中学1年で「正の数・負の数」の次に学習するのが、「文字の式」です。
「文字の式」の単元では、a、b、c、x、yなどのアルファベット、つまり文字と数を使った式の計算を学習します。
はじめて文字の式を学習した中学生の多くは、次のような疑問を持つことと思います。
「そもそも、なぜ文字を使う必要があるのか?」
「文字を使うことで、何かいいことがあるのか?」
そこで今回の記事では、「なぜ文字を使うのか?」という疑問に答えていきたいと思います。
◎この記事では、以下の内容について解説しています。
中学数学の最初の難関が『文字の式』です。
小学算数では、具体的な数を使って式をつくっていました。
中学数学では、文字を使って式をつくることで抽象的になり、少し難しくなります。
この記事を読んで、なぜ文字を使うのかをよく理解しておきましょう!
「文字」はいろいろな数を入れることができる箱
まず、はじめに覚えて欲しいこと。
それは…
「文字はいろいろな数を入れることができる箱」
ということです。
例えば、次のような文字を使った式があったとします。
x+5
この式に使われている文字”x“には、いろいろな数を入れることができます。
もし、xに3を入れたら?
そう、“3+5=8”なので…、
答えは8になります。
それでは、xに10を入れたら?
“10+5=15”なので…、
答えは15になります。
このように、文字とは「いろいろな数を入れることができる箱のようなもの」というイメージを持っておいて下さい。
「わかっていない数=未知数」を文字で表す
「なぜ文字を使うのか?」
「わかっていない数があっても、式を立てることができるから」
これが、文字を使う1つ目の理由になります。
わかっていない数のことを未知数といいます。
そして、文字を使うと、未知数があっても式を立てることができるのです。
具体例を使って、もう少し詳しく説明しましょう。
次のような文章を、式で表す場合を考えてみましょう。
「値段の分からないジュースと200円のお菓子を買ったら、350円になります。」
この文章において、未知数は何かわかりますか?
そう、「ジュースの値段」です。
ジュースの値段、つまり未知数を文字”x“を使って、この式を表してみると…
x + 200 = 350
と表すことができます。
このように、未知数を文字を使って表せば、式を立てることができるのです。
また、未知数はその答えとなる数を、求めることができます。
上の問題だと、ジュースの値段は合計金額の350円から、お菓子の値段200円をひき算すれば求めることができます。
よって、未知数であるジュースの値段は150円であることがわかります。
未知数を文字で表して、式を立てる練習
それでは、未知数を文字で表して、式を立てる練習をやってみましょう!
まず1問目。
「公園で何人かの子どもたちが遊んでいました。途中で10人の子どもが帰ったので、残りの子どもは8人になりました。」
この場合の未知数は何でしょう?
そう、「最初に公園で遊んでいた子どもの人数」ですよね。
最初の子どもの人数、つまり未知数を文字”x“を使って、この式を表してみると…
x – 10 = 8
と表すことができます。
それでは、未知数である最初の子どもの人数は何人でしょうか?
残った人数の8人に、途中で帰った人数の10人をたし算すれば求めることができます。
よって、未知数である最初の子どもの人数は、18人であることがわかります。
続いて2問目です。
「文房具店で、筆箱を買いました。1000円出したらおつりが200円でした。」
この場合の未知数は何でしょう?
筆箱の値段が書いてないので、「筆箱の値段」が未知数になります。
筆箱の値段、つまり未知数を文字”x“を使って、この式を表してみると…
1000 – x = 200
と表すことができます。
それでは、未知数である筆箱の値段は、いくらでしょうか?
出したお金1000円から、おつりの200円をひき算すれば求めることができます。
よって、未知数である筆箱の値段は、800円であることがわかります。
「数の代表」として、文字で表す
「なぜ文字を使うのか?」
「“数の代表”として文字を使うことで、式を一般化できるから」
これが、文字を使う2つ目の理由になります。
難しく感じてしまったかもしれませんが、安心して下さい。
これから、文字の式を学習し始めたばかりの中学1年生でも、理解できるように詳しく説明していきます。
例えば、1本60円の鉛筆を何本かと1冊150円のノートを1冊買ったとします。
鉛筆を1本買った場合、合計代金を求める計算の式は
60×1+150
と表せます。
同じように2本買った場合は、60×2+150
3本買った場合は、60×3+150
4本買った場合は、60×4+150
5本買った場合は、60×5+150
6本買った場合は、60×6+150
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では、上に挙げた計算式において、変わっていた数を言葉で言い表してみましょう。
わかったでしょうか?
そう、「買った鉛筆の本数」です。
ここで、「買った鉛筆の本数」という言葉を使って、上の計算式を表してみるとどうなるでしょう?
60×(買った鉛筆の本数)+150
このように表すことができます。
1本、2本、3本、4本…という具体的な1つ1つの数を、「買った鉛筆の本数」という言葉が代表しているのです。
ここまでの内容は、理解できましたか?
あともう少しで、説明が全て終わりますので、あともうひと踏ん張りです。
頑張りましょう!
それでは、言葉で表した式
60×(買った鉛筆の本数)+150
を、今度は文字を使って表してみましょう。
どの部分を文字で表すか、わかりますか?
そう、「買った鉛筆の本数」という、言葉で表した部分です。
では、文字”y“を使って表してみましょう。
「買った鉛筆の本数」を”y“で表せばよいので、
60×y+150
と、表すことができます。
そして、ここで使われている文字”y“は、1本、2本、3本、4本…という買った鉛筆の本数を代表しているのです。
さらに、文字”y“は、1本、2本、3本、4本…という数に共通している、「買った鉛筆の本数」という性質を表しています。
このように、1つ1つの具体的な数に共通している性質について、文字で表して式を立てることを、「式を一般化する」といいます。
※YouTubeに「なぜ文字を使うのか」についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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コメント
学校の振り返りで助かりました‼️
コメントありがとうございます!
少しでも参考になれば幸いです。