中学2年の数学で学習する「連立方程式」
前回の記事では「連立方程式・速さの文章題の解き方」について解説しました。
今回も速さの文章題と同様、苦手にしている中学生が非常に多い「連立方程式・割合と食塩水の文章題」の解き方についての解説記事です。
この記事では↓のポイントについて解説しています。
この記事を読んで、連立方程式・割合と食塩水の文章題を解くコツを、しっかりマスターしましょう!
①「割合」をおさらいしておこう!
小学校に学習した「割合」について、簡単に復習しておきましょう。
「割合」とは、
「もとにする量」を”1″としたときの「比べる量」の大きさ
のことです。
具体的には、
「割合」=「比べる量」÷「もとにする量」
で求めることができます。
「もとにする量」が2000円、「比べる量」が600円のとき、その割合は
600(円)÷2000(円)=0.3
となります。
割合が”0.3″ということは、2000円を”1″としたとき、600円の大きさが”0.3″ということになります。
「もとにする量」に「割合」をかけると、「比べる量」を求めることができます。
「比べる量」=「もとにする量」×「割合」
「5000gの”0.7″は何gか?」という問題があった場合、
5000(g)×0.7=3500(g)
↑のように「もとにする量」に「割合」をかけると、「比べる量」を求めることができます。
さらに「百分率」についても、復習しておきましょう。
「百分率」とは
「割合」を100倍した値
のことでしたね。
したがって、もし3000円の20%が何円か求めたい場合、
① 20%を割合になおす(100で割る)
② 3000円に割合をかける
↑の手順で計算しなければなりません。
① 20%を割合になおすには100で割るといいので、“0.2”
② 3000円に”0.2″をかけて、600円
よって、3000円の20%は600円になります。
「割合」のおさらいはここまでです。ちゃんと思い出すことができましたか?
次からは、いよいよ「連立方程式・割合の文章題」に取り組んでいきますよ!
②「連立方程式・割合の文章題」の解き方
↓の例題を使って、連立方程式・割合の文章題を解く手順について解説していきたいと思います。
【例題】
ある中学生の生徒数は420人で、自転車通学している生徒は116人です。
男子生徒の30%、女子生徒の25%が自転車通学をしています。
この中学校の男子と女子の生徒数はそれぞれ何人ですか?
方程式の文章題を解くときに、一番はじめにすることは何だったでしょう?
:
そう、求めたい値を文字で表すことでしたよね。
この問題において、求めたい値は
① 中学校の男子生徒の人数
② 中学校の女子生徒の人数
ですので、男子生徒の人数をx人、女子生徒の人数をy人と表します。
次に、↓に用意した表を埋めていくことを通して、答えを求めていきます。
この表の空欄の中で、わかっているところは、
① 合計の生徒数
⇒ 問題文より420人
② 合計の自転車通学の生徒数
⇒ 問題文より116人
さらに、この中学校の男子・女子生徒をx人とy人と文字で置いたので、
↑のように表の空欄を埋めることができます。
それでは残った空欄の、自転車通学をしている男子・女子生徒の人数について考えてみましょう。
自転車通学をしている男子生徒の人数は、中学校の男子生徒の人数の30%でした。
中学校の男子生徒の人数がx人なので、xに30%を「割合」になおした値をかけると、自転車通学をしている男子生徒の人数を表すことができます。
30%を100で割ると「割合」になおせるので、
30÷100=30/100
となります。
小数で0.3としてもよいのですが、分数で表した方が連立方程式の計算がやりやすいので、30/100としておきますね。
よって、自転車通学をしている男子生徒の人数は、
と表せます。
同様に、自転車通学をしている女子生徒の人数も、中学校の女子生徒の人数y(人)に、25%を割合になおした25/100をかけて求めます。
したがって、表は↓のように全て埋めることができます。
では、すべての欄をうめた表をもとに、連立方程式をつくってみましょう。
↑の表にかいてある通り、生徒数と自転車通学の生徒数の2つの式をつくることができます。
よって、以下のように連立方程式をつくることができます。
今回は、加減法を使って計算していきたいと思います。
②の式が分数なので、両辺に”100”をかけます。
30x+25y=11600…②’
①と②’のxの係数を合わせるために、①の式の両辺に”30”をかけます。
30x+30y=12600…①’
つづいて、①’と②’をひき算します。
5y=1000
両辺を5で割ると
y=200
y=200を➀に代入
x+200=420
x=420-200
x=220
よって答えは、
・中学校の男子生徒数は220人
・中学校の女子生徒数は200人
どうでしたか?「連立方程式・割合の文章題」を解く手順は理解できましたか?
