中2数学「連立方程式」いろいろな連立方程式・4つのパターン

 中学2年の数学で学習する「連立方程式」

 以前の記事では、連立方程式の「加減法」と「代入法」のやり方を解説しました。

 今回の記事では、↓の4パターンの「いろいろな連立方程式」について解説しています。

   ①「カッコをふくむ」連立方程式

   ②「小数をふくむ」連立方程式

   ③「分数をふくむ」連立方程式

   ④「A=B=C」の形の連立方程式

 この記事を読んで、いろいろなタイプの連立方程式の解き方について、しっかり理解しましょう!

※サムネイルはpoohさんによる写真ACからの写真

①「カッコをふくむ」連立方程式

 まずは、カッコをふくむ連立方程式の解き方を見ていきましょう!

 ↓の例題をご覧下さい。

 2x+y=5 3(x-y)+5y=6

 カッコをふくむ連立方程式は、最初にカッコを外してから式を整理します。

 ②の式のカッコを外して、式を整理します。

  3(x-y)+5y=6

  3x-3y+5y=6

           3x+2y=6 …②’

勉強している少年のイラスト

 カッコをふくむ式のカッコを外し式を整理した後は、加減法か代入法を使って解いていきます。

 ↑の問題の場合は、①と②’の式を加減法で解いていきます。

 ①のyの係数が1なので、①の式を2倍して②’のyの係数と合わせます。

 ①×2

  4x+2y=10 …①’

 ①’-②’

  4x+2y=10と3x+2y=6のひき算

 x=4を①に代入

  2×4+y=5

    8+y=5

             y=5-8

             y=-3

 【答】(x , y)=(4 , -3) 

一生懸命、勉強している女の子

※YouTubeに「カッコを含む連立方程式」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!

【動画】中2数学「カッコを含む連立方程式」


②「小数をふくむ」連立方程式

 次に、小数をふくむ連立方程式の解き方を見ていきましょう。

 ↓の例題をご覧下さい。

  x+2y=4 0.4x-0.3y=-1.7

 小数をふくむ連立方程式は、両辺を10倍(小数第2位の小数を含む場合は100倍)して、整数のみの式になおします。

 ②×10

  4x-3y=-17 …②’

 楽しそうに勉強している女の子のイラスト

 小数をふくむ式をすべて整数の式になおし後は、加減法か代入法を使って解いていきます。

 ↑の問題の場合は、①と②’の式を加減法で解いていきます。

 ①のxの係数が1なので、①の式を4倍して②’のxの係数と合わせます。

 ①×4

  4x+8y=16 …①’

 ①’-②

  4x+8y=16と4x-3y=-17のひき算

  11y=33

 両辺を11で割って、

   y=3

 y=3を①に代入

  x+2×3=4

        x+6=4

             x=4−6

             x=-2

 【答】(x , y)=(-2 , 3) 

楽しそうに勉強している男の子のイラスト


③「分数をふくむ」連立方程式

 次に、分数をふくむ連立方程式の解き方を見ていきましょう。

 ↓の例題をご覧下さい。

  3x+y=5 1/2x-2/3y=-5/6

 分数をふくむ連立方程式は、すべての分数の分母が1になる数を両辺にかけて、整数のみの式になおします。

 ちなみに、分数の分母が1になる数をかけることを

 分母を払う

 といいます。

 ↑の問題の場合なら、②の式の両辺を6倍します。

 ②×6

  3x-4y=-5 …②’ 

勉強に取り組んでいる男の子のイラスト

 分数をふくむ式をすべて整数の式になおし後は、加減法か代入法を使って解いていきます。

 ↑の問題の場合は、①と②’の式を加減法で解いていきます。

 ①と②’のxの係数が3で一致しているので、①の式と②’の式をひき算します。

 ①-②

  3x+y=5と3x-4y=-5のひき算

  5y=10

 両辺を5で割ると、

   y=2

 y=2を①に代入

  3x+2=5

       3x=5-2

     3x=3

 両辺を3で割って

      x=1

 【答】(x , y)=(1 , 2) 

勉強している女の子のイラスト

※YouTubeに「小数・分数をふくむ連立方程式」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!

【動画】中2数学「小数・分数を含む連立方程式」


④「A=B=C」の形の連立方程式

 最後に、「A=B=C」の形の連立方程式の解き方を見ていきましょう。

 ↓の例題をご覧下さい。

  3x+y=x+2y=-5

 3x+yをA、x+2yをB、-5をCとすると、↑の例題はA=B=Cという形をしていますね。

 A=B=C、つまりAとBとCはどれも等しいので、A=CB=Cということができます。

 よって、

 A=C

  3x+y=-5 …①

 B=C

  x+2y=-5 …②

 という2つの式ができ、連立方程式をつくることができます。

手を挙げて答えようとしている勉強する子どもたち

 「A=B=C」の形から2つの式をつくって連立方程式ができたら、減法か代入法を使って解いていきます。

 ↑の問題の場合は、①と②の式を加減法で解いていきます。

 ①のyの係数が1なので、①の式を2倍して②のyの係数と合わせます。

 ①×2

  6x+2y=-10 …①’

 ①’-②

  6x+2y=-10とx+2y=-5のひき算

  5x=-5

 両辺を5で割ると、

  x=-1

 x=-1を①に代入

  3×(-1)+y=-5

         -3+y=-5

                   y=-5+3

                   y=-2

 【答】(x , y)=(-1 , -2) 

※YouTubeに「A=B=C の形の連立方程式」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!

【動画】中2数学「A=B=Cの形の連立方程式」


記事のまとめ

 以上、中2数学で学習する「いろいろな連立方程式」の解き方について、詳しく説明してきました。
 いかがだったでしょうか?
 

 今回の記事のポイントをまとめると…

   ① カッコをふくむ連立方程式

    ⇒ カッコをふくむ式のカッコをはずし式を整理してから加減法か代入法で解く

   ② 小数をふくむ連立方程式

    ⇒ 両辺を10倍(小数第2位の小数を含む式は100倍)し、整数のみの式にして加減法か代入法で解く

   ③ 分数をふくむ連立方程式

    ⇒ すべての分数の分母を1にする数を両辺にかけて、整数のみの式にして加減法か代入法で解く

   ④ A=B=C の形の連立方程式

    ⇒ A=B=Cの式から2つの式をつくり連立方程式にしてから加減法か代入法で解く

 今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。

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