この記事では、中学理科で学習する試薬・指示薬の特徴を解説し、さらにゴロ合わせによる覚え方を紹介しています。
試薬・指示薬とは、色が変化したり沈殿ができたりすることで物質の性質がわかる化学薬品のことです。
代表的なものとして、酸性・アルカリ性を調べるリトマス紙や、デンプンがあるかどうかを調べるヨウ素液などがあります。
今回の内容は以下の通りです。
ぜひ最後までご覧いただいて、勉強に役立てていただけますと幸いです。
① 酸性・アルカリ性を調べるもの
水溶液の性質に、酸性・中性・アルカリ性があります
酸性の水溶液として代表的なものに、塩酸や硫酸、二酸化炭素が水に溶けた炭酸水があります。
またアルカリ性の水溶液として代表的なものに、水酸化ナトリウム水溶液や、アンモニアが水に溶けたアンモニア水があります。
ちなみに中性の水溶液としては、食塩水やアルコール水などがあります。
それでは、水溶液が酸性かアルカリ性かを調べることができる指示薬とその覚え方を見ていきましょう。
(ⅰ) リトマス紙の覚え方
酸性かアルカリ性かを調べるものとして、最初に見ていくのがリトマス紙です。
リトマス紙には、赤色のものと青色のものがあります。
水溶液が酸性かどうかを調べたいなら、青色リトマス紙を使います。
酸性の水溶液を青色リトマス紙につけると、赤色に変化します。
この青色リトマス紙の色の変化を覚えるゴロ合わせが、
『参加!会おうとして赤くなる』
です。
内気な少年がパーティに参加したが、いざみんなに会おうとすると恥ずかしくなり、顔が赤くなっているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・参→ 酸性
・会おう→ 青色
・赤→ 赤色
このゴロ合わせでは、酸性の水溶液は青色リトマス紙を赤色に変えることを表しています。
一方、水溶液がアルカリ性かどうかを調べたいなら、赤色リトマス紙を使います。
アルカリ性の水溶液を赤色リトマス紙につけると、青色に変化します。
この赤色リトマス紙の色の変化を覚えるゴロ合わせが、
『アル中、悪化して青くなる…』
です。
アルコール中毒(アル中)の人が、お酒を飲みすぎて症状が悪化してしまい、顔が青くなっているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・アル→ アルカリ性
・悪化→ 赤色
・青→ 青色
このゴロ合わせでは、アルカリ性の水溶液は赤色リトマス紙を青色に変えることを表しています。
※YouTubeに「リトマス紙の色の変化」についてのゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
(ⅱ) BTB液の覚え方
酸性かアルカリ性かを調べるものとして、次に見ていくのがBTB液です。
BTB液は、酸性では黄色、中性では緑色、アルカリ性では青色を示す指示薬です。
中学理科においては、植物の呼吸と光合成のはたらきを調べる実験で使われます。
ちなみにこの実験では、二酸化炭素が水に溶けると酸性になる性質が利用されています。
BTB液の色の変化と酸性・中性・アルカリ性の組み合わせを覚えるゴロ合わせが、
『サンキュー、中身はあるブー!』
です。
ブタが自分のペットボトルを見つけてもらって感謝し、まだ中身があってホッとしているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・サン→ 酸性、キュー→黄色
・中→ 中性、身→緑色
・ある→ アルカリ性、ブー→ブルー(青色)
※YouTubeに「BTB液の色の変化」についてのゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
(ⅲ) フェノールフタレイン液の覚え方
では最後に、アルカリ性であるかどうかを調べることのできるフェノールフタレイン液を見ていきましょう。
フェノールフタレイン液は、酸性・中性では無色ですが、アルカリ性では赤色を示す指示薬です。
中学理科においては、アンモニア水の噴水の実験で使われます。
ちなみにこの実験では、アンモニアの水に溶けるとアルカリ性になる性質が利用されています。
フェノールフタレイン液がアルカリ性で赤色を示すことを覚えるゴロ合わせが、
『笛に乗るヤツがあるか!あかん(怒)』
です。
音楽の授業で使うリコーダーに乗って悪ふざけをしている生徒が先生に怒られているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・笛に乗る→ フェノールフタレイン液
・あるか→ アルカリ性
・あかん→ 赤色
※YouTubeに「フェノールフタレイン溶液の色の変化」についてのゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
【動画】中学理科・ゴロ合わせ「フェノールフタレイン溶液の覚え方」
② 塩化コバルト紙の覚え方
ここでは、液体が水であるかを確かめるために使われる塩化コバルト紙について解説します。
塩化コバルト紙は青色の試験紙で、水にふれると青色から赤色へと変化する性質があります。
中学理科においては、炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験のときに使われます。
具体的には、炭酸水素ナトリウムを加熱したときに発生する液体が水であるかを確かめるために使われます。
塩化コバルト紙が水にふれると青色から赤色に変色することを覚えるゴロ合わせが、
『見ずにえ~んか?青から赤に!』
です。
信号を確認せずに渡ろうとしている少年たちが、大人に青から赤に変わっていると注意されているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・見ず→ 水
