中学1年で学習する「文字の式」。
文字式のかけ算とわり算には、いくつかのきまりがあります。
それは、大きく6つのルールに分けることができます。
文字式のきまりは、慣れるまで戸惑う中学生が少なくありません。
しかし、けっして難しい内容ではありません。
今回の記事では、「文字式のきまりである6つのルール」について、詳しく説明していきたいと思います。
◎この記事では、以下の内容を説明していきます。
①文字を含むかけ算は、記号”×”を書かない!
次のような、文字を含むかけ算を例に説明します。
a×b×c
このような文字を含むかけ算の場合、記号”×”(かける)を省略して書かなければなりません。
よって、上の文字式は次のように表します。
a×b×c
= abc
もう1つ例を挙げると…
x×y
= xy
文字式のきまり・1番目のルール、「文字を含むかけ算は、記号”×(かける)”を省略して書く」ということを、しっかり覚えておきましょう!
さらに、文字のかけ算では、文字をアルファベット順に並べて書きます。
例えば、次のような文字のかけ算の場合、
c×a×b
= cab
と書いても間違いではないのですが、できればアルファベット順になるよう、次のように計算して下さい。
c×a×b
= a×b×c
= abc
②文字と数のかけ算では、数を文字の前に書く!
次のような、文字と数のかけ算を例に説明します。
5×a
このような文字と数のかけ算の場合、数を文字の前に書かなければなりません。
よって、上の文字式は次のように表します。
5×a
= 5a
上の場合は、記号”×(かける)”を省略して書くだけで、文字の前に数がくるので簡単でしたね。
では、次の文字と数のかけ算はどうでしょうか?
b×3
もし、記号”×”を省略しただけだと、“b3”になってしまいます。
文字の前に数を書かなければならないので、次のような手順で計算するとよいでしょう。
b×3
= 3×b
= 3b
これだと、文字”b”の前に数”3″が書いてあるので、文字式のきまりに合った形になっていますね。
では、次のような場合はどう計算すればよいでしょうか?
x×z×y×5
数は一番前で、文字はアルファベット順に並べて書かなければならないので、
x×z×y×5
= 5×x×y×z
= 5xyz
上のように計算します。
文字式のきまり・2番目のルール、「文字と数のかけ算は、数を文字の前に書く」ということを、しっかり覚えておきましょう!
③同じ文字のかけ算は、指数を使って表す!
まずはじめに、「指数」のおさらいをしておきましょう。
指数とは、同じ数をいくつかかけたとき、その数の右上に小さく書かれた数のことでした。
例えば、次のように5を3回かけた場合ならば、
5×5×5
= 53
このように、5の右上に指数”3″を書くことで、5を3回かけていることを表しています。
では次に、同じ文字のかけ算の場合を考えてみましょう。
数と同じように、同じ文字のかけ算も指数を使って表します。
例えば、次のようにaを4回かけた場合ならば、
a×a×a×a
= a4
このように、文字”a”の右上に指数”4″を書くことで、aを4回かけていることを表しています。
もう少し難しい問題に挑戦してみましょう!
次の場合、どのように計算すればよいでしょうか?
a×a×a×b×b×3
まず、文字の前に数字を書かなければならないので、
a×a×a×b×b×3
= 3×a×a×a×b×b
同じ文字のかけ算は指数で表さなければならないので、
= 3×a×a×a×b×b
= 3a3b2
文字式のきまり・3番目のルール、「同じ文字のかけ算は、指数を使って表す」ということを、しっかり覚えておきましょう!
※YouTubeにアップした動画でも「文字式のきまり ①~③のルール」について詳しく解説していますので、↓のリンクからご覧下さい!
④かっこの前に数や文字を書く!
かっこがついている式と、数や文字のかけ算の計算では、かっこの前に数や文字を書かなければなりません。
次のような計算を例に考えてみましょう。
6×(x+y)
この場合、かっこの式に”6″がかけられています。
この“6”をかっこの前に書いていて、
6×(x+y)
= 6(x+y)
では次のような場合を考えてみましょう。
(a+b)×c
かっこの式と数や文字のかけ算では、数や文字はかっこの前に書かなければならないので、
(a+b)×c
= c×(a+b)
= c(a+b)
文字式のきまり・4番目のルール、「かっこの式と数や文字のかけ算では、かっこの前に数や文字を書く」ということを、しっかり覚えておきましょう!
⑤1や-1と文字のかけ算では、1を省略する!
1や-1と文字のかけ算では、1を省略しなければなりません。
次の式を例に、詳しく説明してみましょう。
1×a
数”1″と文字”a”のかけ算なので、今までの文字式のきまりにしたがって計算すると、
1×a
= 1a
しかし、「1や-1と文字のかけ算は、1を省略」しなければならないので、
× 1a → 〇 a
このように表さなければなりません。
次に、“-1″と文字のかけ算についても考えてみましょう。
-1×a
この場合も、“-1″の”1″は省略しなければならないので、
-1×a
= -a
文字式のきまり・5番目のルール、「1や-1と文字のかけ算では、1を省略して書く」ということを、しっかり覚えておきましょう!
※YouTubeにアップした動画でも「文字式のきまり ④~⑤のルール」について詳しく解説していますので、↓のリンクからご覧下さい!
⑥文字を含むわり算は分数の形で表す!
文字を含むわり算は、分数の形で書かなければなりません。
まずはじめに、次の計算をやってみましょう。
x÷y
わり算は逆数のかけ算で計算できるので、次のようになります。
よって、
文字を含むわり算を、分数の形で表すことができていますね!
最後に、もう少し難しい問題にチャレンジしてみましょう。
a÷b÷c
まず、わり算を逆数のかけ算になおします。
よって、
文字式のきまり・6番目のルール、「文字を含むわり算は、分数の形で書く」ということを、しっかり覚えておきましょう!
※YouTubeにアップした動画でも「文字式のきまり ⑥のルール」について詳しく解説していますので、↓のリンクからご覧下さい!
コメント
定期考査勉強の参考にしました。とっても分かりやすかったです。ありがとうございました!
コチラこそコメントありがとうございます!
少しでも勉強の参考になれば幸いです(^^)