の種類』の覚え方の紹介と詳しい解説をやっていきたいと思います。
・この記事の内容は、以下の通りです。
この記事では覚え方を紹介する前に、品詞についてかなり詳しく解説しています。
『品詞』のことは分かっているので、覚え方だけ知りたいという人は、④『品詞の種類』の覚え方を見て下さい。
➀『品詞』ってなに?
『品詞』を説明する前に、まず『単語』について押さえておきましょう。
『単語』とは文の最小単位のことで、国語辞典に載っている言葉をイメージしてもらうとよいでしょう。
この『単語』を文法上の基準で詳しく分類したものを『品詞』といいます。
単語は、
①自立語か、付属語か
②活用するのか、しないのか
により、大まかに分類されます。
具体的には、↓の『品詞分類表』のように、10種類の品詞に分類されます。
自立語・付属語と活用について、さらに表に載っている10種類の品詞については、これから順を追って解説していきますね。
②『自立語・付属語』と『活用』ってなに?
10種類の品詞を解説する前にここで、(ⅰ)自立語と付属語の違いや見分け方について、(ⅱ)活用とはなにかについて、イチから丁寧に解説していきます。
(ⅰ)『自立語・付属語』ってなに?
自立語と付属語について、↓の例文を使って説明していきますね。
(例) 私は友達と公園で遊んだ。
この例文を『文節』に分けてみましょう。
『ネ・サ・ヨ』などを入れてうまく区切ることで、文節に分けることができます。
例文の場合は、
私は(ネ) | 友達と(ネ) | 公園で(ネ) | 遊んだ(ヨ)
↑のように4つの文節に分けることができます。
さらに4つの文節をもとに、この例文を単語に分けてみると、
私 | は | 友達 | と | 公園 | で | 遊ん | だ
↑のように8つの単語に分けることができます。
このように文を単語に分けたとき、その単語だけで意味がわかるものが『自立語』、その単語だけでは意味がわからないものが『付属語』になります。
この例文の場合だと、『私』『友達』『公園』『遊ん(遊ぶ)』が自立語、『は』『と』『で』『だ(た)』が付属語ということになります。
さらに一歩進めると、『その単語だけで文節をつくることができる』のが自立語、『その単語だけでは文節をつくることができない』のが付属語ということもできます。
このことを例文で確認してみましょう。
付属語の『は』や『と』などは、自立語の『私』や『友達』にくっつかないと、単独で文節をつくることはできませんよね。
以上見てきたように、自立語と付属語には、
①その単語だけで意味がわかるかどうか
②その単語だけで文節がつくれるかどうか
の2つの見分け方があるので、しっかり押さえておきましょう!
(ⅱ)『活用』ってなに?
品詞の分類で、もう1つ押さえておかなければならないのが『活用』です。
『活用する』ことを一言で表すと、
『後に続く言葉により、その単語の形が変わる』
ことです。
これだけだと、どういうことかイメージがわかないと思います。
ですので、ここからは『歩く』という単語を例に、活用について詳しく説明していきますね。
『歩く』に『ない』をくっつけると…、
そう、『歩かない』となりますよね。
『ない』をくっつけたことにより、『歩く』が『歩か』に変化しましたよね。
これが『活用する』ということです。
他にも、『歩く』に『ます』をくっつけると、『歩きます』。
『歩く』が活用して『歩き』になっています。
『歩く』に『ば』をくっつけると、『歩けば』。
これだと、『歩く』が活用して『歩け』になっていますね。
以上見てきたように、『後に続く語によってその単語の形が変わること』が『活用する』ことであると覚えておいて下さい。
➂ 全ての品詞をやさしく解説!
ここからはいよいよ、10種類の品詞について1つずつ詳しく説明していきます。
始めに『自立語』で『活用しない』単語である、名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞の5つを見ていきます。
次に『自立語』で『活用する』単語である、動詞・形容詞・形容動詞の3つを説明していきます。
最後に『付属語』で『活用する』助動詞と、『付属語』で『活用しない』助詞の2つを説明しています。
(ⅰ)『自立語』で『活用しない』単語
(1)『名詞』とは?