大まかな流れとしては、
① 求めたい値を文字x、yで表す
② 表をつくり、わかるところから埋めていく
③ 表の中のいずれかで、等しい関係が成り立っている
④ 表から等しい関係を2つ探し出し、連立方程式をつくる
⑤ つくった連立方程式を解き、答えを求める
※YouTubeに「連立方程式・割合の文章題」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
③「連立方程式・食塩水の文章題」の解き方
ここからは↓の例題を使って、連立方程式・食塩水の文章題を解く手順について解説していきたいと思います。
【例題】
7%の食塩水Aと4%の食塩水Bを混ぜて、5%の食塩水Cを600g作ります。
食塩水Aと食塩水Bをそれぞれ何gずつ混ぜればよいでしょう?
方程式の文章題を解くときに、一番はじめにすることは…、
そう!求めたい値を文字で表すことでしたね。
この問題において、求めたい値は
① 7%の食塩水Aの質量
② 4%の食塩水Bの質量
ですので、食塩水Aをxg、食塩水Bをygと表します。
次に、↓に用意した表を埋めていくことを通して、答えを求めていきます。
この表の空欄の中で、わかっているところは、
① 食塩水Cの質量
⇒ 問題文より600g
② 食塩水A・B・Cの濃度
⇒ 問題文より7%・4%・5%
さらに、食塩水A・Bの質量をxgとygと文字で置いたので、
↑のように表の空欄を埋めることができます。
それでは残った空欄の、A・B・Cの食塩の質量について考えてみましょう。
食塩の質量は…、
① 濃度を百分率(%)から割合になおす
② “食塩水(g)×割合“を計算する
以上の手順で求めます。
・食塩水Aの食塩
・食塩水Bの食塩
・食塩水Cの食塩
したがって、表は↓のように全て埋めることができます。
では、すべての欄をうめた表をもとに、連立方程式をつくってみましょう。
↑の表にかいてある通り、食塩水と食塩の2つの式をつくることができます。
よって、以下のように連立方程式をつくることができます。
今回は、加減法を使って計算していきたいと思います。
②の式が分数なので、両辺に”100”をかけます。
7x+4y=3000…②’
①と②’のxの係数を合わせるために、①の式の両辺に”7”をかけます。
7x+7y=4200…①’
つづいて、①’と②’をひき算します。
3y=1200
両辺を3で割ると
y=400
y=400を➀に代入
x+400=600
x=600-400
x=200
よって答えは、
・食塩水Aの質量は200g
・食塩水Bの質量は400g
どうでしたか?「連立方程式・食塩水の文章題」を解く手順は理解できましたか?
大まかな流れとしては、
① 求めたい値を文字x、yで表す
② 食塩水・濃度・食塩の表をつくり、わかるところから埋めていく
③ 食塩水・濃度・食塩のいずれかで、等しい関係が成り立っている
④ 表から等しい関係を2つ探し出し、連立方程式をつくる
⑤ つくった連立方程式を解き、答えを求める
※YouTubeに「連立方程式・食塩水の文章題」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
記事のまとめ
以上、中2数学で学習する「連立方程式・割合と食塩水の文章題」の解き方について、詳しく説明してきました。
いかがだったでしょうか?
今回の記事のポイントをまとめると…
割合のおさらい
・「割合」=「比べる量」÷「もとにする量」
・「比べる量」=「もとにする量」×「割合」
・「百分率(%)」は「割合」に100をかけたもの
・「百分率(%)」を「割合」になおすには100で割る
連立方程式・割合と食塩水の文章題を解く手順
➀ 求めたい値を文字(xとy)で表す
↓
② 表を作成して、空欄を埋めていく
↓
➂表の中で、等しい関係を2つ見つける
↓
④ ③の等しい関係をもとに、連立方程式をつくる
↓
⑤ ④の連立方程式を解いて、答えを求める
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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