中1数学「正の数・負の数」分配法則とは何か?

数学を連想させる「分配法則」記事のアイキャッチ画像

 今回の記事では、中学1年「正の数・負の数」で学習する分配法則」について詳しく説明していきたいと思います。

 分配法則とは、(△+〇)×□のような計算において、先にカッコの中のたし算をすることなく計算をしたいときに用いる法則です。

「どのような計算問題で使うのか?」

「なぜ分配法則が成り立つのか?」

 分配法則に対する疑問について、詳しく説明していきます。

◎この記事で説明する内容は、以下の通りです。

「分配法則」の意味

「分配法則」が成り立つ理由

「分配法則」の練習問題

「分配法則」の応用

先生と元気いっぱいの子どもたち

「分配法則」の意味

 まず分配法則とはどのようなものなのか、簡単に説明したいと思います。

 例えば、次のような計算があったとします。

 (5+7)×3

 ふつうに計算すると、カッコの中のたし算を先に計算するので

 (5+7)×3

 =12×3

 =36

 となりますよね。

 では、カッコの中のたし算を先に計算せずに、計算を進めたい場合どうすればよいでしょうか?

 そこで登場するのが分配法則です。

 (△+〇)×□のような計算があるとします。

 このとき分配法則を使うと、先にカッコの中のたし算をすることなく計算を進めることができます。

 そして、分配法則とは次のような計算法則のことです。

・(△+〇)×□ = △×□+〇×□

・□×(△+〇) = □×△+□×〇

 より分かりやすい図が下にあります。

 この図を見てもらえば、□をカッコの中の△と〇にそれぞれかけていることが理解できると思います。

 〇・△・□の記号を使って、分配法則について、カッコの外のかける数を、カッコ内のたし算のそれぞれの数にかけることを視覚的に分かりやすく説明した図

 それでは、分配法則を使って、先ほどの(5+7)×3を計算してみましょう。

 カッコの外のかけ算の3を、カッコの中のたし算の5と7に、それぞれかけていきます。

 (5+7)×3

 =5×3+7×3

   =15+21

 =36

 分配法則を使った計算結果は”36″となり、先ほどの計算結果と一致しますね。

 分配法則がどのような計算法則であるのかについて、ある程度わかっていただけたことと思います。

 では次に、「分配法則がなぜ成り立つのか」ということについて、詳しく説明していきたいと思います。

一生懸命、計算問題に取り組んでいる少年


「分配法則」が成り立つ理由

 ここでは、面積を使って分配法則が成り立つ理由を説明していきます。

 まず、下の図をご覧ください。

縦6㎝、横が3㎝と5㎝に分けられた長方形

 この図は、縦が6㎝で横が3㎝と5㎝に分けられている長方形です。

 この長方形の全体の面積を求めたいなら、次のような計算をしますよね。

 (3+5)×6

 =8×6

   =48(㎠)

・では次に、このような求め方について考えてみましょう。

①縦が6㎝で横が3㎝の長方形の部分の面積を求める。

②縦が6㎝で横が5㎝の長方形の部分の面積を求める。

③上の2つの長方形の面積をたし合わせて、全体の長方形の面積を求める。

 まず左側の長方形は縦が6㎝で横が3㎝なので、面積は3×6で求めることができます。

 そして右側の長方形は縦が6㎝で横が5㎝なので、面積は5×6で求めることができます。

 よって、長方形全体の面積を求めると、

 3×6+5×6

 =18+30

 =48(㎠)

 となります。

 ここまでで、お気付きになったでしょうか?

・それぞれの長方形の面積を先に求めてから全体の長方形を求める計算

・分配法則を使った計算

 この2つの計算は、同じ計算になっているのです。

 つまり分配法則とは、横の長さ(縦の長さでもよい)が2つに分かれている面積を求めるとき、分けられている長方形のそれぞれの面積を先に求めてから、全体の面積を求める計算なのです。

   このことから、分配法則が成り立つ理由が理解できますね。

 また、視覚的に把握することで、イメージをつかむこともできたのではないかと思います。

 次は、分配法則を使う計算問題に取り組んでみましょう。

一生懸命、計算問題に取り組んでいる少年


「分配法則」の練習問題

 それでは、分配法則を使う計算問題をやってみましょう。

 まずは、この問題について考えてみましょう。

 (1/5+2/3)×15

 先にカッコ内のたし算を計算してから、かけ算をやってもよいのですが、分母が異なる分数のたし算なので通分する必要があり、少し面倒です。

 そこで分配法則を使って、先に1/5 と2/3 のそれぞれに15をかけたらどうなるでしょう。

 1/5も 2/3も 15をかけると、分母が約分されて1になるので整数となります。

 よって、このような計算問題では、分配法則を使って計算したほうが、速く正確に計算することができます。 

 分配法則を使って解く流れは、以下のようになります。

 (1/5+2/3)×15

 =1/5×15+2/3×15

 1/5 ×15は5で約分して、2/3 ×15は3で約分するので、

 1/5×15+2/3×15

   =1×3+2×5

   =3+10

   =13

 それでは、もう一問やってみましょう。

 次はこちらの問題。

 (5/7-1/3)×21

 今回は、カッコの中の計算がひき算になっています。

 しかし、ひき算は負の数のたし算と同じことなので、この計算も分配法則を使って解くことができます。

※ 5/7-1/3 をたし算の形になおすと 5/7+(-1/3)になり、負の数のたし算にすることができます。よく分からない人は、ひき算をたし算になおす方法を説明したこちらのページをご覧下さい→「正負の数の減法をマスターする」