『名詞』を一言で表すと、
『ものの名前』
です。
例を挙げるときりがないのですが、名詞には『山』『象』『生徒』『平和』など多くの単語があります。
ちなみに↑のような名詞を『普通名詞』といいます。
これ以外にも、
・「あなた」「彼」「これ」「あれ」などの『代名詞』
・「聖徳太子」「東京」など特定の物事の名前を表す『固有名詞』
・「一本」「三人」など数を表す『数詞』
なども名詞になります。
また、単独で文の主語になる単語を『体言』といいます。
品詞の中で、名詞は単独で文の主語になる単語であるため、名詞は『体言』でもあるということも押さえておきましょう。
(2)『副詞』とは?
『副詞』とは、主に用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する、様子や状態・程度を表す単語です。
これだけだとイメージがわかないと思うので、↓で副詞である『とても』『しっかり』という単語を例に説明してみますね。
➀今日はとても暑い。
②食器をしっかり洗う。
↑の例文①では、副詞『とても』が形容詞『暑い』を修飾しています。
例文②では、副詞『しっかり』が動詞『洗う』を修飾しています。
このように副詞は主に用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾するはたらきをするので、しっかり覚えておきましょう。
『副詞』をもっと詳しく知りたいという方は、YouTubeに『副詞ってなに?』という動画を投稿しているので、↓のリンクからぜひご覧下さい。
(3)『連体詞』とは?
『連体詞』とは、体言(名詞)を修飾する単語です。
↓にいくつか例を挙げておきます。
①この国
②大きな山
③ある日
↑の例文①は、連体詞『この』が名詞『国』を修飾しています。
例文②は、連体詞『大きな』が名詞『山』を修飾しています。
例文③は、連体詞『ある』が名詞『日』を修飾しています。
また連体詞は、
①数が少ない
②代名詞・形容動詞・動詞と間違いやすいものがある
という特徴があります。
とくに間違いやすい②の例を↓に挙げておきます。
・代名詞と間違いやすいもの:『この』『その』『あの』など
・形容動詞と間違いやすいもの:『大きな』『小さな』など
・動詞と間違いやすいもの:『ある』『いわゆる』など
『連体詞』をもっと詳しく知りたいという方は、YouTubeに『連体詞の見分け方』という動画を投稿しているので、↓のリンクからぜひご覧下さい。
(4)『接続詞』と『感動詞』
『接続詞』と『感動詞』は、正直なところ重要度があまり高くないので、まとめて簡単に説明しますね。
『接続詞』は、前後の文や単語をつなぐはたらきをする単語です。
『つなぎ言葉』だと考えてもらってよいです。
いくつか具体例をあげると、『だから』『しかし』『そして』『つまり』『ところで』などがあります。
一方の『感動詞』は、応答や呼びかけ、感動やあいさつを表す単語で、文の初めに置かれることが多いという特徴があります。
↓に感動詞の具体例を挙げておきますね。
・応答:『はい』『いいえ』『うん』など
・呼びかけ:『おい』『もしもし』『ねえ』など
・感動:『ああ』『ほう』『あら』など
・あいさつ:『おはよう』『さようなら』など
(ⅱ)『自立語』で『活用する』単語
(1)『動詞』とは?
『動詞』とは、動作を表し、言い切りの形で最後の語が『ウ』段の音になる単語のことです。
『ウ段の音になる』とは『く』『す』『つ』のように、音を伸ばすと『ウ』になるということです。
例として、『歩く』『曲げる』『勉強する』『見る』『来る』などがあります。
↑の「歩く」の『く』、「曲げる」の『る』、「勉強する」の『る』、「見る」の『る』、「来る」の『る』はすべて、単語の最後がウ段の音で終わっていますね。
(2)『形容詞』とは?
『形容詞』とは、様子や状態を表し、言い切りの形で最後の語が『い』になる単語のことです。
例として、『新しい』『やさしい』『美しい』『大きい』などがあります。
↑の「新しい」の『い』、「やさしい」の『い』、「美しい」の『い』、「大きい」の『い』とすべて、単語の最後が『い』で終わっていますね。
(3)『形容動詞』とは?
『形容動詞』とは、様子や状態を表し、言い切りの形で最後の語が『だ』になる単語のことです。
例として、『おだやかだ』『静かだ』『きれいだ』などがあります。
↑の「おだやかだ」の『だ』、「静かだ」の『だ』、「きれいだ」の『だ』とすべて、単語の最後が『だ』で終わっていますね。
(4)『用言』とは?
ここまで解説してきた自立語で活用する『動詞』『形容詞』『形容動詞』のことを、『用言』といいます。
名詞の説明のところで出てきた『体言』と間違いやすいので、注意しましょう!
