中1社会・歴史「平安時代のまとめ④」 武士のおこりと院政

 中学1年の社会の歴史分野で学習する「平安時代

 前回は平安時代まとめ➂ 国風文化と浄土信仰について、詳しく解説しました。

 今回は、平安時代の末期について、以下の3つのポイントを取り上げます。

 ① 武士のおこり

 ② 「院政」とは?

 ③ 平清盛の台頭

 ④ 武士のおこりと院政のまとめ問題

 ⑤ 平安時代・後半の年号の覚え方

 この記事は、たけのこ塾が中学生に向けて、TwitterやInstagramに投稿した内容をもとに作成しています。

 ぜひ、あなたの勉強にご活用下さい。

①武士のおこり

 それでは「武士がどのようにしておこってきたのか」、順を追って見ていきましょう!

 平安時代、地方では豪族が自分の土地を守るため、武装するようになりました。

 では、武官が貴族の警備をすることで、実力が認められるようになっていました。 

 そして、都の武官と地方の武官が交わることで、武士がおこり武士団ができました。

武士の鎧のイラスト

 やがて地方では、朝廷に対して反乱をおこす武士団があらわれました。

 935年、関東では平将門が反乱をおこしました。

 939年、瀬戸内海地方では藤原純友が反乱をおこしました。

 一方、朝廷はこれらの反乱をおさめるために、武士団を使うようになりました。

武士の兜のイラスト

 その後、武士団の中でも天皇の子孫である、源氏平氏が勢力を拡大してきました。

 東北地方でおこった戦乱をおさめた源義家によって、源氏東日本で勢力をのばしました。

 一方、平氏西日本に勢力をのばしました。

・以下の2点は中学社会のテストでよく問われますので、しっかり覚えておきましょう!

➀武士の反乱である、平将門の乱藤原純友の乱

源氏は東日本に、平氏は西日本に勢力をのばした。

楽しそうに勉強する子どもたち


②「院政」とは?

 ここでは院政について説明したいと思います。

 平安時代の中ごろから、藤原氏が実権をにぎった摂関政治が行われていました。

 その後、後三条天皇という藤原氏と関係がうすい天皇が即位します。

 そして、後三条天皇の子どもである白河天皇が即位します。

天皇が座する畳のイラスト

 その後、白河天皇は位をゆずり上皇になります。

 白河上皇は、上皇になった後も政治の実権をにぎり続けました。

 上皇や上皇の住まいを「といったので、上皇が実権をにぎり行った政治を「院政といいます。

 さらに、上皇は武士の力を利用したため、武士もさらに力をもつようになりました。

 天皇の位をゆずって上皇になったのちも、上皇の御所で政治を行うことを「院政といいました。

 中学社会のテストでよく問われますので、覚えておきましょう!


③平清盛の台頭

 平安時代の中ごろから終わりにかけて、藤原氏による摂関政治から上皇による院政と、政治の実権が移り変わっていきました。

 その間、上皇が武士の力を利用して勢力を拡大したため、徐々に武士も力を持つようになってきました。

 武士の中でも、特に平氏の平清盛が力をつけて台頭してきます。

 平清盛は、1156年保元の乱1159年平治の乱という、2つの大きな内戦に勝利したことで、政治的に強い力を大きな力を持つようになってきました。

 さらに、清盛は1167年に武士としてはじめて太政大臣の位に就き、大きな権力をふるうようになりました。

平清盛のイラスト


④武士のおこりと院政のまとめ問題

 ここまで解説してきた「平安時代」の「武士のおこり」「院政」について、覚えておかなければならない語句がいくつかあります。

 それらについて、↓にまとめた問題を載せていますので、チャレンジしましょう。

【問題】( )の中に入る適当な語句を答えましょう。

 (1) 935年、関東で( ① )の乱がおきた。また939年、瀬戸内海地方で( ② )の乱がおきた。

 (2) 武士団の中で、天皇の子孫である( ③ )氏と( ④ )氏が勢力を持つようになる。( ③ )氏は東日本、( ④ )氏は西日本で勢力を広げた。

 (3) 1086年白河天皇が、天皇の位をゆずり( ⑤ )になった後も政治を行う( ⑥ )を始めた。

 (4) 1156年の( ⑦ )の乱と1159年の( ⑧ )の乱に勝利した人物である( ⑨ )が、大きな力を持つようになった。

 問題の解答は↓の通りです。

【解答】①平将門、②藤原純友、③源(氏)、④平(氏)、⑤上皇、⑥院政、⑦保元(の乱)、⑧平治(の乱)、⑨平清盛

 ①関東で平将門の乱、瀬戸内海地方で藤原純友の乱

 ②東日本で源氏、西日本で平氏が勢力をのばす

 ③1086年、白河上皇院政をはじめる

 以上3点は、中学歴史において絶対に押さえておかなければならないポイントです。

 自信がない中学生は、しっかり確認しておきましょう!


⑤平安時代・後半の年号の覚え方

・最後に、平安時代の前半の年号を覚えるためのゴロ合わせを紹介します。

1086年 白河上皇院政を開始する

→ 今は無(イマワム)敵、白河上皇

1167年 平清盛太政大臣の位につく

→ ヒーローな(ヒイローナ)んだ、平清盛

1185年 壇ノ浦の戦いで平氏が滅びる

→ 言い訳ご(イイワケゴ)無用、壇ノ浦の戦い

 

※YouTubeに『平安時代の年号の覚え方』のゴロ合わせ動画を投稿しているので、↓のリンクからご覧下さい!

【動画】中学社会ゴロ合わせ「平安時代の年号②」


記事のまとめ

 以上、中1社会・歴史「平安時代」武士のおこりと院政について、詳しく説明してきました。

 いかがだったでしょうか?

・これまでの歴史の流れと今回の記事のポイントをまとめると… 

➀奈良時代~平安時代のはじめ頃

律令国家となり、役人である貴族が力をもつようになる

  

②平安時代の中頃

・貴族の中でも藤原氏が政治の実権をもつ、摂関政治が行われる

  ↓

③平安時代のおわり頃

上皇が政治の実権をもつ院政が行われる

一方で、①~➂の時期に少しずつ武士が力をつけていた

・そして、院政を行う上皇がその力を利用し、武士も政治に関わるようになる

 今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒よろしくお願いします。

 ご意見・ご感想、質問などございましたら、下のコメント欄にてお願いします!

中1社会 歴史「平安時代」関連記事

「平安時代まとめ①」平安京と天台宗・真言宗

「平安時代まとめ②」摂関政治と宋・高麗

「平安時代まとめ➂」国風文化と浄土信仰

「平安時代まとめ④」武士のおこりと院政