中1数学「文字の式」分配法則を使う計算 3つのパターン

 中学1年で学習する「文字の式」。

 今回は、分配法則を使う文字式の計算の3つのパターンついて、詳しく見ていきたいと思います。

 3つのパターンとは、次のような計算式です。

 1つ目は、項が2つ以上の式と数のかけ算です。

 (例) 2(5x+3)

 2つ目は、項が2つ以上の式と数のわり算です。

 (例) (6x+9)÷3

 3つ目は、分数の形の式と数のかけ算です。

 (例)

  (2x+4)/3 × 6

 この記事は、次の5つの内容について詳しく説明しています。

 分配法則のおさらい

 ②項が2つ以上の式と数のかけ算

 項が2つ以上の式と数のわり算

 ④分数の形の式と数のかけ算

 ⑤文字の式 計算のまとめ

 

 分配法則を使う文字式の計算は、たいへん重要なところです。

 この記事を読んで、しっかり理解しましょう!

①分配法則のおさらい

 まず、下の図をご覧下さい。
分配法則を〇△□の記号で説明している図

 この図のように、カッコの外にかけてある数を、カッコの中のそれぞれの項にかけることを、分配法則といいました。 

 例えば、“5(4+3)”という計算に分配法則を使うと、

 5(4+3)

 =4×5+3×5

 =20+15

 =35 

 このように計算できます。

 詳しくは、「正の数・負の数」分配法則とは何か?で解説していますので、ぜひ参考にして下さい。

勉強している少年のイラスト


②項が2つ以上の式と数のかけ算

 次の問題を例に、項が2つ以上の式と数のかけ算について説明していきたいと思います。

 (例) 2(5x+3)

 分配法則を使って計算すると、以下のようになります。

 2(5x+3)

 =5x×2+3×2

 =10x+6 …【答え】

 ◎それでは、実際に計算問題をやってみましょう!

 (1) (2x-3)×4

 解答は次の通りです。

 (2x-3)×4

 =2x×4-3×4

 =8x-12 …【答え】

 (2) -3(-2x-5)

 解答は次の通りです。

 -3(-2x-5)

 =-2x×(-3)-5×(-3)

 =6x+15 …【答え】

一生懸命、勉強している女の子


③項が2つ以上の式と数のわり算

 つづいて次の問題を例に、項が2つ以上の式と数のわり算について説明していきたいと思います。

 (例) (6x+9)÷3

 まず、わり算を逆数のかけ算になおします。

 (6x+9)÷3

 =(6x+9)×1/3

 ここで分配法則を使うと、

 (6x+9)×1/3

 =6x×1/3 + 9×1/3

 ここでそれぞれを3で約分して、 

 6x×1/3 + 9×1/3

 =2x+3 …【答え】

 ◎それでは、実際に計算問題をやってみましょう!

 (1) (-6x-8)÷(-2)

 解答は次の通りです。

 (-6x-8)÷(-2)

 =(-6x-8)×(-1/2)

 =-6x×(-1/2) - 8×(-1/2)

 ここでそれぞれを2で約分して、

 =-3x×(-1) - 4×(-1)

 =3x+4 …【答え】

 (2) (15x+20) ÷ 5/2

 解答は次の通りです。

 (15x+20) ÷ 5/2

 =(15x+20) × 2/5

 =15x×2/5 + 20×2/5

 ここでそれぞれを5で約分して、

 =3x×2+4×2

 =6x+8 …【答え】

楽しそうに勉強する子どもたち


④分数の形の式と数のかけ算

 つづいて次の問題を例に、分数の形の式と数のかけ算について説明していきたいと思います。

 (例)

  (2x+4)/3 × 6

 この計算式のポイントは、

 “2x+4″にはカッコがついていることに注意すること!

 それでは、下の計算結果をもとに説明していきたいと思います。

 (2x+4)/3 × 6の計算過程が書かれた画像

 ①において、3で約分しています。

 ②において、分子の”2x+4“にカッコをつけて計算しています。

 ③において、分配法則を使いそれぞれの項に2をかけています。

 ◎それでは、実際に計算問題をやってみましょう!

 (3x-2)/5×(-10)

 解答は次の通りです。

 (3x-2)/5×(-10)の計算過程が書かれている画像

 ①において、5で約分しています。

 ②において、分子の”3x-2“にカッコをつけて計算しています。

 ③において、分配法則を使いそれぞれの項に-2をかけています。

手を挙げて答えようとしている勉強する子どもたち


⑤文字の式 計算のまとめ

 それでは最後に、文字の式における計算のまとめの問題をやっていきましょう!

 ここでの問題を解けるようになれば、文字の式の計算問題はマスターしたといえるでしょう。

 (1) 4(2x+5)+3(x-2)

 (2) 2(-3x+2)-4(-x-3)

 まず、(1)の解答・解説から始めましょう。

 最初に、4(2x+5)、3(x-2)のそれぞれに分配法則を使います

 4(2x+5)+3(x-2)

 =2x×4+5×4+x×3-2×3

 =8x+20+3x-6

 =8x+3x+20-6

 =11x+14 …【答え】

 次に、(2)の解答・解説から始めましょう。

 最初に、2(-3x+2)、-4(-x-3)のそれぞれに分配法則を使います

 2(-3x+2)-4(-x-3)

 =-3x×2+2×2-x×(-4)-3×(-4)

 =-6x+4+4x+12

 =-6x+4x+4+12

 =-2x+16 …【答え】

※YouTubeに「分配法則を使った文字式の計算」の解説動画を投稿していますので、↓のリンクからご覧下さい!

【動画】中1数学「文字の式・文字式のかけ算・わり算①」

【動画】中1数学「文字の式・文字式のかけ算・わり算②」


記事のまとめ

 以上、中学1年「文字の式」で学習する「分配法則を使った文字式の計算」ついて、詳しく説明してきました。
 
 いかがだったでしょうか?
 
 
◎今回の記事のポイントをまとめると…
 
項が2つ以上の式と数のかけ算
→分配法則を使いカッコ内のそれぞれの項に、カッコの外の数をかける
 
項が2つ以上の式と数のわり算
わり算を逆数のかけ算になおしてから、分配法則を使って計算する
 
分数の形の式と数のかけ算
→分数の分子の文字の式は、カッコが省略されていることに注意する
 

 今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。

 ご意見・ご感想、質問などございましたら、下のコメント欄にてお願いします。

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