指数の計算の基本的なやり方から、負の数や小数、分数の指数計算についても詳しく説明していきたいと思います。
この記事で説明するのは、以下の内容です。
①かけ算と指数の似ているところ
指数の計算を見ていく前に、1つやらなければならないことがあります。
それは、『かけ算』とはどういう計算のことだったのか?ということのおさらいです。
例えば、次のようなたし算の計算があったとします。
3+3+3+3+3
このたし算は「3」という同じ数を、5回たしています。
このような同じ数のたし算は、以下に示すようにかけ算で表すことができます。
3+3+3+3+3
= 3×5
= 15
指数の計算も、かけ算の計算と似たところがあります。
例として、次のようなかけ算を見てみましょう。
3×3×3×3×3
今度は、「3」という同じ数を、5回かけています。
これを指数を使って表すと次のようになります。
3×3×3×3×3 = 35
35は、3の5乗(ごじょう)と読みます。
そして、3の右上の小さい数5は、3を5回かけることを示したもので、これを「指数」と言います。
それでは、以下のかけ算を指数で表してみましょう
①、5×5
②、3×3×3
③、2×2×2×2
①は5を2回かけているので、5×5=52
②は3を3回かけているので、3×3×3=33
③は2を4回かけているので、2×2×2×2=24
ちなみに、2乗のことを平方(へいほう)、3乗のことを立方(りっぽう)ともいいます。
平方と立方について、実は小学生のときに学習しているのです。
覚えていらっしゃるでしょうか?
「えっ?」という中学生も多いと思います。
ではお聞きしますが、面積の単位は?
㎠(平方センチメートル)や㎡(平方メートル)ですよね。
同じく、体積の単位は?
㎤(立方センチメートル)や㎥(立方メートル)ですよね。
それぞれ㎝やmの右上に、2と3の指数がついていることに気付かれたことと思います。
面積は、㎝やmが単位の縦の長さと横の長さをかけあわせて求めます。
つまり、㎝やmを2回かけているので、指数に2がついて㎠(平方センチメートル)や㎡(平方メートル)という単位になっています。
体積は、㎝やmが単位の縦の長さと横の長さと高さをかけあわせて求めます。
つまり、㎝やmを3回かけているので、指数に3がついて㎤(立方センチメートル)や㎥(立方メートル)という単位になっています。
②指数の練習問題
それでは、指数の練習問題をやってみましょう。
(1) 次のかけ算を指数で表しましょう。
➀、4×4×4
②、3×3
③、2×2×2×2×2
(2) 次の計算をしましょう。
➀、53
②、34
③、16
では(1)の解答・解説を始めていきます。
①は4を3回かけているので、
4×4×4=43
②は3を2回かけているので、
3×3=32
③は2を5回かけているので、
2×2×2×2×2=25
続いて(2)の解答・解説を見ていきましょう。
➀は、
53=5×5×5=125
②は、
34=3×3×3×3=81
③は、
16=1×1×1×1×1×1=1
特に、③は16の計算で、1を6回かけるのではなく、1×6をして答えを「6」にする間違いが非常に多いです。
似たような問題が出たら、気を付けて計算しましょうね!
③負の数の指数計算
ここでは、負の数の指数計算について説明していきたいと思います。
まず、下の2つの問題の違いが分かるかどうか考えてみましょう。
① -22
② (-2)2
➀は、-の符号がついている数字”2″の右上に、指数の”2″があります。
この場合、どう考えればよいのでしょう?
-22は、数字”2″の右上に指数の”2″があるので、前についている-の符号は無視して、2だけ2乗すると考えます。
計算すると、
-22
=-2×2
=-4
となります。
次に②の場合は、( )の右上に指数の”2″があります。
この場合は、「( )内全てを2回かける」ということを表しています。
よって、-の符号を含めて-2を2回かけます。
計算すると、
(-2)2
=(-2)×(-2)
= +4
となります。
このように①と②は形は似ていますが、答えは違いますので、計算のやり方を間違えないように注意しましょう!
