中学国語・小説文の読解ポイント教えます!

 今回の記事では、高校受験の国語で必ず出題される「小説文」における、読解のポイントをお伝えしていきたいと思います。

 国語の中学・高校・大学受験の入試問題を解説している著書を多数書かれている、「石原千秋」先生の理論にもとづいた記事です。

 ですので、中学生のあなたにきっとお役に立てることと思います。

◎この記事の内容は、以下の通りです。

小説文読解のポイント

小説文は「主人公の成長物語である」

国語は「道徳教育」である

先生と元気いっぱいの子どもたち

小説文読解のポイント

 この記事でご紹介する小説文読解のポイントは、2つあります。

 1つは入試問題に出題される小説文は主人公の成長物語であるということ。

 もう1つは国語は道徳教育であるということです。

 それでは2つのポイントについて、さらに詳しく見ていきましょう。

楽しそうに勉強する子どもたち


小説文は「主人公の成長物語である」

 まず最初に押さえて欲しいこと。

 それは、入試問題で出題される小説文は、ほとんどが「主人公の成長物語」がテーマになっているということです。

 例えば、友達とケンカをしたお話だとします。

 ケンカの後、仲直りして2人の友情がより強まったとします。

 このとき、この小説はケンカを通して友達との友情の大切さを学んだ成長物語と読み解くことができます。

 また、同じように友達とケンカしたお話でも、結局仲直りできずに友達を失ってしまったという内容だったとします。

 その場合は、その小説はケンカして友達を失うことで、友情のかけがえなさを学んだ成長物語と読み解くができるでしょう。

ケンカしている男の子のイラスト

 「友情」以外にも、「冒険」や「死」、「別れ」などもよく出題される内容です。

 もし「冒険」がテーマのお話だったら…

 見知らぬ土地や危険な場所に行き、様々な困難を乗り越えることで、主人公がたくましくなる成長物語と読み解くことができます。

 もし家族やペットなど、身近なものの「死」に関するお話だったら…

 家族やペットの死を通じて、主人公が生命の大切さを学ぶ成長物語と読み解くことができるでしょう。

 転校や引っ越しによる「別れ」に関するお話だったら…

 先生やクラスメイトとの別れを乗り越えて強くなり、人とのつながりの大切さを学ぶ成長物語と読み解くことができるでしょう。

 以上見てきたように、出題された小説文を主人公の成長物語と読み解くことで、小説文のテーマが問われる問題に正しく答えることができるのです。

読書をする男の子


国語は「道徳教育」である

 国語は道徳教育である。

 このことは、冒頭でもお話した石原千秋先生の本を読んで初めて知り、たいへん衝撃を受けた内容でした。

 詳しくは、石原先生の著書を読んでいただきたいのですが、要するに学校空間で勉強する国語では、道徳的に正しいことが正解になるということです。

 世間で大人に読まれている小説は、不道徳な人が出てくるし、道徳に反する内容がテーマになっているものも少なくありません。

 しかし、学校で勉強する国語の問題で、道徳に反する内容が正解になることは、まずありません

 それは、民放では不道徳な内容の番組が放送されていても、NHKの子ども向け番組では、道徳的に正しいことが正解である内容しか放送されないことに似ているでしょう。

 国語の問題では、道徳的に正しくないことや社会のルールに反することは正解にならない」。

 このことを知っておけば、選択問題などで選択肢を選びやすくなるでしょう。

みんなで仲良くしている道徳的な子どもたちのイラスト

 例えば、国語の問題において、

登場人物である両親や学校の先生など大人が、子どもの成長を妨げる

両親や学校の先生など大人が、ただの気まぐれで暴力や犯罪行為を行う

 このようなことは、絶対ありません。

 また、理由のないいじめや盗みなどの反道徳的行為が、正当化されることも絶対にないでしょう。

 「国語が道徳教育である」ということは暗黙のルールです。

 そのことを明確に意識化していないと、感受性が強かったり文学的感性が鋭い人のほうが、引っかかって間違って答えを出してしまうかもしれません。

 国語の小説問題に取り組むときは、気を付けましょう!

読書をする女の子


記事のまとめ

 以上、中学生に向けて、国語の小説文読解の2つのポイントを詳しく見てきました。

 いかがだったでしょうか?

◎最後にもう1度、記事の中でのポイントをまとめてておくと…

・国語の小説文は「主人公の成長物語」であることがほとんどである

・小説文では「友情」「冒険」「」「別れ」などが頻出テーマである

・国語は道徳教育であり、道徳的に正しいことが正解である

・国語は道徳教育であることは暗黙のルールなので、意識化する必要がある

 今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 次回は中学国語の論説文における読解のポイントを、記事としてアップしていきます。

 これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。

 ご意見・ご感想、質問などございましたら、下のコメント欄にてお願いします!

※記事の中で紹介した石原千秋先生が、高校入試の小説文を詳しく説明した著書がおすすめですので、興味がある人はぜひご覧ください。

「小説入門のための高校入試国語」(石原 千秋・NHK出版 2002年出版)

先生と元気いっぱいの子どもたち

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