中学1年の数学で学習する「方程式」についての解説記事です。
今回は「分数をふくむ方程式」の解き方がよくわからないという中学生に向けて、詳しく解説した記事になります。
この記事では、↓の3つの内容について詳しく説明しています。
なお以前の記事で解説した「等式の性質」と「移項を使った方程式の解き方」の理解を前提としていますので、自信がない中学生は↓の記事で学習したうえで、この記事をご覧下さい!
また前回の記事の「小数をふくむ方程式ってどう解くの?」に、小数の方程式の解き方を説明していますので、こちらの記事もご覧下さい!
この記事を読んで、「分数をふくむ方程式」の解き方をしっかり理解しましょう!
①分数をふくむ方程式の解き方(1)
まず、下の方程式を見て下さい。
文字の項も数の項も、すべての項に分数がふくまれています。
分数をふくむ方程式をそのまま計算するのは、大変そうですよね…。
じつは小数の方程式と同じように、分数をふくむ方程式も、すべて整数の方程式にすることができます!
両辺に同じ「ある数」をかければよいのですが、どんな数をかければよいでしょうか?
方程式をもう一度よく見てみましょう。
式の中には、分母が2の分数と分母が3の分数がありますね。
これら分数の分母を1にすることができれば、整数になおすことができます。
つまり、「分母の2と3が約分で1になるような数をかければよい」のです。
2と3を約分で1にできる数は、
:
そう!
2と3の「最小公倍数」である6ですよね。
6を両辺にかけると、すべて整数の方程式にすることができます。
「分配法則」を使い、カッコ内のそれぞれの項に6をかけると、
すべて整数の方程式にすることができましたね。
あとは、「移項」を使って方程式を解いていきます。
9x+2=3x-10
9x-3x=-10-2
6x=-12
あとは両辺を6で割る(もしくは1/6をかける)と、
6x÷6=-12÷6
x=-2【答え】
このように分数をふくむ方程式は、各分数の分母の最小公倍数を両辺にかければ、すべて整数の方程式にすることができます。
各分数の分母の公倍数を両辺にかけて分母を1にする、つまり整数にすることを「分母をはらう」といいます。
②分数をふくむ方程式の解き方(2)
では、次のような分数をふくむ方程式の場合、どうすればよいでしょうか?
この場合、分数の分母が5と2ですので…、
そう!
5と2の最小公倍数である10を両辺にかければ、すべて整数の方程式にすることができますよね。
そして、このことを「分母をはらう」といいましたね。
このとき注意しなければならないことは…、
左辺の分子の文字の式”4x+2“には、本当はかっこがついているということです。
よって、次のように計算していきます。
「分配法則」を使い、左辺のカッコ内の各項に2を、右辺のカッコ内の各項に10をかけると、
すべて整数の方程式にすることができました!
あとは、「移項」を使って方程式を解いていくと、
8x+4=5x+10
8x-5x=10-4
3x=6
両辺を3で割る(もしくは1/3をかける)と、
3x÷3=6÷3
x=2【答え】
この分数の方程式のように、分数の分子がたし算やひき算の形である場合は、分母を払う前に分子にカッコをつけてから計算することを意識しましょう。
③分数をふくむ方程式の練習問題
では最後に、分数をふくむ方程式の練習問題を解いてみましょう。
①の計算方法と解答は↓です。
方程式の中に分母が3と2の分数が含まれているので、最小公倍数である6を両辺にかけて、分母を払ってあげましょう。
②の計算方法と解答は↓です。
方程式の中に分母が3と5の分数が含まれているので、最小公倍数である15を両辺にかけて、分母を払ってあげましょう。
また分数の分子がひき算の形になっているので、カッコをつけてから分母をはらうことを忘れないよう注意して下さい。
できなかったり間違えたりした問題は解答をよく見直して、やり方をしっかり理解しておきましょう!
※YouTubeに「分数をふくむ方程式」についての解説動画を投稿していますので、↓のリンクからぜひご覧下さい!
【動画】中1数学【方程式⑪】「分数の方程式 計算問題(ⅰ)」
【動画】中1数学【方程式⑫】「分数の方程式 計算問題(ⅱ)」
【動画】中1数学【方程式⑬】「分数の方程式 計算問題(ⅲ)」
記事のまとめ
◎今回の記事のポイントをまとめると…
◎分数をふくむ方程式は、すべて整数の方程式にする
そのためには…
⇒ 各分数の分母の最小公倍数を、両辺にかければよい
・各分母の公倍数を両辺にかけることを「分母をはらう」という
・分数の分子がたし算やひき算の場合は、分子の式にカッコをつけてから分母を払う
最後になりましたが、おすすめの参考書・問題集を2冊紹介したいと思います。
1冊目に紹介するのは「中学の数学・方程式が超わかる本」です。
「正の数・負の数のたし算・ひき算」から「方程式の計算問題」まで、0から独学で身に付けることができる超おすすめの1冊です。
「文字の式」と「方程式」の文章問題のやり方についても説明が載っており、この1冊で中1数学の前半をマスターできます。
引き続き、2冊目に紹介するのは「中1数学をひとつひとつわかりやすく」です。
非常に見やすくシンプルなレイアウトで構成されており、数学が苦手な(嫌いな)中学生でも気楽に取り組むことができます。
基本項目を1つ1つ、スモールステップで確実に身に付けていくことができるので、おすすめの1冊です。
今回も最後まで、たけのこ塾のブログ記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
次回は「比例式を解きコツは『外×外=内×内』」をアップしますので、コチラもぜひご覧下さい!
これからも、中学生のみなさんに役立つ記事をアップしていきますので、何卒、よろしくお願いします。
ご意見・ご感想、質問などございましたら、下のコメント欄にてお願いします。
コメント
わかった
ありがとうございます‼
とてもわかりやすくかかれていて良かったです
ありがとうございます
明日は中間テストで正直困っていました
調べてみて良かったです
分数の方程式の通分の仕方がわからないです
コメントありがとうございます。
この記事の中でも説明していますが、分数の方程式は通分するよりも分母を払うやり方が、計算が楽だと思うのですが…。
もし、分数の方程式を通分して解かないといけない理由があれば再度コメントで教えて頂けるとありがたいです。
この記事の最後のまとめの「小数を含む方程式は」のところ少数ではなく分数ではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
ご指摘の箇所は修正させていただきました。