中学1年の数学で学習する「方程式」
今回は「移項」を使って方程式を解く方法について、お教えしたいと思います。
なお、前回の記事で解説した「等式の性質」を理解していることを前提にしています。
「等式の性質」がわからない人は、「等式の性質を使って方程式を解こう!」を読んだあと、こちらの記事をご覧下さい。
この記事では、次の内容を詳しく説明しています。
「移項」を使いこなせなければ、方程式の計算問題を解くことはできません。
この記事を読んで、しっかり理解しましょう!
①「等式の性質」を使った方程式の解き方
前回のおさらいになりますが、次の方程式を「等式の性質」を使って解いてみましょう!
① x+5=8
② x-5=1
①から見ていきましょう。
x=□という形にすれば、方程式の解がわかるということでした。
そのためには左辺の+5がなくなればいいので…
そう、両辺から5をひけばよいのです。
x+5=8
x+5-5=8-5
x=8-5
x=3 【答え】
次に②を見ていきましょう。
x=□という形にするには、左辺の-5がなくなればいいので…
そう、両辺に5をたせばよいのです。
x-5=1
x-5+5=1+5
x=1+5
x=6 【答え】
②「移項」ってなに?
先ほど「等式の性質」を使って解いた方程式の問題を例に、「移項」について詳しく説明していきたいと思います。
先ほど解いたこの問題を、もう一度見直してください。
x+5=8 …(1)
x+5-5=8-5 …(2)
x=8-5 …(3)
x=3 【答え】
上の計算のプロセスの(2)をとばして、(1)から(3)を見て下さい。
x+5=8
x=8-5
左辺の+5が、符号が逆の-5になって右辺に移動しているのが分かると思います。
つまり、「等式の性質を使い両辺から5をひいたこと」は、「左辺の+5が符号を逆にして右辺に移動したこと」と同じになるということです。
もう1つの問題も見直してみましょう!
x-5=1 …(1)
x-5+5=1+5 …(2)
x=1+5 …(3)
x=6 【答え】
上の計算のプロセスの(2)をとばして、(1)から(3)を見て下さい。
x-5=1
x=1+5
左辺の-5が、符号が逆の+5になって右辺に移動しているのが分かると思います。
つまり、「等式の性質を使い両辺に5をたしたこと」は、「左辺の-5が符号を逆にして右辺に移動したこと」と同じになるということです。
このように等式(=で結ばれた式)では、一方の辺の項が符号を逆にして、他方の辺に移動することができます。
このことを「移項する」といいます。
③移項して方程式を解く
移項を使って方程式を解く方法を、以下の問題で説明していきます。
① 2x+6=14
② 6x=3x+15
③ 4x+3=2x+11
それでは①から、見ていきましょう!
2x+6=14
まず、左辺の+6を右辺に移項します。
2x=14-6
2x=8
x=□の形にするため、両辺を2でわる(もしくは1/2をかける)と、
2x÷2=8÷2
x=4 【答え】
では次に②を見ていきましょう!
6x=3x+15
この方程式は今までと違い、右辺にxの項があります。
どう計算すればよいのかわかりますか?
:
そう、右辺の3xを左辺に移項すれば、よさそうですよね!
右辺の3xを符号が逆の-3xにして、左辺に移項すると、
6x-3x=15
3x=15
x=□の形にするため、両辺を3でわる(もしくは1/3をかける)と、
3x÷3=15÷3
x=5 【答え】
方程式を解く場合、①や②でやったように、移項を使って文字の項は左辺に、数の項は右辺に集めて計算します。
では最後に、③について見ていきましょう!
4x+3=2x+11
左辺の+3を右辺に、右辺の2xを左辺にそれぞれ移項します。
4x-2x=11-3
2x=8
x=□の形にするため、両辺を2でわる(もしくは1/2をかける)と、
2x÷2=8÷2
x=4 【答え】
・方程式を解く手順は次の通りです。
①移項を使って、左辺に文字の項、右辺に数の項を集める
↓
②左辺の文字の項と右辺の数の項を、それぞれ計算し簡単にする
↓
③左辺の文字の項の係数で両辺をわる(または係数の逆数をかける)
この手順を守って計算すれば、機械的に解くことができます。
しっかり理解して、できるようになっておきましょう!
※YouTubeに「移項」についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!
【動画】中1数学「方程式・移項”=”をまたぐと符号が逆になる(ⅰ)」
【動画】中1数学「方程式・移項”=”をまたぐと符号が逆になる(ⅱ)」
【動画】中1数学「方程式・移項”=”をまたぐと符号が逆になる(ⅲ)」
記事のまとめ
以上、中1数学で学習する「移項を使って方程式を解く方法」を、分かりやすく詳しく説明してきました。
いかがだったでしょうか?
◎今回の記事のポイントをまとめると…
・「移項」とは、等式で一方の辺の項が符号を逆にして、他方の辺に移動すること
・方程式を解く手順
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
次回は「小数をふくむ方程式ってどう解くの?」をアップしますので、コチラの記事もぜひご覧下さい!
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
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