中学1年の社会の歴史分野で学習する「鎌倉時代」
前回の「平安時代のまとめ④ 武士のおこりと院政」では、鎌倉時代に活躍する武士がどのように勢力を広げてきたのかについて、詳しく解説しました。
今回は、平安時代の末期から鎌倉時代のはじめについて、以下の3つのポイントを取り上げます。
この記事は、たけのこ塾が中学生に向けて、TwitterやInstagramに投稿した内容をもとに作成しています。
ぜひ、あなたの勉強にご活用下さい。
①平清盛の政治
平安時代の中ごろ、藤原氏による摂関政治が行われていました。
その後、1086年に白河上皇による院政が始まりました
院政を行った上皇は、武士の力を利用して勢力を広げたため、武士も力を持つようになっていました。
そして、保元の乱・平治の乱という2つの内乱に勝利した武士の平清盛が、勢力を広げて大きな力を持つようになりました。
その後、1167年に平清盛は武士として初めて、太政大臣の位につきます。
さらに、兵庫の港を整備して、宋(中国)と貿易を行うことで富を蓄えました。
しかし平清盛をリーダーとする平氏が、政治を思うがままに動かしたことで、平氏への不満が広がりました。
「平清盛」については、↓の2点が中学社会のテストでよく問われます。
しっかり覚えておきましょう!
① 1167年、武士として初めて太政大臣になる。
② 兵庫の港を整備し、宋と貿易を行う。
②源平の争乱
平氏の政治に不満が広がり、反感を持った諸国の武士が兵を挙げました。
源氏の源頼朝も兵を挙げ、鎌倉を本拠地として関東地方を支配しました。
頼朝は弟である源義経に命じて、平氏を攻めさせました。
そして、1185年に壇ノ浦の戦いで、源氏が平氏を滅ぼしました。
「平清盛」と「源平の争乱」において、覚えておかなければならない語句の問題を↓に載せています。
ぜひ、チャレンジしてみて下さい!
【問題】( )の中に入る適当な語句を答えましょう。
(1) 1167年、平清盛が( ① )になる。
(2) 平清盛は( ② )の港を整備し、( ③ )と貿易を行う。
(3) 1180年、( ④ )が平氏打倒のため伊豆で挙兵する。
(4) ( ④ )は、弟である( ⑤ )に平氏を攻めさせた。
(5) 1185年、( ⑥ )で源氏が平氏を滅ぼした。
【解答】①太政大臣、②兵庫、③宋、④源頼朝、⑤源義経、⑥壇ノ浦
問題は全て解けましたか?
間違えたところは解答を見て、しっかり覚えておきましょう!
「源平の争乱」では、「壇ノ浦の戦い」が中学社会のテストでよく問われますね。
壇ノ浦は現在の山口県にあるので、名前と位置を両方とも覚えておきましょうね。
③鎌倉幕府のはじまり
平氏が滅亡した後、頼朝と義経は対立するようになりました。
そして、義経は奥州(東北地方)の藤原氏のもとへ逃れました。
しかし、義経は藤原氏に攻められてしまい、自刃しました。
その藤原氏も、源頼朝に滅ぼされてしまいます。
源頼朝により、1185年に国ごとに守護が、荘園や公領ごとに地頭がおかれました。
ここで守護と地頭について詳しく見ておきましょう!
「守護」は、国ごとにおかれて、警察や軍事の仕事を行いました。
現在だと、「都道府県の警察のトップ」のような役職でしょうね。
「地頭」は、荘園や公領ごとにおかれて、税である年貢のとりたてや土地の管理を行いました。
税(年貢)を取り立てるのが、主な仕事です。
※ちなみに「公領」とは国司(朝廷から任命された地方の長官)が支配する土地のこと。
さらに源頼朝は、1192年に征夷大将軍に任命されました。
将軍である源頼朝と将軍の家来である御家人は、土地をなかだちとした「御恩」と「奉公」の主従関係で結ばれていました。
「御恩」とは、将軍が御家人に領地を与えたり、御家人の領地を保護してあげることです。
「奉公」とは、御家人が幕府や御所の警備をしたり、将軍のために軍役を果たすことです。
「御所」とは、天皇の住まいや政治を行う場所です。
また「軍役」とは、将軍のために戦に出陣することです。
ちなみに、「奉公」の「公」の字をまちがえてしまう中学生がよくいます。
気をつけましょうね!
ここまで解説してきた「鎌倉時代」の「鎌倉幕府のはじまり」について、覚えておかなければならない語句の問題を↓に載せています。
ぜひ、チャレンジしてみて下さい!
【問題】( )の中に入る適当な語句を答えましょう。
(1) 平氏滅亡後、源頼朝と源義経が対立し、義経は奥州の( ① )氏のもとへ逃れる。
(2) 鎌倉幕府を開いた源頼朝は、( ② )に任じられる。
(3) ( ③ )は荘園や公領ごとに置かれ、土地の管理や年貢の取り立てを行った。
(4) ( ④ )は国ごとに置かれ、警察や軍事の仕事を行った。
(5) 将軍に忠誠を誓った武士である( ⑤ )は、領地を仲立ちにして( ⑥ )と( ⑦ )の主従関係で結ばれていた。
【解答】①藤原(氏)、②征夷大将軍、③地頭、④守護、⑤御家人、⑥御恩、⑦奉公
「鎌倉幕府のはじまり」で押さえておきたいポイントは、次の2つです。
①守護と地頭のちがいについて
・守護は警察や軍事の仕事、地頭は税(年貢)のとりたてを行う
・守護と地頭のちがいを覚えるためのゴロ合わせを紹介します。
「週5で警備、地味だぜい!」
ゴロ合わせの内訳は↓の通りです。
・週 → 守護、警 → 警察
・地 → 地頭、ぜい → 税
※YouTubeに『守護と地頭のちがい』のゴロ合わせ動画を投稿しているので、↓のリンクからご覧下さい!
②将軍と御家人の関係について
将軍と御家人の関係は、記述問題でよく出題されます。
下に模範解答を書いているので、しっかり覚えておきましょう!
「土地をなかだちにした、御恩と奉公の主従関係」
以上2点は、中学歴史において絶対に押さえておかなければならないポイントです。
自信がない中学生は、しっかり確認しておきましょう!
記事のまとめ
以上、中1社会・歴史「鎌倉時代」源平の争いと鎌倉幕府について、詳しく説明してきました。
いかがだったでしょうか?
・これまでの歴史の流れと今回の記事のポイントをまとめると…
①上皇が政治の実権をもつ院政から、平清盛が政治の実権をにぎるようになる
②平清盛は武士で初めて太政大臣になり、兵庫の港を整備し宋と貿易を行う
③1185年、壇ノ浦の戦いで源氏が平氏を滅ぼす
④守護は警察・軍事の仕事、地頭は税(年貢)の取り立てを行う
⑤将軍と御家人の関係
→「土地をなかだちとした、御恩と奉公の主従関係」
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきます。
何卒、よろしくお願いします。