・え~んか→ 塩化コバルト紙
・青から赤に→ 青色から赤色へ変色
※YouTubeに「塩化コバルト紙の色の変化」についてのゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③ ヨウ素液とベネジクト液の覚え方
ここでは、ヨウ素液とベネジクト液という2つの試薬について見ていきたいと思います。
まずはヨウ素液について簡単に説明します。
ヨウ素液はデンプンがあるかどうかを確かめるために使われる試薬です。
もしデンプンがあるときは、青紫色に変化します。
一方、ベネジクト液は糖があるかどうかを確かめるために使われる試薬です。
糖がある場合は、ベネジクト液を加えて加熱すると赤褐色(せきかっしょく)の沈殿ができます。
中学理科においてこれらの試薬は、唾液の消化酵素にデンプンを糖に変化させるはたらきがあることを確かめる実験で使われます。
ヨウ素液はデンプンがあると青紫に変色すること、ベネジクト液は糖があると赤褐色の沈殿ができることを覚えるゴロ合わせが、
『(お金が)よう出ん村人、弁当節約』
です。
お金がなくて昼食代を出せない貧しい村人たちが、節約して弁当を作って持参してきているところをイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・よう→ ヨウ素液、出ん→ 塩化コバルト紙、村(むら)→ 青紫
・弁→ ベネジクト液、当→ 糖、節(せつ)→ 赤褐色
※YouTubeに「ヨウ素液とベネジクト液の色の変化」についてのゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
④ 酢酸カーミン液(酢酸オルセイン液)の覚え方
ここでは、酢酸カーミン液・酢酸オルセイン液について見ていきたいと思います。
酢酸カーミン液と酢酸オルセイン液はともに、細胞の核や染色体を赤く染める染色液です。
より細かく言うと、酢酸カーミン液は赤紫色を、酢酸オルセイン液は赤色を示します。
中学理科においてこれらの染色液は、細胞の観察や細胞分裂の様子を観察する実験で使われます。
酢酸カーミン液と酢酸オルセイン液が、細胞の核と染色体を赤色に染めることを覚えるゴロ合わせが、
『作家おる?』『隠せんで赤くなる…』
です。
締め切りに追われている作家をかくまっていたが、編集者に問い詰められて隠し切れなくて焦って顔が赤くなっている人をイメージして覚えてみて下さい。
ゴロ合わせの内訳は以下の通りです。
・作→ 酢酸、家(か)→ カーミン液、おる?→ オルセイン液
・隠(かく)→ 核、せん→ 染色体
このゴロ合わせでは、酢酸カーミン液・酢酸オルセイン液は核と染色体を赤色に染色することを表しています。
※YouTubeに「酢酸カーミン液と酢酸オルセイン液の色の変化」についてのゴロ合わせ動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
【動画】中学理科・ゴロ合わせ「酢酸カーミン液と酢酸オルセイン液」
⑤ 試薬・指示薬についての練習問題
この記事で学習した内容の練習問題を↓に用意しています。
ぜひ問題にチャレンジして、きちんと理解できているかどうかを確認してください。
【問】以下の問題文の( )に入る適当な語句を答えましょう。
(1) 青色リトマス紙に( ① )性の水溶液をつけると、( ② )色に変化する。
(2) 赤色リトマス紙に( ③ )性の水溶液をつけると、( ④ )色に変化する。
(3) BTB液を酸性の水溶液に加えると( ⑤ )色を示す。
(4) BTB液を中性の水溶液に加えると( ⑥ )色を示す。
(5) BTB液をアルカリ性の水溶液に加えると( ⑦ )色を示す。
(6) フェノールフタレイン液をアルカリ性の水溶液加えると( ⑧ )色を示す。
(7) 塩化コバルト紙が水にふれると青色から( ⑨ )色に変化する。
(8) デンプンがあるとき、ヨウ素液は( ⑩ )色に変化する。
(9) 糖があるとき、ベネジクト液を加えて加熱すると( ⑪ )色の沈殿ができる。
(10) 酢酸カーミン液は細胞の核や染色体を( ⑫ )色に染色する。
問題の解答は↓の通りです。
(1)①酸(性)、②赤(色)、(2)③アルカリ(性)、④青(色)、
(3)⑤黄(色)、(4)⑥緑(色)、(5)⑦青(色)、(6)⑧赤(色)、
(7)⑨赤(色)、(8)⑩青紫(色)、(9)⑪赤褐(色)、(10)⑫赤(色)
どうでしたか?すべて正解することができましたか?
もし、間違えたところがあった人は、ちゃんと復習してしっかり理解して覚えておきましょう!
記事のまとめ
以上、中学理科で学習する「肺循環の動脈血・静脈血の覚え方」について、説明してまいりました。
① 酸性・アルカリ性を調べるもの
・青色リトマス紙:酸性の場合、赤色に変化
(ゴロ)『参加!会おうとして赤くなる』
・赤色リトマス紙:アルカリ性の場合、青色に変化
(ゴロ)『アル中、悪化して青くなる』
・BTB液:酸性は黄色、中性は緑色、アルカリ性は青色
(ゴロ)『サンキュー、中身はあるブー!』
・フェノールフタレイン液:アルカリ性の場合、赤色を示す
(ゴロ)『笛に乗るヤツがあるか!あかん』
② 塩化コバルト紙
⇒ 水にふれると青色から赤色に変化する
(ゴロ)『見ずにえ~んか?青から赤に!』
③ ヨウ素液とベネジクト液
・ヨウ素液:デンプンがあるとき、青紫色に変化
・ベネジクト液:糖があるとき、加熱したら赤褐色の沈殿
(ゴロ)『(お金が)よう出ん村人、弁当節約』
④ 酢酸カーミン液(酢酸オルセイン液)
⇒ 細胞の核や染色体をと赤色に染色
(ゴロ)『作家おる?隠せんで赤くなる』
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。