※YouTubeに「-2²と(-2)²」についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
【動画】中学数学のなぜ?「間違いやすい指数の計算 -2²と(-2)²のちがい」
④負の数の指数計算 練習問題
それでは、負の数の指数計算についての練習問題をやってみましょう。
①、(-1)3
②、(-2)4
③、-32
④、(-3)2
⑤、-15
⑥、(-1)5
では➀の解答・解説から見ていきましょう。
➀は(-1)のカッコの右上に、指数の”3″があります。
よって、次のような計算になります。
(-1)3
=(-1)×(-1)×(-1)
=-1
②も➀と同様、(-2)のカッコの右上に、指数の”4″があります。
よって、次のような計算になります。
(-2)4
= (-2 )×(-2)×(-2)×(-2)
=+16
③は、①・②と異なり、-3の数字の”3″の右上に、指数の”2″が付いています。
よって、次のような計算になります。
-32
=-3×3
=-9
④は③と似ていますが、カッコの右上に指数が付いています。
よって、次のように計算しなければなりません。
(-3)2
=(-3)×(-3)
=+9
⑤は③と同様、-1の数字の”1″の右上に、指数の”5″が付いています。
よって、次のような計算になります。
-15
=-1×1×1×1×1
=-1
間違って”-1×5=-5″としないように注意してくださいね。
⑥は⑤と似ていますが、カッコの右上に指数が付いてます。
よって、次のように計算しなければなりません。
(-1)5
=(-1)×(-1)×(-1)×(-1)×(-1)
=-1
⑤と⑥は形が似ていますし答えも一緒になりますが、計算方法は異なります。
混同しないように気を付けましょう!
⑤分数の指数計算
ここでは、分数の指数計算について説明していきたいと思います。
まず、下の計算を見て下さい。
このように、分数にカッコがついていて、その右上に指数があった場合、カッコの中全体を指数の回数だけ、かけなければなりません。
では下のように、分母の数や分子の数だけに指数がついていた場合は、どうなるでしょうか?
分数の分母の数や分子の数にのみ、指数がついていたら、その部分だけ指数の計算をします。
よって、➀・②を計算すると下のようになります。
それでは、以下の分数の指数計算にチャレンジしてみましょう!
①は分数にカッコがついていて、その右上に指数があります。
よって、カッコの中全体を、指数の回数だけかけなければなりません。
したがって、計算は次のようになります。
②・③は、分数の分母の数や分子の数にだけ指数がついているので、その部分だけ指数の計算をします。
よって、以下のような計算結果になります。
⑥指数をふくむ計算
最後に指数をふくむ計算について、説明していきたいと思います。
まず、次のような計算について考えてみましょう。
(22-5)+2×(-3)2
◎このような式に指数をふくんでいる計算において、計算の順番は次のようになります。
① 指数の計算を行う
↓
② カッコ内の計算を行う
↓
③ かけ算・わり算の計算を行う
↓
④ たし算・ひき算の計算を行う
このことを頭に入れて先ほどの計算を見ていきましょう。
まず最初に、指数の計算をしなければなりません。
22=4、(-3)2=9となるので、以下のようになります。
(22-5)+2×(-3)2
=(4-5)+2×9
つづいて、カッコ内の計算を行わなければなりません。
4-5=-1となるので、以下のようになります。
(4-5)+2×9
=-1+2×9
その次に、かけ算の計算を行わなければなりません。
2×9=18となるので、以下のようになります
-1+2×9
=-1+18
最後にたし算を行うと、答えは以下のようになります。
-1+18
=17 (または+17)
⑦指数をふくむ計算 練習問題
それでは、指数をふくむ計算についての練習問題をやってみましょう。
①、15-(-3)2×(-2)
②、(5-42)×2+16
では、①の問題の解答・解説を見ていきましょう。
まず、指数の計算を最初に行うので、(-3)2=+9となり、以下のようになります。
15-(-3)2×(-2)
=15-(+9)×(-2)
次にかけ算の計算を行うので、(+9)×(-2)=-18となり、以下のようになります。
15-(+9)×(-2)
=15-(-18)
最後にたし算の計算を行い、答えは以下のようになります。
15-(-18)
=15+18
=33
次に②の問題の解答・解説を見ていきましょう。
まず、指数の計算を最初に行うので、42=16となり、以下のようになります。
(5-42)×2+16
=(5-16)×2+16
つづいてカッコ内の計算を行うので、5-16=-11となり、以下のようになります。
(5-16)×2+16
=(-11)×2+16
次にかけ算の計算を行うので、(-11)×2=-22となり、以下のようになります。
(-11)×2+16
=-22+16
最後にたし算の計算を行い、答えは以下のようになります。
-22+16
=-6
※YouTubeに「指数の計算」についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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