↓に体言と用言をまとめておきますので、しっかり頭に入れておきましょう。
・体言:主語になることができる単語、つまり名詞のこと
・用言:自立語で活用する単語、つまり動詞、形容詞、形容動詞のこと
(ⅲ)『付属語』の2つの品詞
(1)『助動詞』とは?
『助動詞』とは、『付属語』で『活用する』単語のことです。
具体例を挙げると『です』『ます』『ない』『たい』『た』『う・よう』『れる・られる』など多数あります。
これらの助動詞がどのように活用するのか、いくつかの例をみていきましょう。
助動詞『です』に『た』を付け加えると『でした』となり、『です』が『でし』に活用しています。
他にも、助動詞『ない』に『て』を付け加えると『なくて』となり、『ない』が『なく』に活用しています。
(2)『助詞』とは?
『助詞』とは、『付属語』で『活用しない』単語のことです。
助詞は、『格助詞』『接続助詞』『副助詞』『終助詞』の4つに細かく分類されます。
↓に簡単にそれぞれの内容を説明しておきます。
①格助詞:主に体言の下につき、後に続く言葉との関係を示します。
(例) 私が友達と絵を描く (※『が』『と』『を』が格助詞)
②接続助詞:主に活用する語につき、文や文節をつなぎます。
(例) 疲れているので、寝た (※『ので』が接続助詞)
③副助詞:色々な語句について、意味を付け加えます。
(例) 私こそリーダーだ (※『こそ』が副助詞)
④終助詞:文・文節の終わりについて、気持ち・態度を示します。
(例) 彼が先生ですか (※『か』が終助詞)
➃『品詞の種類』の覚え方
それではいよいよ『品詞の種類』を覚えるゴロ合わせを紹介したいと思います。
まず自立語で活用しない『名詞』『副詞』『連体詞』『接続詞』『感動詞』を覚えるゴロ合わせが↓です。
『姪の服、レンタル?
ゾクッ、感動!!』
姪(めい)っ子が七五三でレンタルした服を着ていて、感動しているところをイメージしてもらうと良いと思います。
ゴロ合わせの内訳は↓の通りです。
・姪(めい)→ 名詞
・服→ 副詞
・レンタ(ル)→ 連体詞
・ゾク→ 接続詞
・感動→ 感動詞
つづいて自立語で活用する『動詞』『形容詞』『形容動詞』と付属語の『助動詞』『助詞』を覚えるゴロ合わせが↓です。
『どけ!!軽用道路上の女子』
軽自動車専用の道路に立っていて邪魔な女の子に、運転しているおじさんが怒っているところをイメージしてもらうとよいでしょう。
ゴロ合わせの内訳は↓の通りです。
・ど→ 動詞
・け→ 形容詞
・軽用道(路)→ 形容動詞
・上(じょう)→ 助動詞
・女子→ 助詞
※YouTubeに「品詞の種類の覚え方」のゴロ合わせ動画をアップしていますので、↓のリンクからご覧下さい!
⑤『品詞の種類』の練習問題
では最後に、この記事で学習した内容の理解度を確認するために、↓の練習問題をやっていきましょう!
【問題】下の空欄に適当な語句を答えましょう。
・自立語で活用し、言い切りの形がウ段の音で終わるのは( ① )である
・自立語で活用し、言い切りの形が『だ』で終わるのは( ② )である
・自立語で活用し、言い切りの形が『い』で終わるのは( ③ )である
・自立語で活用する①~③のことを、( ④ )という。
・自立語で活用しない『学校』『山』『平和』などは、( ⑤ )である
・自立語で活用せず、単独で主語になる⑤のことを、( ⑥ )という。
・自立語で活用しない『とても』『そっと』『決して』などは、( ⑦ )である
・自立語で活用しない『そして』『しかし』『つまり』などは、( ⑧ )である
・自立語で活用しない『この』『大きな』『いわゆる』などは、( ⑨ )である
・付属語には、活用する( ⑩ )と活用しない( ⑪ )がある
【解答】①動詞、②形容動詞、③形容詞、④用言、⑤名詞、⑥体言、⑦副詞、⑧接続詞、⑨連体詞、⑩助動詞、⑪助詞
記事のまとめ
以上『品詞の種類』の解説と覚え方を詳しく見てきましたが、いかがだったでしょうか?
記事のポイントを↓にまとめたので、ぜひご覧下さい。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。
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