 それでは、分配法則を使って計算していく流れを見ていきましょう。

 ( 5/7-1/3)×21

 = 5/7×21-1/3 ×21  

 5/7×21は7で約分して、1/3×21は3で約分するので、

 5/7×21-1/3×21 

   =5×3-1×7

   =15-7

   =8

 このように、カッコの中のたし算を先に計算するより、分配法則を使った方が速く正確に計算できる場合は、分配法則を使って解いていきましょう。

一生懸命、勉強している男の子


「分配法則」の応用

 ここからは、少し難しい問題について見ていきます。

 分配法則とは、次のような計算法則のことでした。

・(△+〇)×□ = △×□+〇×□

・□×(△+〇) = □×△+□×〇

 ということは、“=”の右側と左側を逆にした、次の式も成り立つことになります。

・△×□+〇×□ = (△+〇)×□

・□×△+□×〇 = □×(△+〇)

 この式が意味していることをまとめると…

 同じ数”□”がかけられている数”△と〇”のたし算は、△と〇をカッコの中のたし算にまとめて、カッコの外から□をかける形にできる

 ということです。

 ことばや記号だけでは、わかりにくいので、具体的な数を用いた計算式をもとに考えてみましょう。

 26×7+14×7

 26×714×7を先に計算して、それぞれのかけ算の結果をたし算して答えを求めてもいいのですが、かけ算がちょっと面倒ですよね。

 そこで、気付いて欲しいのが、26にも14にも同じ7がかけてあることです。

 先ほどの“△×□+〇×□ “と同じ形をしているのが、わかるでしょうか?

 “△×□+〇×□ “は分配法則より、次のような形にすることができました。

△×□+〇×□ = (△+〇)×□

 よって、“26×7+14×7”も次のような形にすることができます。

 26×7+14×7

 =(26+14)×7

 すると、カッコの中のたし算を先に計算して、26+14=40となるので、簡単に計算を進めていくことができます。

 26×7+14×7

 =(26+14)×7

 =40×7

   =280

 ぼんやりと、やり方がつかめてきたのではないかと思います。

 あと2問ほど、似たような問題をやってみましょう!

一生懸命、勉強している女の子

 では、次の問題に取り組んでみましょう。

 6×17+6×83

 この問題も、かけ算を先に計算するのは大変そうですね…。

 しかも、17と83におなじ6がかけてありますよね。

 ということは、分配法則により工夫して楽に計算することができます!

 ”6×17+6×83“は“□×△+□×〇” と同じ形です。

 そして、”□×△+□×〇”は、次のような形に変えていくことができました。

□×△+□×〇 = □×(△+〇)

 よって、“6×17+6×83”も次のような形にすることができます。

 6×17+6×83

 =6×(17+83)

 すると、カッコの中のたし算を先に計算して、17+83=100となるので、簡単に計算を進めていくことができます。

 6×17+6×83

   =6×(17+83)

 =6×100

   =600

楽しそうに勉強する子どもたち

 では、最後にこの問題に取り組んでみましょう。

 48×4-28×4

 この問題も、かけ算を先に計算するのは大変そうですね…。

 しかも、48と28におなじ7がかけてありますよね。

 ということは、分配法則により工夫して楽に計算することができます!

 しかし、ここで1つ問題が生じます。

 “48×4-28×4″は”48×4″と”28×4″のたし算ではなく、ひき算になっています。

 では、どうすればよいのか?

 ここで思い出して欲しいのが、ひき算は負の数のたし算になおせるということです。

 よって、“48×4-28×4″も”48×4+(-28)×4″と考えれば、分配法則を使って工夫して計算することができます。

 “48×4-28×4”、つまり“48×4+(-28)×4″は”△×□+〇×□” と同じ形です。

 そして、“△×□+〇×□”は、次のような形に変えていくことができました。

△×□+〇×□ = (△+〇)×□

 よって、“48×4-28×4”も次のような形にすることができます。

 48×4-28×4 = (48-28)×4

 すると、カッコの中を先に計算して、48-28=20となるので、簡単に計算を進めていくことができます。

 48×4-28×4

 =(48-28)×4

 =20×4

   =80

 このように、分配法則を使って工夫することで、楽に計算することができる問題があります。

 ”□×△+□×〇“や“△×□+〇×□“のように、同じ数がかけてあるたし算(ひき算も)の計算式には注意しましょう!

   ※下のYouTubeにアップした動画でも、「分配法則」について詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください!


記事のまとめ

 以上、中学1年「正の数・負の数」で学習する「分配法則」について、詳しく説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
 
◎今回の記事のポイントをまとめると…
 
・分配法則は、カッコの中のたし算を先に計算しないで計算を進めたいときに使う
 
・分配法則の形①
 (△+〇)×□ = △×□+〇×□
 
・分配法則の形②
 □×(△+〇) = □×△+□×〇
 
同じ数がかけてあるたし算・ひき算では、以下の分配法則の形を使うことも考える
 

・分配法則の形③
 △×□+〇×□ = (△+〇)×□
 
・分配法則の形④
 □×△+□×〇 = □×(△+〇)
 

 今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。

 ご意見・ご感想、質問などございましたら、下のコメント欄にてお願いします。

先生と元気いっぱいの子どもたち

「正の数・負の数」の関連記事

「マイナス×マイナス=プラスになる理由

指数とは何か?

数全体・整数・自然数の集合

分配法則とは何か?